破滅の王

上田早夕里さんの「破滅の王」読みました。

破滅の王

破滅の王

今回(159回)の直木賞候補作です。
SFも書かれる方で以前読んだ、「華竜の宮」が長さを感じないくらい面白く読めたので、
華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

この作品読んでもいないのに、密かに直木賞受賞応援していました。
残念ながら受賞は出来ませんでしたが、気になっていたので読みました。
期待通りの作品でした。


731部隊に関して相当調べて、実在の人物と上田さんが創作した人物が混在して話が展開します。
参考文献の後に書かれている作者の一文引用します。

なお、小説作品内での記述に間違いが発見された場合、その責任は各文献の執筆者ではなく、小説の著者である上田にあります。

なんとも潔い一言、頭が下がります。
もし直木賞を受賞してしまうと、作品がもっと知られるところとなり、難癖をつける人がいるかもしれませんね。


731部隊に関係した人たちもほとんど生存していないのではないでしょうか?
この事実まだ謎に包まれた部分も多いでしょうから、当事者又は遺族の方からの問題提起は望む所なのかもしれません。
上田さん作品のジャンルが広いので次に何を書かれるのか楽しみです。
上田早夕里 - Wikipedia