チョロQ

昨日朝日・朝刊1面左上の記事。
いきなりasahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200909250412.html
http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200909250412.html

JR西・前社長「責任者の特定避けて」事故調委員に要請(1/2ページ)2009年9月26日5時33分

 05年のJR宝塚線福知山線)の脱線事故をめぐる調査情報漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本山崎正夫前社長(66)が、報告書案の複数の部分について、責任の所在をあいまいにする形での修正を求めていたことが、運輸安全委員会への取材でわかった。同委関係者は「自分を含む社員ら個人に非難が及ばないようにすることで、会社全体への風当たりを抑えようとしたのではないか」との見方を強めている。

 安全委のこれまでの調べでは、事故後に社長に就任した山崎氏は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)の山口浩一元委員(71)から報告書案を入手したうえで、「新型の自動列車停止装置(ATS)が整備されていれば事故は防げた」との趣旨の記述の削除を求めていたことがわかっている。新型ATSを優先的に設置しなかったことについて山崎氏は刑事責任を問われており、重大な関心があったとみられる。

 それとは別に、山崎氏は山口氏に「(会社側の各行為について)担当者が特定されないよう配慮を」とも要求していたことが新たにわかった。安全委関係者は「個人にも組織にも責任追及の目が向けられないように工作したのではないか」とみる。

 依頼を受けた山口氏は、委員会で提案しようと考えたという。だが委員会で発言する前に、報告書案全体から個人の責任を指摘するような記述はすべて削除された。削除した理由について安全委は「報告書は再発防止のためのものであり、個人の責任追及を目的にしていない。別の委員や事務局の判断で修正した」としている。

 また、「新型ATSが整備されていれば事故は防げた」との文面をめぐっては、山崎氏から「結果論だ」という趣旨で「後出しじゃんけん(のような評価)だ」と削除を求められていたが、山口氏は委員会の意見交換の場で、「運転屋(である自分)の意見では、後出しじゃんけん的であり、科学的ではない。カットしたほうがいいのではないか」と、山崎氏と同じ言葉を使って提言していたことが判明。忠実に依頼に応えようとしていた実態が浮かび上がった。

2ページめです。

こうした2人の密接な関係が明らかになったため、安全委は山口氏による不自然な発言がほかになかったか、過去の議事録などを調べたが、新たな問題は見つからなかった。

 安全委の後藤昇弘(のりひろ)委員長は、「結果として不正な修正はなされておらず、報告書の信頼性は今もあると思っている。だが今後、具体的に『おかしい』との指摘があれば、こたえていきたい」と話している。

 一方、検察当局は、山口氏が山崎氏から複数回にわたって夕食の接待を受けたり、土産の菓子をもらったりしていることから贈収賄にあたる可能性もあるとみて立件の可否を検討したが、接待が高額でなかったことなどから見送ったという。

最初、私も「とんでもない」と思いました。
ただ、考えてみると、ありえませんが自分がその立場になって考えて、後輩に、
「○○さん(私の本名入ります)調査委員会どんな様子です」
聞かれたら、黙っていられるかどうか?
私怪しいです。
かなり、極秘という意識があれば、
「○○(後輩の名前入ります)悪いけどそれは立場上話せないや、どうしても聞きたいのなら話すけどね」
と言って、相手が「そうですよね、すみませんでした」
と言ってくれれば、さわりぐらい教えるかも知れませんが、それで終了。
問題は、それでも聞きたいと言われれば、相手との関係にもよりますが、話してしまうかもです。
ですので、最初に思った「とんでもない」って気持ち薄れました。
気に入ったのが、社会面(手元の新聞で33面)に出ていた、関連記事中の、

菓子折りのほか500系新幹線の模型チョロQ3種類ももらったという。

で、この500系チョロQ市販されていないそうです。
上の記事のもあるように、

収賄にあたる可能性もあるとみて立件の可否を検討したが、接待が高額でなかったことなどから見送ったという。

JR西元社長の山崎さんも、報告書を漏洩した山口さんもJRの技術屋さんです。
二人とも完全に「鉄チャン」ですね気きっと。
こんな会話想像してしまいます。
「山口さん、500系チョロQ持ってきました」
「山崎、500系ってお前、市販されていないじゃないか、こりゃまたすごいもんを」
現在66歳と71歳だそうですが、楽しそうな会話です。
きっと、御礼の意味もあるのでしょうが、一般の方が思う以上に、このチョロQに意味も・意義も・価値もあったと思います。
その分、贈賄、収賄の意識は低くなりますよね。
マニアの間での価値は別物です。
きっと、お二人とも鉄道が好きでたまらなかったのでしょう。
ただ、亡くなったご遺族の気持ちを考えるとこんなこと書いていられませんね。


この件私から見て、大きな問題があります。
今回のJR事故を解明する、航空・鉄道事故調査委員会のメンバーに、同じJR出身の方を入れてしまう。
その感覚
やっぱり変ですよね。
JR出身の山口さん、この委員会に選んではいけなかったのです。
国土交通省の管轄ですが、
このあたり、官僚さんは民間に天下りして、
その会社の利益のために後輩を利用する。
そういう日常が多いので、そこまで気が回らなかったのだと思います。
でも、今後はこういう任命はなくさないといけませんね。
今回の件、山崎さん自身の記者会見ありましたが、
これ、民主政権になっていなくてもあったのかどうか?
新政権だから公になったのか?
知りたいところです。
この件、今日の朝日・1面にも

 05年のJR宝塚線福知山線)の脱線事故をめぐる調査情報漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本の鈴木喜也・東京本部副本部長(55)が、当時の国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の鉄道部会長だった佐藤泰生・元委員(70)と約10回にわたって接触していたことが分かった。JR西が26日夜、東京都千代田区の同社東京本部で取材に応じ、明らかにした。

こんな記事ありました。
管理する側と、管理される側の馴れ合い感じますね。
JRは民営化されたとはいえ元国営、日航も半官半民。
どうも、この辺「新政権で○○××」
ってなんか期待してしまいますね。
戦後の処理が、まだすんでいないのかもしれませんね。