僕の大好きな青髭(最終回)

昨日は、最期あの形で終わりたかったので、
後から書き足りなかった部分書きます。
<連載><出版>違いはたくさんあって、
いちいち挙げていたらきりがないのですが、
ひとつだけ挙げておきましょう。
この小説最終ページの薫君の台詞が違います。


<連載>
「絶対沈まない葦舟なんて出来ると思うかい?」


<出版>
「この青髭を好きになるなんておれに出来ると思うかい?」


そのあとは、どちらも彼女の由美さんに
あなたならできるわよ、
と言われています。
<連載>の方が、能動的に救おうと言う感じが出ていて、
<出版>の方は、受動的に現実を受け入れようと言う感じが出ている。
これが私の解釈です。
なぜこういう風に変えたのでしょうね?
出版の方は弱気になっているように思えてしまいます。
でも現実問題として、「絶対沈まない葦舟」って言うのは不可能な気がします。
ただし、「絶対落ちないアポロ」だって不可能ですよね。


昨日書いたように、小説の中から一部分を抜き出すのは、
作者としては、そんなに喜ばしいことではないかもしれませんね。
よくニュースなんかで、会話の一部分だけ報道されて、
発言者の意図が正しく伝わらない場合もありますね。
どちらにしても、小説の中から、
私のフィルターに掛かった部分だけが書かれているので、
私の主観がどうしても入ってしまいます。
もしお時間があれば一度原作をお読みください。
赤・黒・白・青の書かれた順にお読みになることをお勧めします。
青だけ確かに異質です。


5日には、ネット上でもう1作文庫とかに未収録の、
「軽やかに開幕」(文学界60年07月号)も読みました。
こちらは福田庄司名での執筆です。
この作品も、五十嵐淳子夏木陽介大滝秀治出演で、
1976年「童貞」というタイトルで映画化されています。
残念ながら私見ていません。

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と「白鳥の歌なんか聞こえない」は
映画見ています。


文体ってありますね、
私がこの人はすごいって感心しているのは、
太宰治
庄司薫(薫君シリーズの文体です。福田庄司作品の方ではありません)
村上春樹
のお3方です。