朝日「素粒子」問題

6月18日(水)夕刊1面に掲載された、素粒子の以下の内容が問題になっています。

永世死刑執行人 鳩山法相
「自信と責任」に胸を張り、2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神

昨日朝日・朝刊社会面(手元の新聞で38面)左下にこの件に関し記事出ています。

素粒子への批判
厳粛に受け止め
本社、犯罪被害者の会に

asahi.comから全文引用します。
http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY200807020001.html
http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY200807020001.html

死刑執行にからんで鳩山法相を「死に神」などと表現した朝日新聞の夕刊コラム「素粒子」を巡り、「全国犯罪被害者の会あすの会)」が「我々に対する侮辱でもある」と抗議していた問題で、朝日新聞社は6月30日付の文書で同会の質問に回答した。

 回答はコラムについて、死刑を巡る鳩山法相の一連の言動を踏まえたものと説明。「犯罪被害者遺族にどんな気持ちを起こさせるか考えなかったのか」との質問には、「お気持ちに思いが至らなかった」とし、「ご批判を厳粛に受け止め、教訓として今後の報道に生かしていきます」と答えた。

 また、朝日新聞死刑廃止の立場をとっていないとしたうえで、執行にあたっては慎重な対応を求めてきたことを説明。鳩山法相が昨年9月の記者会見で、「半年以内に死刑は執行されねばならないという規定が自動的に進むような方法はないのか」「ベルトコンベヤーと言ってはいけないが、順番通りということなのか、それとも乱数表なのか、わからないけれど」と述べた後、ほぼ2カ月間隔で死刑の執行を命じ、就任から1年足らずで13人の死刑が執行されたことを指摘。こうした一連の言動を踏まえ、社会の様々な出来事を短行で批評する「素粒子」筆者の視点から「死に神」などと表現したと答えた。

 鳩山法相については「中傷する意図は全くありませんでした。法相が『侮辱』『中傷』とお受け取りになったとすれば、残念です」とした。

 被害者の会の代表幹事である岡村勲弁護士は6月25日の記者会見で、「私たち犯罪被害者遺族は、死刑囚の死刑執行が一日も早いことを願っている。(コラムは)鳩山法相に対する批判であるが、そのまま犯罪被害者遺族にもあてられたものだ」と抗議していた。


全国犯罪被害者の会の方たちに、「我々に対する侮辱でもある」と抗議されてしまうと辛いですね。
犯罪被害者の方たちを、たとえ誰であろうとも侮辱できるわけがありません。
朝日の回答、

朝日新聞死刑廃止の立場をとっていないとしたうえで、執行にあたっては慎重な対応を求めてきたことを説明。

となっています。
そうでしたか、朝日死刑廃止の立場ではなかったんですね。
朝日が、ここまで書いてしまうと、裁判員制度導入前に、死刑廃止の流れを作ること難しくなってしまいそうです。

さらに、この↓分部、

鳩山法相については「中傷する意図は全くありませんでした。法相が『侮辱』『中傷』とお受け取りになったとすれば、残念です」とした。


苦しいですね。
中傷する意思、全くない?
私、多少感じます。素粒子から。

被害者の会は、代表幹事である岡村勲弁護士の6月25日の記者会見によると、
「私たち犯罪被害者遺族は、死刑囚の死刑執行が一日も早いことを願っている。」

とのこと。


ん〜。どうなんでしょう?
被害者の会の総意が、
「死刑囚の死刑執行が一日も早いことを願っている」
となっているかのようなお話になっていますが、
岡村勲弁護士の意思が強く感じられる気がするのは私だけでしょうか?


この問題、死刑制度をどうするか?
という問題で話を続けていくこと、
私は避けたい。
犯罪被害者遺族の方たちは、守られるべきですし、侮辱されるべきではないからです。
この問題、犯罪被害者遺族の方たちが、どのようにしたら精神的に楽になれるのか。
そこを考えることがなにより大切だと思います。
もちろん家族を犯罪によって亡くした悲しみから開放されるということはかなり難しいと思います。
犯罪者が死刑になったとしても解放されることはないかもしれませんね。
それと、もう1つ、
新たな犯罪被害者遺族の方を作らないようにするためにはどうしたら良いか?
みんなで、私たちの国を住み易くするために考えないといけない重要課題のひとつですね。


#追記
岡村勲さんご自身も、犯罪被害者遺族でいらしゃいました。
犯罪に対する意識、厳しいものあって当然だと思います。

1997年に、岡村の妻が殺害されたことである。かつて担当した山一証券問題に際して、逆恨みした債権者が自宅を襲撃し、岡村の妻を殺害した。これにより岡村は犯罪被害者の遺族となったが、このときに被害者及びその家族の状況を知ることとなった。

ウイキペディアより引用しています。
岡村勲 - Wikipedia