頭に来てはいけません。

11月17日朝日夕刊2面の、
論説委員室から

鳥獣戯画の半貌

というタイトルで出ていたコラムの件です。
短い記事なので、下手に要約しないで内容全文載せます。

 日本最古の漫画ともいわれる「鳥獣戯画」が全部見られるというので、東京六本木のサントリー美術館で開催中の「鳥獣戯画がやってきた−国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌」に足を運んだ。
 「鳥獣戯画」は甲・乙・丙・丁の4部からなる。鳥羽僧正作とも伝わるが、筆致の違いなどから、長期間にわたり何人かが描き継いだ戯画集成というのが実態らしい。
 最も有名なのはウサギやカエル、サルが戯れる「甲」の部だ。中でも、カエルがウサギを投げ飛ばして見えを切る相撲の場面は教科書でもおなじみだ。
 ところが、その有名な場面が展示には見あたらない。模写もいくつか出品されており、そっちにはあるのだが、お目当ての本物は出てこない。
 いぶかしく思って案内係に尋ねると、「展示替リスト」を渡された。26日までの会期前半は、いずれも4部の、巻物の前半のみを、28日から12月16日までの後半に残りを見せる、とある。「甲」の後ろにある相撲の場面は、陳列ケースの中にあるのに巻き込まれていて見られない。
 これにはいささか頭に来た。鳥獣戯画の「全貌」とうたいながら、1回に見られるのは「半貌」に過ぎない。私のように一番有名なところを見ないと、見た気がしない人間は2度も来る必要がある。
 1300円する入場券の裏には「半券を持参すれば100円引く」とあるが、絵巻を一挙に見せるか、半額にするか、どちらかだろう。

論説委員さんの怒りが手に取るように伝わりますね。
サントリーって文化に理解があって、そういう所にお金を使うイメージあるのですが、
しっかり商売している感じです。
肝心な所を見せろ、といっている論説委員さん駄々っ子みたいです。
でもこういう方法はやっぱりズルイ感じしますね。
食品の虚偽表示にも通じるものあります。
でもこの記事、論説委員さんも朝日新聞という大メディアを使って、私憤を晴らそうとしている感じも受けます。
確かにサントリー美術館もひどいですけど、
論説委員さんも、サントリー美術館にかなりの圧力をこの記事によってかけていることになります。
勿論ご本人もそうなることご承知の上で書かれていると思います。
ただそうなると、
『これにはいささか頭に来た。』
の表現ストレート過ぎる気がします。
例えば、『これは大変残念だった』とか『見られなくて寂しい思いがした』
とか、強い朝日が、素人相手にけんかを売っているような感じは避けた方が良かったような気がします。
自分の胸に手を当てて、この「なんやかんや」もこういった表現している時もあったかもしれませんね。今後できるだけ気をつけようと思います。


サントリー美術館虚偽表示を論説委員さんの説を取り入れて、
鳥獣戯画がやってきた−国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の貌」
にタイトル変更しているか確認してみました。
http://www.suntory.co.jp/sma/index.html
全貌のままでした。
だだ、このホームページ上の
重要なお知らせ
に以下↓の記述されていました。

作品保護のため、会期中に展示替えがございます。 詳細は出品作品リスト(PDF)をご覧ください。なお、「鳥獣人物戯画絵巻」4巻は前期と後期で巻き替えを行います。甲巻については、水遊びの場面は前期、兎と蛙の相撲の場面・兎と猿の追いかけっこの場面は後期に展示されます

この記述、朝日の記事の前からあったのか?
それとも朝日の記事の後から付け加えたのかどっちでしょう?
論説委員さんの確認不足ってこともあるかもしれませんね。
それでも悔しい気持ちよくわかります。
私もたまにそういうことあります。


チョット思ったのですが、

陳列ケースの中にあるのに巻き込まれていて見られない。

状態になっているのに、

作品保護のため、

って、確かに巻き込んであったほうが作品は保護されるのかも知れませんが、
今は展示の技術も進歩しているので、自らの営利主義を隠すための苦しい言い訳に感じます。
それと、もう1つ、
論説委員さん後期の展示見に行かれるのでしょうか?
気になります。