立ち位置

supiritasu2009-09-19

各省庁が官僚の記者会見、民主党政権になって中止になっているようです。
17日朝日・朝刊社会面(手元の新聞で39面右中に出ています)
このことに対して、全く異なった識者の見解が寄せられています。


桂敬一さんは、

権力の使い方を全く間違っている。政治が許した形でしか権力への取材は認めないというのはファシズム報道の自由なぞ存在しなくなる。官僚にしてみれば、取材の申し出の一つ一つについて、政治家へお伺いをたてることなど現実的に出来るはずもない。結局は「政治家でなければ答えられない」と取材を拒む事になるだろう。

納得しますね。
行政への報道を規制するっていうのは違う気がします。
ただ、これはチョット考えると、今までの記者会見っていうのは報道への甘やかしにもなっていると思います。
取材の場所を提供されて、そこで取材して、相手側の都合の良い発表をそのまま報道するだけでいいのでしょうか?
取材って、「検証」とか「夜討ち朝駆け」とか「足で稼ぐ」とか、自分自身で真実を発見する事や発掘する事が大切な気がします。
報道って、あなた達は司法・行政・立法以外の第4の権力であることを忘れてはいけませんよ。
記者会見がないのも問題ですが、記者会見で楽をして報道しているのも問題ですね。
記者会見なくなっても、報道の自由が守られているのであれば、取材によってより真実に近づくぐらいの気持ちが欲しいですね。


で、もう一方、
阪野智一さんは、

政治主導が定着している英国では、官僚はあくまで政治家を補佐する立場。説明責任、結果を負うのは国民から負託を受けた政治家だ。日本ではこれまで政策の立案のみならず発信まで官僚が握ってきた。新政権の方針は正常な政と官の関係に移行しようというもので、現時点でどこまで実現できるかは未知数だがとっぴとは思わない

納得しますね。
「大臣」とか呼ばれても、自分が大臣といわれている組織について、その大臣どの程度知っているのでしょうかね?
大卒で、キャリアを積んできた官僚さんたちに比べて、その組織のトップである大臣は、政治家がなります。
しかも、組閣のたびに大臣変わること多いですね。
これでは、官僚の知識、経験にほとんどの大臣かなわないのではないでしょうか?
ですから、
「政治家が説明を行わず、官僚が自ら記者会見開いて、大臣に代わって説明をしてきた」
自民党時代はそういうことだったのだと思います。
政権変わって、今度は大臣が会見をするのであれば、自分のいる省庁について政治家もかなり勉強する事になります。
国会での、答弁も、官僚が作った文書を読み上げるのではなく、
大臣ご自身がしっかり勉強して、自分の言葉で答弁するべきですね。
これはこれで良さそうです。


ね、対照的な見解のようですが、どっちも間違っていない気がします。
タブン民主党政権になって、これからも対立しているようで、どちらも正しい事ありそうです。

行政と立法(民主政権といった方が良いかもしれませんね)の立ち位置、お互いに不慣れで居心地悪い時もあるかと思います。
でも、この国の原則は「国民主権」大切なのはお互いの立ち位置を争う事ではないはずです。
そのことをきちんと心に刻んで協力してこの国の未来を明るいものにして欲しいですね。


外務省は、記者会見実施の指示出たようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090918-00000134-mai-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090918-00000134-mai-pol

<岡田外相>外務省通達撤回、在外公館に記者会見実施を指示
9月18日22時9分配信 毎日新聞


 国連大使や駐米大使の記者会見が外務省の通達で中止された問題で、岡田克也外相は18日、大使らによる記者会見については、実施するよう在外公館に指示した。


 18日夕、記者会見した岡田氏は、大使らの会見中止について「自分は何も言っていない。中止になった経緯は分からない」と説明したうえで「会見は当然やってもらわないと困る」と述べた。また外務報道官の会見に関しても「省全体を代弁する立場」として容認する考えを示した。

 「政治主導」を掲げる鳩山政権は、「政府見解の表明は政治家が行う」という基本方針を示している。しかし、対外的に国を代表する大使や、外務省が対外発信のために重視している報道官などは対象外と想定していたとみられる。にもかかわらず外務官僚が過剰反応し、政権発足当初から混乱する結果となった。

 また鳩山由紀夫首相は18日、事務次官の定例会見廃止方針に関し、「専門的な事柄で国民の生命財産を守るための意思表示は結構だ。記者にデータや思いを述べるのも当たり前だ」と語り、専門性のある会見を随時開くことは認めた。【須藤孝】

ということで、記者会見は認められたようです。
報道側は、記者会見に甘えることなく、地道な取材して欲しいですね。