蟻の一穴

チョット前になります。
1月8日朝日・朝刊1面中央に出ていた記事です。
asahi.comより全文引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/0108/TKY200901070296.html?ref=any

海賊に武器使用容認へ 政府の自衛隊派遣新法案
2009年1月8日3時10分


 政府が今国会に提出予定の海賊対策の新法案で、これまで正当防衛などに限られてきた自衛隊の海外派遣の際の武器使用基準を緩和し、初めて海賊を取り締まる目的のために武器使用を認めることを検討していることがわかった。憲法が禁じる海外での武力行使に道を開くとの批判も出そうだ。

 政府が与党側に示した概要によると、新法の名称は「海賊行為への対処等に関する法律案(仮称)」。政府がソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣するため検討を進めてきた結果、「外国船舶や外国人船員に対する海賊行為に対しても、国内法上、我が国が自ら措置を講じ得ることが必要」として、外国船舶も保護することを表明。海賊行為の抑止・取り締まりに関する検討事項として「任務遂行に必要な武器使用などの権限」が明記された。

 海外に派遣された自衛隊が武器を使用できるのは、国連平和維持活動(PKO)協力法やインド洋でのテロ対策特措法イラク復興支援特措法では、原則として正当防衛・緊急避難などの例外的なケースに限られていた。

 海賊対策で武器使用が認められれば、自衛隊の艦艇が攻撃を受けていなくても、相手の船をとめるためにエンジンなどの船体を撃つことや乗組員に危害を加えることもできるようになる。

 政府は相手が国ではなく海賊であれば、武器を使用しても憲法が禁じる武力行使にはあたらないという見解をまとめている。しかし、海賊対策とはいえ、武器使用基準を緩和すれば、今後、自衛隊を随時、海外に派遣できるようにする恒久法(一般法)の議論などにも影響を与えそうだ。

 新法ではこのほか、「海賊行為への刑罰」について、「犯人の国籍と犯行地の如何(いかん)を問わず海賊行為への我が国刑罰法令の適用」と「海賊行為の取り締まりに伴う公務執行妨害罪などの適用」も検討する。

この中には書かれていませんが、2面時時刻刻に気になる記述ありました。
勝手に要約します。

ソマリア沖で外国籍船が海賊に襲われて、近くにいた自衛隊護衛艦に「助けて!」って言ってきてもその船に日本人や日本の貨物が乗っていないと「援護できません」って断るよ。

こんなようなことが書かれています。
私は、自衛隊が武器を使用して戦闘行為をして欲しくない!
そう思っています。
でも、近くの船が「助けて!」って言ってんだから、いくら日本関係の人や物が積んでないからって助けないって言うのは人道に反するのではないか?
そう思いました。
コリャそういう時は、仕方ないから法改正して守ってあげないとね。
そう思ちゃいますよね。
アリャ??
これ落とし穴にはまってますよ。
よく考えると。
そうなんですよ、そもそも自衛艦ソマリア沖にいる事、それ事体昔から思うと自衛隊の活動範囲広がっていますよね。
自衛隊は国内を守って、日本国外ではアメリカに守ってもらう話でしたよね。
アメリカの要請もあっての、自衛艦の海外派遣ですが、海外に出て行くからこういう問題が起きるわけです。
今回のこの記事は、法改正してでも「助けて!」って言ってきた船は何処の国の船であっても助けないと。
そう思わせるために話が出ているように思います。
自衛隊海外に派遣して、結局日本国に関係ないものを守るための武器使用を認めたくなるように仕向けられているように感じます。
自衛隊が海外に出て活動する事を止めて、米国やその他西側諸国に国外の防衛は任せていく原点に戻るべきです。
自衛隊が海外に出ることが、「蟻の一穴」だったのですね。
このままでは日本の人や物以外を守るためにも武器使用を認めることになってしまいます。
その先は、アメリカと一緒になって海外での戦闘行為に自衛隊がどんどん参加するようになってしまいそうです。
たとえ海賊であろうと戦闘を行えば、敵になってしまいますね。
戦闘行為をしない事は、外交上優位な事ではないか?そう思います。
海賊と話し合いを日本がする。
戦闘行為を行わない事はそういった話がしやすい事になるのではないだろうか?
そう思います。
アフガンやイラク、国相手ではなくても、イスラムを信仰する過激な方達とも話が出来るのではないか?
そう思います。
結局いつもの結論になるのですが、
日本は武力行使をしないで、対立する国・宗教や民族の平和的解決に向けた話し合いの場を作り、
外交的に紛争を解決する方向に国として積極的に取り組む方が、自衛隊を海外派遣するよりもはるかに国際貢献することになると思います。
ぜひ、そういう舵取りを一日も早くして欲しい!
そう願います。