スマートメーター

今日の朝日・朝刊経済面(手元の新聞で9面)に

次世代電力市場 加速
東芝スマートメーター大手買収発表

の見出しあります。
17日の夕刊に、この関連記事、
「今週末にも買収へ」
という記事出ていて注目していました。
http://www.asahi.com/business/update/0517/TKY201105160691_01.html
http://www.a.sahi.com/business/update/0517/TKY201105160691_01.html

東芝スマートメーター大手を買収へ 買収額2千億円
2011年5月17日5時1分

 東芝は16日、次世代送電網「スマートグリッド」に不可欠なスマートメーター(通信機能付き電力量計)製造大手のランディス・ギア(LG)を買収する方向で、LG株の大半を握る豪州のファンドと最終調整に入った。これまでの入札で、東芝が優先交渉権を得ており、早ければ週内にも大筋で合意する見通しだ。

 実現すると、買収総額は約2千億円になる見込み。東芝は過半を出資するとともに、官民ファンドの産業革新機構や他企業からも出資を募る意向だ。2度の入札の結果、東芝が優先交渉権を獲得し、現在、詰めの協議を続けている。

 スマートグリッドは、家庭や工場に設置したスマートメーターから電力消費に関する情報を通信回線を通じてリアルタイムに発電施設などに送信し、発電を効率的に調整する仕組み。温暖化対策として今後、太陽光や風力など再生可能だが不安定なエネルギーの普及が進むのに応じ、電力供給の安定化のためにスマートグリッドや、その核となるスマートメーターの普及が不可欠になる。

正式に決定したようです。
新聞には、スマートグリッドのイメージと言うイラスト付きの解説あって、この技術がどのようなものか、わかりやすく解説してあります。
イラスト見つかりませんでしたが、asahi.comから関連記事リンクと引用します。
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201105200015.html
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201105200015.html

東芝ランディス・ギアを買収−スマートメーター強化
2011年5月20日


 東芝は19日、スマートメーター最大手のスイスのランディス・ギアを買収すると発表した。23億ドル(約1870億円)で全株式を取得する。ランディス・ギアの保有する通信技術や欧米の顧客網を活用し、海外展開の加速につなげる。産業革新機構や欧米企業からの出資も募る方向で調整する。7―9月期に買収手続きを完了する。買収をテコに、スマートグリッド(次世代電力網)事業関連の売上高を現行の3000億円から15年度に7000億円に引き上げる。


 スマートメーターは双方向の通信機能を持ち、電力会社がリアルタイムに電力状況を把握するのに役立つ。スマートグリッドの中核機器とも言われる。東芝はこれまで国内で東光電気と合弁事業を展開してきたが、ランディス・ギアを買収することで、海外展開を一気に加速する。


 ランディス・ギアの10年12月期の売上高は約15億3300万ドル。従業員は約5000人。双方向通信技術に強みを持ち、世界約30カ国で事業を展開する。


 野村証券金融経済研究所の調べによれば、スマートメーター関連での10―30年の累計投資額は390億ドルに達すると見られる。市場拡大を見据えて競合他社もスマートメーター事業に本腰で、富士電機は米ゼネラル・エレクトリックと合弁事業を展開。日立製作所大崎電気工業と開発などで提携している。

東芝さん、すごいですね。
スクラップ&ビルド徹底していて、常に前向きの印象受けます。
モチロンその中で、スクラップでリストラしている事業も人もあるのでしょけど。
スクラップで印象にあるのは、
次世代DVD企画でブルーレイに押されて撤退した、HD-DVDとかね。
以前書いています。
2008-02-25旬 - なんやかんや
もう3年も前の話ですね。
キャノンさんと共同開発していたディスプレイのSEDからも撤退してました。
2007-01-14キャノンさんと東芝さん - なんやかんや
それでも、原子力半導体に資本集中という事で、こんな事書いてました。
2006-04-13 東芝 - なんやかんや

東芝さん「世界の原子力企業」目指していますね。

東芝さんは、以前から沸騰水型軽水炉が得意な会社でした。

(日本で、こっちのタイプの原発多いようです。)

ところがもう1つ加圧水型のタイプもありまして、

(世界ではこちらが主力のようです。)

そこで東芝さん世界的な加圧水型メーカー、米のウェスチングハウス・エレクトリックを、

親会社の英国核燃料会社(BNFL)から、他社との入札に勝つ54億ドル(約6400億円)で取得。2月6日に全株取得の契約行ったばかりですね。

この金額の多さも話題になっていました。



安全性に問題あると、それこそたくさんの命と引き換えになります。

東芝さん一企業の問題ではなくなってしまいます。

お金では済まない話ですが、賠償金とんでもない金額になることでしょう。

おそらく東芝と言う企業が存続できない危険性もはらんでいますね。

だから英国核燃料会社(BNFL)はウェスチングハウス・エレクトリックを手放したのだと思います。

この買収5年前の事だったんですね。
月日の経つのは早い。
心配していた事が、こんな形で現実になるとは。
賠償は設置より、運営の東電が負う部分多いようです。
今回の地震で思ったのですが、原子力は、炉の技術だけでは済まないのですね。
制御が重要。
さらに防波堤とか、電気設備とか。
メインは物理学科の原子力なのでしょうけど、建築・土木・電気、他にも色々。
本当に複合産業。
認識を新たにしました。


話し進めます。
この買収額の54億ドル、当時日本企業の買収額としては、かなりの額。
当時の社長の西田さん思い切った事するなと思いました。*1
今の状況、東芝さんの将来への投資の両輪の片方がやばい感じ、震災後、どうするんだろう?
と、私にはどうにもできませんが心配していました。
地震があって、買収の話をより積極的にしたのかもしれませんが、
東芝と言う企業は、現状に甘んじることなく、常に先手を打って次の成長戦略を練っているのですね。
この時期にこういった話が進められるというのは心強い。
企業は、ご飯を食べていかないといけない。
現状に甘んじていると衰退を招きますね。
この姿勢見習わなければ、ほんと頭が下がります。
この戦略が成功するとは限りませんが、成功して欲しいと思います。
ウィキペディアによると、今は社長さん変わっています。
東芝 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%8A%9D

2009年(平成21年)07月 - 佐々木則夫が社長に就任

今回の買収額23億ドルですから、ウェスチングハウスの半額以下です。
それでも高額です。
電気・自動車は日本の稼ぎ頭です、
海外との競争も大変ですが、これからも世界を相手に先端部分で勝負を続けていって欲しいと切に願います。

*1:私の印象ではスクラップ&ビルド戦略はこの方が始めた感じしています