東京奇譚集

村上春樹さんの新作ですね。
東京奇譚集

私は初版本コレクションの趣味があるので、
情報処理試験前に買って、試験後に読もうと思って積んどきました。
村上さんは去年もこの時期に「アフターダーク」出してますね。
長編だと一気に読むのですが、
今回の「東京奇譚集」は短編5編が収められているので、
一気に読んでしまうと印象が重なるので、1編ずつ読みました。


村上さんいつも感心するのは、
意印象的な台詞が、どこかに収められていることです。
よくこういう台詞をいっぱい、おさえているなと思います。
たとえば、この本からあげると、
「偶然の旅人」の中には、自分がどうしたらいいかわからないときに、
しがみつくルールとして、


「かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選らばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。」(東京奇譚集30Pより)


てなことが、書かれているわけです。
そんなところで感心しています。
村上さんは、只者じゃないですから当たり前のことですね。
でもここに書いてしまったのって、私が8月19日に批判していた、
フルメタルジャケット」のTVCMみたいなことしてしまったのかも、知れません。


あと登場人物の服装についての記述が詳しいですね、
ただ、残念なことに私には記述されている服装について、
想像できないことが多々あります。
服装から、人物のセンスを理解してもらうと同時に、
村上さんのセンスのよさも読者に理解させてしまいますね。


私はデビュー作の「風の歌を聴け」以来気に入って読んでいますが、
この作品は、「読後感が何しろ良かった」って言う記憶がものすごくあります。
頭の中で「ビーチボーイズ」の『カルフォルニアガールズ』歌ってました。
この作品大森一樹監督の手によって映像化もされています。
風の歌を聴け [DVD]
作品のイメージ映像化するのに大森さん苦労してます。


有名な「ノルウェイの森」にしても、村上さんの作品は私の知っている限りでは、
他に映像化されていないと思います。
村上さん自分の作品の映像化、拒んでいるのかもしれません。
もう1人の有名な村上さんは、自分でも監督していますね。


私一度だけ村上さんに騙されたことあります。
だいたい私は本を読むペース1ページ1分です。
もちろんそれ以上のときも、それ以下の時もありますが、
だいたい1分です。
ですから300P の本を読むときは5時間確保すればいいわけです。
これは非常に都合が良い訳でして、
休日、昼ごはんを食べて1時から読み出すと、6時に読み終わるので、
一気に集中して読むための準備がしやすいわけです。
ただし情報処理系や、哲学系は、1ページ何分の基準は全く適応できません。
村上さんの場合1P1分かからないみたいです。
ストーリーに入りやすいこと、文体がこなれていること、が理由かもしれません。
私を騙したのは「海辺のカフカ」でした。
本のページ数は本の厚みで見ますよね。
この本上下とも200P程度の厚さしかないので、よく確認しないで、
7時間程度、時間確保して読み出したわけです。
騙されました。
紙が薄いの使われていたのです。
村上さん本の紙の厚さまで気にして本を出されているのですね。
実際は、上巻(397P)下巻(429P)これは私の能力では7時間で読めません。
結局1日で一気に読めませんでした。
(ここの段落最初の方村上さん風文体にしてみましたが、
最後まで維持できませんでした。)