交渉術

実は今回もグーグル書籍検索サービスについてです。
一昨日(28日)朝日・朝刊社会面(手元の新聞で29面)関連記事ありました。
この記事とほぼ同様の内容asahi.comで発見しました。
http://www.asahi.com/culture/update/0528/TKY200905270368.html
http://www.asahi.com/culture/update/0528/TKY200905270368.html
全文引用します。

米作家協会「和解案は著作権者に利益」 グーグル問題2009年5月28日2時30分

 米グーグルによる書籍全文検索サービスについての著作権侵害訴訟をめぐり、原告の全米作家協会のポール・アイケン事務局長らが25〜27日、来日し、日本文芸家協会など日本側団体や文化庁著作権課などと相次いで会談、訴訟の和解案について説明する行脚をした。和解案に反発してきた文芸家協会の三田誠広副理事長は対談で「協力したい」と歩み寄る姿勢を示した。

 アイケン氏らは27日夜、日本側記者団に「和解案は著作権者に利益をもたらすもの。我々との会合により、日本の著作権者から好意的な反応が得られた。(説明の行脚は)成功だった」と強調した。

 アイケン氏らは、書籍がネットで利用されるケースが増えることで、「絶版書籍に新しい商業的な生命を吹き込める。この和解案は喜ばしいものと考えている」と訴えた。

 日本文芸家協会の調査では会員ら2千人余が「グーグルのデータベースからの削除」を求めていたが、三田氏は「削除する必要はなく、表示利用のみを拒むのが適切」との考えを会員に伝える意向だ。

ここに出てきた三田さん、このなんやかんやにも良く出てくる私の好きな作家さんです。
厳密に言うとデビュー作ではないですが、
三田さんの著作で初めて単行本となった「僕って何」初版で持っています。
今も三田さんの新刊の新書読んでいるトコです。
以前書いていますので、よろしければどうぞ。
2005-10-11 僕って何 - なんやかんや
そんな訳で、私が信頼している三田さんが歩み寄ったのだからそれなりに著作者の権利を守りつつ適切な利益配分が行われているのではないか?
そう思いました。


昨日の朝刊も(手元の新聞で3面 あしたを考える )この件出ていました。
お気づきかもしれませんが、今説明に来ている「全米作家協会」グーグル側の人間ではなくて、
グーグルを訴えていた側です。

「我々が敗訴すると世界中の著作権者にとって悲惨な結果となっていた。米国では検索エンジンを作れる高校生が何百万人といる。デジタル書籍を権利者は管理できなくなるところだった」

確かにそのとおりですね。
記事まとめると、
グーグル世界中の「絶版となった書籍」をデジタル化しようとしていたそうですが、
和解案では、「絶版書籍」は「米国で市販されていない本」と定義されていたようです。
この定義だと、日本の作家の書籍の大半は「絶版」扱いになるという危惧があったようです。
この「絶版書籍」の定義を新たに「日本で流通していないもの」としています。
それで話が進展したのでしょね。
この記事の最後の部分引用します。

一方で、米国の一企業が世界中の知の財産を独占する事への懸念も出ている。

そうなんですよね、グーグル以前も書いていますが発想が違いますね。
しかも交渉術もたけている。
なんていったって、自分たちを訴えていた「全米作家協会」が代わりに各国回って説得しているわけですから、凄いです。


これで、話し飛びます。
入江選手が200m背泳ぎで世界新出したニュースありましたね。
国際水泳連盟が入江さんの着ていた水着認めなくて世界新の扱いどうなるか注目ですね。
レーザー・レーザー出てきたときから認めるべきではなかったと思います。
安全性のための道具の向上は認めますが、記録を伸ばすための道具の向上は問題ありますね。
どんどん新作水着認めていくと、際限のない技術競争になってしまい本来のスポーツと別の競争になってしまいそうな気がします。
さらに金銭的に豊かな国の選手は活躍できるが、豊かではない国の選手は記録が出にくくなってしまいます。
北京オリンピックではレーザー・レーザー貸し出したようですが、なんか米英というかそういう国が世界の標準化というか、そういう美味しい所をもっていってしまう気がします。
最初のグーグルと私の中でこういうつながりを感じて書いています。
ウィンドーズもそうですが、私たちの国の技術や発見で、世界標準となるもの沢山あると良いですね。
こういう交渉術、政治力も必要だと思います。
日本の場合どうも政治力があてにならないので弱い部分感じますね。
その分各企業が努力しているのだと思います。
人口減少により頼りの経済力が落ちてくる前に(すでに落ちているかもしれませんが)そういう世界標準となり得るものを沢山抱え込む事が、下手なバラマキするよりも今の不景気を乗り越えて行くためのものすごい推進力になると思います。