僕って何

庄司薫さん「赤頭巾ちゃん気をつけて」
主人公薫君と作者、年齢的にはだいぶ違うこと10月9日に書きました。
私小説ではないので、当たり前ですね。
主人公と同世代で、似たような生きかたをした方大阪にいます。


この方は高校の間1年休学して、
モラトリアムの時代を作り、
文学・宗教・科学などの本を読み漁っていたそうです。
三田誠広という方です。
庄司さんと違って、三田さんは自分のこと結構書いています。
ご自身のホームページもあって、きちんと更新されています。
http://www.asahi-net.or.jp/~DP9M-MT/seishun2.htm


芥田川賞の受賞の仕方は庄司さんと似ています。
1977年に

僕って何

僕って何

で受賞しています。
文藝という河出書房新社の文芸誌に、
文藝賞新人賞受賞作
というわけでもないのに、
単行本で一冊になるくらいの量の「僕って何」
が掲載されそのまま初ノミネートで、
一気に受賞しています。


話題性としては一緒に受賞した、
有名芸術家の池田満寿夫さんの「エーゲ海に捧ぐ
の方が話題性がありました。
若さという面でも前年に、
村上龍さんが「限りなく透明に近いブルー
芥川賞を、群像の新人賞受賞作で、
そのまま一気に受賞していました。


世間は全くの新人のデビューって感じでしたが、
河出書房新社にとっては、
三田さんは新人ではありませんでした。
1966年の高校在学中に、
「Mの世界」で河出書房主催の学生小説コンクールで佳作に入っています。
高校でモラトリアムしてた時に小説書き上げていたわけです。
中央公論と庄司さんの関係となんか似てません?


「僕って何」が芥川賞とったので、
「Mの世界」も後に出版されましたが、
その中にあと小説が2作載ってました。
全部「文藝」に発表されています。
河出書房新社って面倒見が良さそうな気がしますね。
綿矢りさ」さんも芥川賞受賞後、作品出ていませんが、
じっくり編集者が面倒見ているのかもしれません。