裁判員制度(その3)

2006-11-14 裁判員制度
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20061114
の中でこんなこと書いています。

もし私が裁判員に選ばれた場合、
今の私の心情では、その犯罪がどのような犯罪でであったとしても、
犯罪者に対して、死刑を求刑することは無い。
ということです。


これって良いのでしょうかね?
裁判員は私1人ではないでしょうが、
私の場合、死刑の求刑が他の方から出た場合、
犯罪そのものよりも、何故死刑に反対するかの話になってしまいしまいそうです。
もともとそういう意見の持ち主なので、裁判にとってはジャマな存在になりそうです。
私も日本国民の1人ですので、その中の一つの意見として取り上げてもらうのはかまいませんが、
無期懲役以上の求刑は私には無いです。
無期懲役も考えようによっては死刑より苦痛に感じる人もいるかもしれませんね。
できることなら無期懲役の求刑もしたくなかったりします。



私が今恐れていることがあります。
私がいくら反対しても、私がかかわった方が死刑の判決になってしまった時です。
私は精一杯やったからと諦めるのか、
それとも死刑を防ぐことができなかったことを悔やむのか。
これどっちも嫌ですね。
精一杯やったからって、諦めるのも非人道的な気がします。
かといって、悔やみ続けるのも嫌です。
国は、こういった選ばれた方の、精神的な苦痛をどう考えているのでしょうね?
で関係した裁判でたくさん死刑判決出たら、
私も死刑判決出ることに慣れてしまうのでしょうか?
平気になっていくのでしょうか?
それも困りますが、
平気になっていかないと、
生きていく自分が苦しくなってきますね。
書いているうちにはっきりしてきました。
責任逃れのようですが、
裁判員のこういった精神的苦痛ありますよね、
もう導入決まったことですが、
私今から裁判員制度導入反対します。
でも、「あんな犯罪者は死刑になって当然って」
自分のストレス解消のように、
バンバン死刑宣告していく裁判員の方って出てくるのでしょうかね?

長い引用になってしまいました。
今日(24日)朝日・朝刊1面左に、

裁判員制度固まる


60の裁判所で実施
選任の前に質問
日当上限1万円

の見出しあります。
この中の
「選任の前に質問」とは?
裁判員候補から裁判員に実際なるかどうかの面接で質問が行われるようです。
その詳しい内容が、2面時時刻刻のなかに書かれています。
基本的にな三つの質問以外に事件によって別の質問も用意しているようです。

 例えば、死刑の適用が問題となる重大な事件では、検察側や弁護側の求めがあれば、こんな質問をする。
 「起訴されている○○罪について法律は、『死刑または無期懲役または●年以上の懲役に処する』と定めています。今回の事件で有罪とされた場合は、この刑を前提に量刑を判断できますか」
 この質問に、積極的に異論を述べた候補者には、「証拠によってどのような事実が明らかになったとしても、絶対に死刑を選択しないと決めていますか」と聞く。

いきなり核心部分に来ましたね。
私の場合「積極的に異論はないです」ただ「死刑の選択できません」この場面で言うでしょうね。
そうするともう「選ばれない」と言うことでしょうか?
正直「それならそれでいい」そんな感想です。
私には公平な裁判をする資格が無いということですから。
でも疑問もすこし。
最初から「死刑の判決も可」の人だけを集めて裁判員を選んでいるわけで、
日本国民の平均的なメンバーが裁判員の構成になっていませんね。
弁護側に不利にならないのでしょうか?
2006-09-29 杉浦正健さん
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20060929
のように、法務大臣でも死刑執行しなかった方がいらしゃる訳ですから。
死刑絶対認めない人を排除するのもどうかと思います。


もう少し根本的なところでも、
「死刑の適用が問題となる重大な事件」
とありますが、裁判が始まる前に、この被告は死刑判決もありえるのか?ありえないのか?
過去の判例からすでにわかっている。
そういう事になりますね。
これって素人の裁判員に先入観与えてしまいませんかね。
なんか、冤罪を生む温床になりそうな気もします。
健在の裁判制度を改めるための裁判員導入ですよね、
でもこの辺の前提が今の裁判制度踏襲していますね。
こんなんで裁判員制度導入の意味があるのか?
現状の裁判制度の変革ができるのか?
疑問です。
ただ単に、国民を裁判の場に立たせて、責任の一端を持たせたかった。
そんなことはないですよね。
裁判員は最初から、
弁護側に不利、
検察側に有利、
そんな感じになってしまわないのでしょうか?
いかがなものでしょう?


法律詳しい方が見たら「ばかな事書いている」
と思えるくらい、法律に対する前提知識が欠如していると思いますが、
こういった、私のような素人が裁判に、しかも被告の刑を定める立場になるのが、
裁判員制度ですね。
で、結論として、
「死刑の選択できません」
と答えてしまう私は、
裁判員になれるのでしょうか?なれないのでしょうか?
なれないほうが嬉しいのですが、
日本も死刑制度存続の69カ国から抜けて、
全廃の88カ国になることを望んでいます。*1
そうなると、私の死刑制度へのこだわりなくなりますね。

*1:このこと以前書いています。2007-02-25 死刑制度世界ではどうなの?http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20070225