右傾化

2007-03-16 国際競争力↓の中で書いたお薦め連載でも触れましたが、
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20070316#1173977445
イラク戦争とは?検証するために朝日新聞、オピニオン欄で「新戦略を求めて」という連載をしています。
昨日の記事は見開き両面使ったかなりの量の記事でした。
その中の囲み記事ですが、全文引用します。

集団的自衛権*1に関する政府解釈
●「憲法9条の下で許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものだと解しており、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるもので憲法上許されない」(81年5月、稲葉誠一衆院議員の質問主意書に対する答弁書
●「集団的自衛権の行使を憲法上認めたい、明確にしたいのであれば、憲法改正という手段をとらざるを得ない」(83年2月、衆院予算委員会で角田礼次郎・内閣法制局長官

この答弁書と発言、2年9ヶ月違います。
憲法の重さを感じる内容ですね。
ただ、後の発言は憲法改正の流れを作ったのかも知れません?
でも、「とらざるを得ない」に含まれる意味は、
憲法を「かえようぜ」って言う趣旨はあまり無かった様に私には思えます。
ただ憲法9条を「足かせ」と感じる人たちに、
「そうだぜ、憲法改正だよな」
という道筋を明らかにしたのかも知れませんね。
角田さんの発言から、24年1ヶ月たっています。
朝日さんもだいぶ古い発言見つけてきてますね。
それ以降「集団自衛権に関する政府解釈」無かったのか?
私にはわかりません、公式な政府解釈としては無かったから、
この2例が取り上げられているのかもしれませんね。
非公式な発言では、(改正されるかどうかはこれからのこととして)
憲法改正への流れができていること、確実な気がします。


私、上記2例を今読んで、
「その通りだよな」
そう思います。
当時の日本人の普通の意識はそうだったのではないか?
そんな気がします。
この24年の間に、憲法改正(特に9条ですね)がだいぶ議論されるようになったと思います。
右傾化を感じますね。
上記2例を読んで「その通り」で留まっている私は、普通の意識から、左寄りになっているのかもしれません。
私今でも普通の意識付近にいると良いな。


そしてこうした議論にみんなが関心を持ち始めたのは巧みな世論操作と、
日本にとって身近な北朝鮮の核実験を含む、各地の紛争が多くなっているからでしょうね。
左よりの私がこの時代にあっていつも思うのは、(願うだけではどうにもならない現実の重さを感じつつ)集団的自衛権やさらに憲法9条について議論をすること自体が馬鹿らしく思えるくらいに世界中の人たちが平和で安全で安心して暮らせますように。自爆テロなんかあると特にそう思います。
「それで平和が来るのか、理想論!」言われそうですね。
確かにその通りです。でも理想を見て足元も見ないとね。
では、9条を改正して平和が来るのでしょうか?
それとも最初から、「有事」が念頭にあって、平和の理念は欠落してるのでしょうか?

*1:自国が直接攻撃を受けていなくても、密接な関係にある他国が攻撃された場合、その国を助け、共同して防衛に当たる関係。日本政府の憲法解釈では、集団的自衛権は「保有しているが行使はできない」とされている(同じ記事中から引用してます)