チッソ分社化

チッソさんすごい技術力のある会社ですね。
以前書いています。
2006-05-04 企業研究(チッソ株式会社編) - なんやかんや
この時のリンク確かめてみたら、出来なくなっていました。
水俣病の原因を作った会社として、患者さんへの補償問題を抱えています。
朝日・朝刊(手元の新聞3面)あしたを考える内のキーワード水俣病を読むと。

56年、水俣保健所が病気発生を確認

とあり、当時22歳でチッソに入社した方でも、75歳でとっくに定年になってますね。
そう、今チッソにいる社員の方たちは、ほとんど水俣病の原因となった、
メチル水銀」を排水に流した事実に関与していないと思われます。
でも、私全然擁護する気はありません。
当時水俣病の原因を作った方達は当然責任を追及されるべきです。
被害にあった方たちは、不自由な身体で、不自由な暮らしをしていて、何も悪くないのに保護されない。
それでは、あまりにひどい。
加害者は、痛くも痒くもないわけですし、被害者が無き寝入りっていうのは違うと思います。


これって、チッソだけの問題ではないですね。
他にもいっぱいあります。
例えば最近話題になっていませんが、社会保険庁宙に浮いた年金問題だって、
いい加減な処理をしていた人が確実にいるわけですね。
社会保険庁も解体して名前を変えて再出発という話になっていましたが、
それって解決になるのでしょうか?
弱者を騙る方は問題ありますが、
本当の被害者には誠意をもって対応する必要感じます。
実際水俣病で被害にあって仕事も満足にできなくなった方、どうやって生活していたんだろう?
そんなこと考えてしまいます。
企業や国が責任認めて賠償に応じるまで、被害が出てから凄い時間がかかっています。
上と同じキーワードから引用します。

国は68年に水俣病を「公害病」と認定した。74年の公害健康被害補償法の施行により、公害病患者の保証の仕組みが整った。

水俣保健所が病気の発生確認して、保証の仕組みが整うまで18年かかっています。
保証の仕組みが整っても、水俣病患者として認定されるかどうかで、また何年かかかってるでしょうし、
いまだに認定されない方もいらしゃると思います。
たぶん患者さんも皆さんご高齢でしょうし、いくら債務超過とはいえチッソが分社化して行くことに対して不安な気持ちになっているのではないか?
と思います。
あの時代に、水俣に生まれて汚染した魚介類を食べていれば、私だってあなただって、水俣病になる可能性はあった。
こういった悪質な行為せず、をきちんとする習慣を国や企業が身につけるよう、しっかり追及していかないと、いつか自分が被害者になる時が来るかもしれませんね。
勿論、良心を失わないようにしないと、自分が加害者になってしまう事だってありえますね。


今回は最後に引用します。
昨日の朝日・朝刊1面左上にも記事が出ています。
asahi.comです。
http://www.asahi.com/politics/update/0701/TKY200906300359.html?ref=any
http://www.asahi.com/politics/update/0701/TKY200906300359.html?ref=any

水俣病救済、2日に詰めの協議 地域指定解除は見送り2009年7月1日3時1分

 手足のしびれなどがあっても水俣病と認定されない被害者を救済する法案について、与党と民主党は30日の修正協議で、与党案のうち、救済確定後の公害多発地域としての指定解除を削除することで合意した。最大の争点である原因企業のチッソの分社化については、民主党が容認姿勢に転じ、今国会での同法成立へ大きく前進した。

 与党、民主党とも、衆院解散で法案が廃案にならないよう、7月上旬の合意を目指しており、2日に詰めの協議を行う。

 公害健康被害補償法による地域指定が解除されると、新たな患者認定が受けられなくなる。差別や偏見を恐れて被害を名乗り出ない、数万人といわれる「潜在患者」の切り捨てになるとして、被害者団体が反発していた。

 チッソの分社化は、業績のよい事業部門を親会社から切り離し、子会社の株式売却益を患者への補償などに充てるというもので、与党が救済資金確保のために必要と強調している。しかし、補償を担う親会社は将来的に清算され、原因企業が実質的に消滅することになる。被害者団体は「加害責任があいまいになる」と反発、民主党は救済終了まで分社化を凍結するよう求めてきた。

 しかし、民主党の修正協議の担当者である山岡賢次国会対策委員長は30日の協議後、記者団に「分社化はメーンテーマではない。救済が出来るかどうかだ」と明言。民主党案に沿って救済対象の範囲を拡大できれば、分社化には柔軟に応じる方針だ。

 残る焦点の救済対象の症状をめぐっては、与党が「手足の先ほどしびれる感覚障害」としていた当初案に、「準じるもの」との表現を加えたが、民主党は全身性の感覚障害や視野が狭くなるなど五つの症状の明記を求めて調整が続いている。

ね、今2009年ですよ。56年の水俣保健所が病気発生を確認から53年経ってまだ救済されていない方いるのでしょうね。
そういえば、広島・長崎の原爆被害者の方で救済まだな方たちいらしゃるのでしょうね。

#後述

今日の朝日夕刊1面トップこの記事でした。
asahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/0702/TKY200907020128.html?ref=any
http://www.asahi.com/politics/update/0702/TKY200907020128.html?ref=any

水俣病救済対象を拡大・今国会成立へ チッソは分社化(1/2ページ)2009年7月2日11時6分

 手足のしびれなどの症状がありながら水俣病と認定されない「未認定患者」の救済法案について、与党と民主党は2日の修正協議で、今国会での成立に合意した。一時金などを支払う救済対象を与党案より広げる一方、救済資金確保のために原因企業チッソの分社化を認めることで一致。今回の救済での「問題の解決」を掲げるが、未認定患者の一部は国、チッソを相手に訴訟を続けるとしている。

 与党と民主党は2日、修正協議で合意した水俣病未認定患者救済法案を3日の衆院本会議で可決することを決めた。社民、共産両党は反対の方針。来週中に参院でも可決され、成立する見通しだ。

 今回の法案は、95年に政府が約1万人の未認定患者に260万円の一時金などを支払った政治決着に次ぐ「第2の政治決着」といえる。04年の最高裁判決で、国が適切な対策をとらずに被害を拡大させたと認定されたのを受け、前文に政府の責任と「おわび」を明記することも決めた。

 救済対象については、95年の政治決着が示した「手足の先ほどしびれる感覚障害」という水俣病の特徴的な症状に加え、民主党が主張した五つの症状のうち、全身性の感覚障害、口の周囲の触覚か痛覚の感覚障害、舌先で2カ所の感覚を識別できなくなる障害、視野がせまくなる、の四つの症状を盛り込んだ。これらの一つでも該当すれば救済対象となる。主に生まれた時から症状がある胎児性患者にみられる知的障害は明記されなかった。

 環境省によると、今回の法案が成立すれば、被害を訴え出ている約3万人のうち7割以上の2万人超が対象になる見通しとなり、医療費や毎月の療養手当が支給される。対象者に支払われる一時金については与党が150万円、民主党が300万円としており、法案に金額は明記せず、成立後に改めて協議する。

また、多額の患者補償の支払いを国や熊本県が肩代わりする状態が続いているチッソを、補償会社(親会社)と事業会社(子会社)に分け、子会社株を売却して得た利益を公的債務の返済などに充てる仕組みで一致。与党がチッソの意向を受けて「合意の絶対条件」と主張していた。

 分社化については、未認定患者団体の一部が「補償会社がいずれ清算され、責任を負うべき加害企業が事実上消滅する」などと強く反対。こうした意見に配慮し、民主党は当初、分社化は不要との立場だったが、与党側が救済対象の拡大で歩み寄ったことなどをふまえて譲歩した。

 与党案にあった救済終了後に水俣病多発地域としての指定を解除する条文はなくなった。公害健康被害補償法に基づく指定が解除されると、今回の救済で被害を名乗り出なかった人を認定する仕組みがなくなることから、被害者の大多数が反対していた。

 患者認定を申請している人は現在、熊本、鹿児島、新潟の3県で6千人を超える。今回の合意案に対し、約3400人の未認定患者でつくる「水俣病出水の会」(鹿児島県出水市)など約4千人が受け入れる姿勢を表明。一方、約2300人の会員がいる「水俣病不知火患者会」(熊本県水俣市)は熊本地裁などで係争中の訴訟を続ける意向だ。04年の最高裁判決で国の加害責任が認められたことを重視し、「国による救済ではなく、司法判断にのった解決をすべきだ」との立場だ。

私が、気になったの1面より、手元の新聞8面に書かれていた《解説》です
全部引用したいのですが、asahi.com見つからないので一部手打ちします。

 救済を求めて被害者が裁判や交渉などに立ち上がるたびに、行政や政治家が症状や保証金額など加害者側の都合を優先して被害者の境界線を引き、幕引きを図ってきたからだ。しかしその枠からはみ出た被害者が、再び抗議の声を上げる構図が繰り返されてきた。
 問題の根底には、水俣病被害の全容が解明されていないという現状がある。国は発生から現在に至るまで、一度も汚染地域全体の健康調査をせず、被害を受けた期間や範囲を把握してこなかった。

衆院選挙前に、自民・民主が協力して急いで分社化良いのでしょうか?
早く救済しないと、亡くなってしまう。という事もあると思います。
実際、患者(被害者)さんたちの団体も、今回の決定を可とする団体と、不可とする団体あるようです。
いつまでも、色々と言っている人たちは救済から今度こそ完全にはみ出させて、水俣病の保証を終わらせてしまおう。
そんな感じ受けますね。
今回のことで納得しない団体も救済されるべきで、解散前にと急ぐ方たち、じっくり解散後に話し合いたい方たち、それぞれの対応する必要あるとおもいます。
どうしても分社化するならその後ですね。
そんなこと言ってたら、分社化できない。
というのであれば、いまさら分社化しないでもいいと思います。
残念ながら人間の寿命には限界があります。


#後述
その後の展開書きました。
チッソ分社化(その2) - なんやかんや