今問題になっている、イスラム教徒の怒りをかっているデンマークの新聞社が掲載したイラストの件です。
以前にも書いたことのある村上龍さん主催のメールマガジンでも、
デンマーク在住の、
高田ケラー有子さんという造形作家の方からのレポートもこの件扱ったものありました。
中途半端な引用はしたくないですが、全文の掲載は許されそうに無いので、
その内容や新聞記事などを読んで、私が感じたことを書いてみます。
この話題のおおもとデンマークは、イスラム諸国からの移民や難民を、
正確ではありませんが約7万5千人ほど受け入れていて、
日本に比べればモスリムの方々への理解も社会進出も進んでいて、
学校に行けばクラスメートにモスリムの方が必ずいるような環境で、
差別や偏見からイラストが掲載されているような状況ではないようです。
やりすぎかもしれませんが、デンマークは表現と言論の自由がある国。
と言うことで、メディアに対する規制にはならないようにしているようです。
(今後もそうあれば良いと私は思います。)
ただあまりにイスラムの方々の反発が強くて、
ニュースでも取り上げられていますね。
いくら表現と、言論の自由だからと言って、
何でも書いて良いのか?
っていう意見出てきています。
国連のアナン事務総長もそうした見解のようです。
確かに、これだけ事態が拡大していくと仕方が無いことだと思います。
でも私は、基本的には「何でも書いて良い」って思います。
勿論誘拐報道のような場合は報道遠慮する時間も必要ですが、
その後の表現は必要ですね。
書かずに噂・デマみたいな感じで密かに広まっていく方が怖い気がします。
それと根拠と、基準のあいまいな表現の自主規制も危険な感じします。
表現される以上、証拠は残ります、
批判も当然されるわけです。
反論もあるわけで、それに対して議論が起これば、
今まで全く無関心だった人たちも関心を寄せることになるでしょう。
関心が大きくなれば、暴力を未然に抑えることも可能かもしれません。
ただ、言論が暴力をもたらしてしまった、今回のような事件は、
とても残念なことです。
きちんとベルギー側の事情が伝わっていない部分あると思います。
表現した、一部分が拡大解釈されていくことも危険ですし、
表現者も悲しむことと思います。
(私も引用するときは、注意しているつもりです)
冷静に物事の全体をつかんんで判断して、行動するのは難しいことですね。
でもそのように行動したいですね。
「ペンは剣よりも強し」
この言葉信じたいです。
実際多くのジャーナリストが、そう信じて行動し、
暴力によって多くの命が失われています。
残念ながら「剣の方がペンよりも強いのは自明のことです」
暴力に訴える前に、言論で戦って相互理解をはかれる世界になって欲しいと切に願います。
イスラムの方々の怒る気持ちもわかりますが、
何とかこれ以上騒動が大きくならず(もう十分大騒ぎですが)
平穏に終了して欲しいものです。
今回の件で、世界中にイスラム教に関する偏見ではなく、
理解が進むことを期待します。