三田誠広さんの「はるかなる夜明け」読みました。
この作品で「帰郷」第2部・了
とのことです。
最後に、
〔作者から読者へのメッセージ〕
があり、
第1部・2部とも1千枚程度で3部は千二百枚ぐらいになる予定。
ということで、雑誌掲載は困難なので書き続けるけども文藝への掲載は休止。
時折、近況報告を兼ねて、第3部の進行状況をお知らせしたいと考えています。
このメッセージの最後そのまま引用すると。
とりあえず連載を終了したいと思います。
というわけで、「帰郷」これ以上読むことはできません。
文藝のバックナンバー検索して、近況報告掲載された号は横浜市立図書館で予約したので、そのあたりまでは読むことができます。
この作品の感想を書いておきます。
主人公は、「青井葉二」なのですが、1部・2部通して本人はあまり出てきません。
いま漢字変換して発見したのですが、名前の発音「幼児」にかけているのでしょうか?
「あおい」も意味深ですね。
作品中、青井葉二さんご本人は、自分のことはあまり語っていません。
確かに、自分で自分のことをこんな凄いことをした。
なんて語られると興ざめですね。
ただ、登場する何人もの人が「葉二」について語ります。
そこで語られる「葉二」さんとっても魅力的。
超人・凡人にはとてもできないものすごい能力を発揮しています。
しかし、その能力を発揮していた場所を全て投げ出して消えてしまいます。
実際は長野で飲食業でお金を稼ぎつつ生活をしているわけです。
そして、突然なぜか実家に「帰郷」するわけです。
第二部までですと、魅力的な主人公を中心として様々人が様々な主人公に対する思いを抱いて登場して来ます。
今のところ主人公にこうしたいという意思は感じられません。
周りの主人公に対する思いがこれからの主人公を動かしていきそうな気配を感じさせています。
それでも、主人公は何もしないのかもしれないし、その気配の中で、主人公が選択して活動していくのか、それとも主人公が否応なく巻き込まれていきそうな世の中を動かすくらいの大きな流れも記載されています。
今でもかなり展開された状態ですが、さらに展開していくことも、こらから全体をまとめていくことも、どっちも可能な状態で終了しています。