裏付け(新潮社編)

朝日新聞襲撃事件について、
週刊新潮に実行犯を名乗る方の手記連載されていました。
当然、朝日新聞に広告も出ていました。
朝日側の取材による週刊新潮の記事の根拠が問題点多いこと、すでに朝日はこの方に取材経験のあることまで記事にしていました。
新潮社側、朝日の公式な抗議に対して明確な答えをしていない感じを私は受けていました。
現在週刊新潮に手記を書いた方が実行犯であることを否定したようです。
昨日の朝日・朝刊の天声人語引用します。
http://www.asahi.com/paper/column20090411.html
http://www.asahi.com/paper/column20090411.html

2009年4月11日(土)付

 「新潮ジャーナリズム」という言葉がある。怖いものなし、容赦なし。興味にまかせて何にでも切り込む姿勢は、権力者や権威にとっては煙たい。土台を築いたのは「新潮社の天皇」と呼ばれた剛腕編集者、斎藤十一(じゅういち)氏である▼氏は「僕は俗物だ。俗物が興味を持つのは金と女と事件」と説いた。事件の裏でうごめく欲や人間模様を、しつこい取材で天下にさらしてみせる。大衆週刊誌の範となったその手法は、きちんとした裏づけが命だ。作り話でそそられるほど「俗物」は甘くない▼一連の朝日新聞襲撃事件の実行犯として、週刊新潮が「実名告白手記」を載せた男性が、「私は実行犯ではない」と手記の根幹を覆した。どうやら、あの世の斎藤氏もびっくりの虚報らしい▼新潮社は男性に90万円払っていた。取材の謝礼ではなく原稿料だという。フィクションの大型新人を発掘しようということか。男性はなおも「手下がやった」と語っているが、飛びつく雑誌はあるまい▼しっかり調べもせず、この人物の話を4週続けて字にした責任は重い。いい加減に語られたのは許し難い言論テロだ。仲間の悲運を稼ぎの種にされた者として、悲しい怒りを覚える。ご遺族はなおさらだろう▼本紙の記事を検索したところ、週刊新潮は08年以降、名誉棄損訴訟で少なくとも10回負け、計3千万円近い損害賠償を命じられた。次号で手記掲載のてんまつを説明するそうだが、最近の筆の甘さを鋭くえぐる力作を期待したい。やられました、というだけの「告白手記」なら、紙のムダである。

バンキシャ日本テレビといい、この件の週刊新潮といい、なんでこういった怪しい人に簡単にだまされてしまうのか?
今回の件も、裏付けきちんと取れば回避できたのに。
こういうことが続くと報道に対する信頼がなくなりますね。
天声人語の締めの一言同感です。

最近の筆の甘さを鋭くえぐる力作を期待したい。やられました、というだけの「告白手記」なら、紙のムダである。

裁判に負けた、週刊現代講談社)の相撲の疑惑については、
勝ったとはいえ、相撲協会の油断しまくったような様子を見ると、
やっぱり怪しい気がしています。