文藝・冬号

版元品切れで手に入らなくなったようなので、
今まで触れた、綿矢さん、荻世さん、中山さん以外書いておきます。


この冬号のトップを飾っているのは、
伊藤たかみさんの芥川賞受賞おめでとう特集です。
第22回で文藝賞を「ベッドタイムアイズ」で受賞した山田詠美さん、
劇団ひとりさん、とご本人の対談記事がメインで出ています。
伊藤さんの文壇デビューは、
1995年、「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞した所から始まっています。
この時はまだ学生さんで、河出書房新社の編集者の試験も受けていて、
河出書房新社からの連絡を、
文藝賞受賞の通知ではなく、試験の結果通知だと思った」
みたいなことをこの対談の中で話されています。


伊藤さん文壇デビューから、芥川賞受賞まで10年かかっていますね。
ですので作品かなりかかれています。
河出書房新社から出ている出版物が一番多いです)
残念ながら、私伊藤さんの作品読んだこと無かったりします。
余談ですが平井堅さん(歌手のです)と中学・高校同級生だったそうです。


小説は、今までに書いた、綿矢さん、荻世さん、中山さん以外にもう一作。
山崎ナオコーラさん「慧眼クアラルンプール」掲載されています。
今回掲載された小説4作品の中では1番短い作品です。
長いのは綿矢さんで500枚あるようです。
山崎さんも2004年第41回文藝賞を「人のセックスを笑うな」で受賞しています。
同時受賞はTVドラマにもなった白岩玄さん「野ブタ。をプロデュース」です。
ついでに書くと綿矢りささん、「インストール」で文藝賞受賞したのは2001年の第38回です。


「慧眼クアラルンプール」です。
1978年9月15日福岡生まれ、の山崎さんですが、
主人公は男性で、しかも40歳前後と思われる(もっと上かもしれませんが)
人物がなっています。
(等身大の自分が反映されない世界が書かれているということですね)
文章も、力みが無く、かといってきちんと味のある作品になっていると思いました。
以前も書いたように、朝日新聞の土曜版「be」の連載も私楽しく読んでます。
ご本人のホームページもありました。
http://members.at.infoseek.co.jp/kyuuu/index-14.html


文藝春秋は、綿矢さんと、金原さんの芥川賞の受賞作品掲載された号、
大量増刷して、過去の文藝春秋の売り上げ記録更新しましたが、
今回の文藝冬号は増刷しないのでしょうかね?
刷れば売れると思います。
ただ、文藝賞受賞の2作は、もうすぐ単行本でますし、
綿矢さんの作品も当然出るでしょうから、
単行本の売り上げを上げるために刷らないのかもしれません。
全部版元河出書房新社ですから。
文藝春秋の場合、単行本の版元、自社であっても増刷すると思いますが、
特に綿矢さん、金原さんの場合、
それぞれ、単行本の発売元、河出書房新社集英社ですので、
文藝春秋社としては、出しやすい部分はありますね。
それ以前に話題のお2人だったので、
書店、取次ぎからの要請が殺到して、刷るしかなかったと思います。