小田仁二郎さん

最近「小田仁二郎」さんという方知りまして2作品読みました。
芥川賞2回ノミネート、直木賞1回ノミネートで結局どちらも受賞されていません。
どちらか受賞されていれば読んでいた可能性ありますね。
小田仁二郎 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%94%B0%E4%BB%81%E4%BA%8C%E9%83%8E
なんで知ったかと言いますと、
瀬戸内寂聴さん原作で最近映画になった、「夏の終り」の登場人物です。
本屋さんで小田さんの著作入手難しいようです。
図書館で検索して、「新ちくま文学の森 2 奇想天外」

奇想天外 (新・ちくま文学の森)

奇想天外 (新・ちくま文学の森)

収録の「鯉の巴」読みました。
収録されていたのが全て短編なので
宮沢賢治「猫の事務所」
夢野久作「卵」
安部公房「赤い繭」
稲垣足穂「ココァ山」
泉鏡花「雨ばけの話」
三島由紀夫「美神」
中井英夫「火星植物園」
もついでに読んできました。


この「鯉の巴」なのですが、図書館で検索した
以下↓作品集全てに収録されていました。

日本怪談集〈上〉 (河出文庫)

日本怪談集〈上〉 (河出文庫)

私が読んだちくまの本の最後に出典元記載されていまして、
河出の「日本怪談集」記載されていました。
他の全集も河出の本が出典なのかもしれませんね。
編集者も作品の発掘は大変でしょうから、自分の愛着のある作品以外は、既刊の全集見て探すことがあるのかもしれません。
芥川賞候補2作品と、直木賞候補作1作品は、私の住んでいる市と、隣の市の図書館にもなく。
上記ウィキペディアに書かれていた、

1948年に真善美社の「アプレゲール叢書」の一冊として刊行された「触手」で文壇の一部からは評価されたが、その難解さから商業誌には迎えられなかった。

「触手」は
「現代の文学38 戦後1」

に収録されていて読むことが出来ました。
これは書庫に入っていてリクエストしないと出てこないので借りてきました。
引用の引用になりますが、以下↓から、
小田仁二郎作品集「触手」 ( 読書 ) - 三頌亭日乗 - Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/62354551.html
「触手」冒頭部分です。

私の、十本の指、その腹、どの指のはらにも、それぞれちがう紋々が、うずをまき、うずの中心に、はらは、ふつくりふくれている。それをみつめている私。うずの線は、みつめていると、うごかないままに、中心にはしり、また中心からながれでてくる。うごかない指のはらで、紋々がうずまきながれるのだ。めまいがする。

少し読みにくいですが、1948年ということで、65年も前の作品なのに斬新な感じ受けました。
今この小説書かれたら、話題になるのでは?
と私は思いました。
「鯉の巴」は普通の文体で書かれていて読みやすかったです。
「違うよ」と言われること覚悟して、内容は違いますが文章
以前ここにも書いた、
黒田夏子さん - なんやかんや
前回2012年後期芥川賞受賞作の、黒田夏子さんの「abさんご」を連想しました。


借りてきた全集ですが、他の作品も興味があって、
田中英光さんは「オリンポスの果実」だけ読んでいました。
好きな作品です。
手元には新潮文庫があります。

桜・愛と青春と生活 (講談社文芸文庫)

桜・愛と青春と生活 (講談社文芸文庫)

キンドルこんなところに出てくるのですね。収録された「さよなら」読みました。
田中英光 - Wikipedia
田中さん太宰さんの弟子です。
太宰さんの遺作「グッド・バイ」



三好京三さんの「子育てごっこ」で名前だけは知っていて

三好京三 - Wikipedia
作品読んだことのなかった、
きだみのるさんの作品も収録されていて、「マルと弥平」読みました
きだみのる - Wikipedia


太宰・坂口・織田*1さんといった有名どころも収録されていますが、名前さえ知らなかった方の作品いくつか読みました。
竹田敏行さん「消滅」

スピノザの石―竹田敏行作品集

スピノザの石―竹田敏行作品集

この方も芥川候補作家さんでした。
http://homepage1.nifty.com/naokiaward/akutagawa/kogun/kogun30TAT.htm
伊東人誉さん「穴の底」
この本まだ手元にあるので、気になる作品読もうと思っています。
こういう今では読めなくなっている作品。
気になりだすと切がない。
しかも読んでみると、かなり魅力的な作品を掘り出す事もあります。
ただ、普段は掘り出す作業をしないように心がけています。
タブン生きていくための最小限の時間を残して後の時間全部読書に費やしても私の人生はどう考えても足りませんよね。
この本返して、「方丈記私記」よんだら又お休みします。
書き忘れてましたが、小田仁二郎さんの小説ではないですが、女性を書いた小説のあらすじ紹介と、著者への取材を元に書かれた。
女は生きる―現代名作案内 (1965年)

女は生きる―現代名作案内 (1965年)

も書庫から出してもらって借りてきています。
こっちも、名前は知っているけど読んだことにない作品が紹介されていて読んでいます。

*1:今NHKで土曜に「夫婦善哉」ドラマやってますね