佐藤正午さんの「永遠の1/2」読みました。
図書館で借りたのは単行本です。
- 作者: 佐藤正午
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1984/01
- メディア: 単行本
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映画パンフレット 「永遠の1/2」 監督 根岸吉太郎 出演 時任三郎/大竹しのぶ/中島朋子/小林聡美/竹中直人/中村久美/藤田敏八
- 出版社/メーカー: アットワンダー
- メディア: おもちゃ&ホビー
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以前から知っていましたが、作品を読んだことがなく、デビュー作読みました。
この作品1983年の第7回すばる文学書受賞作で、翌1984年1月に集英社より出版されています。
金原ひとみさんは「蛇にピアス」すばる文学賞、そのまま芥川賞でしたが。
この作品385Pもあって芥川賞の対象になるには長かったのだと思います。
54P〜55P引用します。
彼女が三ヶ月前に離婚したばかりだと判っていたら、きっとぼくは二の足を踏んだに違いない。踏まなかったかもしれぬが。きっともう二三週間はためらったはずだ。ところが、思い違いのおかげでこんなにも早くものにすることができた。それも色白で脚の長い人妻をだ。正確に言えば人妻じゃないが。まあ似たようなものだ。
318P
あのとき強引に良子を抱いてしまわなかった失敗を幾度となく後悔もしたし、彼女との結婚をまったく諦めたわけでもなかった。けれどもその一方で、これも正直に言うのだが、もう良子とは会えなくてもいい、というかもう一度彼女と会うことがどこかわずらわしくてたまらないような気もしていたのである。その気持ちをうまくは言えないが、たとえば。人が眠りから醒めるように、酔いから醒めるように、もし恋から醒めることがあるとすれば、それだったかもしれない。もちろんこれはただの譬えであり、少しも説明になってはいないので、恋醒――という言葉があるとして――が事実だとしても、どうしてそうなったのかは、人にむかってどうして朝起きるのかと訊ねるように、意味のないことになってしまうわけだが。
作品全体がこの感じでは無いのですが、私は村上さんの感じがした部分を抜き出して引用しているので、より強調されたものになっていることはご了承ください。ただし引用部分は本文まま何一つ変えずに抜き出しています。
村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」出版は1979年7月
「1973年のピンボール」出版が1980年6月
「羊をめぐる冒険」出版が1982年10月
永遠の1/2出版前に村上さん初期の3部作出版終えて、*1
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」出版1985年6月前という段階です。
まだ村上さんもブレイク前ですが、佐藤さんも少なくとも最初の2作品ぐらいは読んでいたのではないのか?
そんな気がします。
私は村上さんのデビュー作、前にも書いていますがかなり気に入っています。
その後、「ノルウェイの森」で人気を決定的にした村上さん。
小説の新人賞に村上さん真似た文体の応募が多くて編集者が困惑した。
といった話を聞いたことがあります。
私、読んでいて似ているなとは思いましたが、元々村上さんファンなので素直に読めました。
佐藤さんデビュー作から凄い。
私が借りてきた図書館の本は第八刷でした。
脱線ついでに、
佐世保にお住まいとのこと、佐世保といえばもう1人の村上さんの出身地。
龍さんは佐藤さんの高校の4学年先輩になるようです。
「69」に書かれていた高校のバリケード封鎖は実話のようなので、佐藤さんは在学中に龍さんの伝説聞いていたのかもしれませんね。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 文庫
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佐藤正午 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%AD%A3%E5%8D%88
1983年に2年がかりで書き上げた長編小説『永遠の1/2』(えいえんのにぶんのいち)がすばる文学賞を受賞し作家デビュー
と書いてありました。