労働生産性

23日朝日・朝刊3面「あしたを考える」中の見出しに、

労働生産性 日本なぜ低い


先進7カ国中 11年連続最下位


「働き方自由化」の論拠に


パート増・少ない設備投資


職場の環境改善が先

とあります。
この内容、以前書いた、
2007-01-06 ホワイトカラー・イグゼンプション
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20070106
2007-01-13 ホワイトカラー・イグゼンプション(その2)
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20070113
と絡んできます。
ホワイトカラー・イグゼンプション*1導入見送りになっていますが、
完全に鎮火したわけではなく、種火がまだくすぶっているようですね。
導入時、別の名前になる可能性高い気がするのですが、
特に経営者側に「何とかして導入したい」と言う思いがあるようです。
その数字的な根拠となっているのが、


OECD加盟諸国の労働生産性ランキング(04年)

順位 国名 労働生産性
1、 ルクセンブルグ 90683
2、 アメリ 83129
3、 ノルウエー 82179
4、 アイルランド 80338
5、 ベルギー 79010
6、 フランス 74626
7、 イタリア 73680
8、 オーストリア 71234
9、 オーストラリア 68025
10、 オランダ 67446
11、 スウェーデン 66480
12、 イギリス 65869
13、 ドイツ 65824
14、 フィンランド 65230
15、 デンマーク 64145
16、 カナダ 63527
17、 スイス 62062
18、 スペイン 61488
19、 日本 59651
20、 アイスランド 59112
  OECD平均 59658

社会経済生産性本部の「06年版労働生産性の国際比較」

と言うもので、購買力平価に換算して比較・単位ドル
となっています。
「生産性がこんなに低いのに、まだ残業手当を取るなんてもってのほか!」
そう言いたいのだと思います。
確かにこの表見ているとそう思いますね。
でも、国際比較で言われて給料下がって仕事する気にはならないですね。
確かに給料下がってでもしたい仕事、私にはあります。
場合によったら、ただ・持ち出しでもかまわないです。
でもその状況がず〜っと続いても良い訳ではありません。
生活が苦しくなります。
生活を維持するための仕事は、
賃金下がってもしっかりやる。
または、やる気になる。
難しいと思います。
そのことによって、
1、人に迷惑がかかる場合、
2、賃金下がっても他の仕事を見つけるのが容易ではなく、やるしかない場合
の2点*2を除いてですが、
問題は、その2点に含まれてしまって、たとえ低賃金になっても脱出できない人がいる。
ということです。
私の想像ですが、その数はかなり多いと思います。
ホワイトカラー・イグゼンプション に属さない人、
例えば日雇いの派遣の方とか、今でも低賃金ですね。
「高いお金で雇われる能力を持たない、あんたが悪い」
その通り!
でも、そんなことを繰り返していくと、
国全体の「やる気」に影響しますね。
一部のできる人がやる気なのは当然として、
そうではない、普通の人たち皆が前向きで「やる気」があること、
それが「好景気」と言われているのに、なぜか国中がそういう雰囲気になっていない現状を変えるために必要だと思います。
いま導入していこうとしている、賃金の分配方法は「やる気」を起させる方向に向いていないように思います。

*1:ホワイトカラーで収入もある程度ある人は、残業代出さなくっても良いんじゃない?っていう制度です。

*2:正直に書くと、賃金低くなってもやらなくてはいけない理由、まだ他に3点目4点目あると思います。