ベトナム戦記

2006-08-15 開高健さんで書きましたが、
気になっていた「ベトナム戦記」
20日に読みました。

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)

この本開高さんが朝日新聞の記者章持って、
ベトナムに取材に行って「週刊朝日」に連載したものが元です。
(開高さんサントリー勤務はありますが、朝日新聞の社員ではありません)
連載終了直後ご本人が書き直して本にしています。
あとがきに、

この百日間ほどはげしい感情の振動を味わったのははじめてである。

とあるように、開高さんがベトナムに滞在したのが、
1864年末から65年初頭にかけて。
単行本が出ているのも1965年なので、
当時のベトナム見て、すぐ本になったそんな感じで発行されています。
開高さん、朝日新聞社共に、
ベトナムの現状を早く世間に知らせたかったのでしょう。
元々はそういった旬の本だったわけです。
ところがこの本は、ベトナム戦争も終わり、
ベトナム戦争って???」みいな人も多くなっている最近になってもまだ版を重ねています。
時代を超えてしまいました。
文庫の初版1990年で、私が手にした本は、2005年6月30日で第15刷です。
今読んでも伝わってくるものありました。


さてベトナム戦争というとアメリカ軍の介入が思い浮かびますが、
開高さんがいっていた時期はまだアメリカが本格的に介入する前の段階です。
アメリカは南ベトナムに対してかなりの援助をするのですが、
それが末端までいきわたらずに、都市部の有力者を中心に消費されてしまっています。
それが権力者の腐敗を招き、不満・不安が溢れる国家になっています。
そのため南ベトナム政府は政権が安定せず、クーデターが頻繁に起きて政権がコロコロ変わります。
それでも援助が多い都市部はかなり贅沢な暮らしもできていたようです、
そこで農村部を中心に政府に対する不満がゲリラ活動を活発化させていくわけです。



プラトーン

ディアハンター
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地獄の黙示録
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どの映画も戦闘シーンは、農村のばかりで都会無かったですね。
都会だけで政治をやって、
しかも腐敗していたので、農村を敵に回してしまったのでしょう。
アメリカの今やってることって、
ベトナム戦争の教訓生かされているのでしょうか?
アフガニスタンイラク
イスラエルがらみのレバノン
武器進歩しても、この辺進歩あるのか頭抱えてしまいますね。
なぜ日本の統治上手く言ったのでしょうね。
ブッシュさんそのへん強調したくて、
小泉さんうまく使っているようですけど。
この本私に、こんなことまで考えさせてくれました。
ネ、チットモ古くないでしょ。


でこの本の解説、本の中にも読売新聞の記者として登場する。
日野啓三さん書いていて、

アメリカの介入によって、本来南ベトナムの内部の内戦であったはずの戦いが、北ベトナムの公然たる介入を招き、結果的には共産勢力対アメリカという形に拡大変質するだろう、ということを、1965年の時点で開高は予感していたことだ。

アメリカの介入で内戦から拡大してベトナム戦争1975年まで続きます。
今の状況益々このベトナムの状況似ていると感じません?
最初イスラムの人々のごく一部がアメリカの敵でしたが、
アメリカが戦場を拡大すればするほど、
一般人の犠牲者増えて、アメリカ批判高まりそうな気がします。
イスラム勢力のほとんど対アメリカにならないようにして欲しいですね。
でも今アメリカよりのイスラムの国って、昔の南ベトナムのように、
一部の権力者に富が集中して庶民が貧乏って事ないのでしょうか?
そうなると庶民の不満たまって、アルカイダの支援で次々にクーデター、
そして石油価格の上昇で世界中不景気。
そんな不気味なシナリオも見えてきますね。
最初南ベトナムのゲリラの人たち(ベトコン)の共産主義者1%〜2%だったかも?
て話も本の82P に出てたりします。


先ほど出てきた
日野啓三さんベトナムから帰って来て、小説書き始めて
75年の「あの夕陽」で芥川賞を受賞しています。

あの夕陽・牧師館 日野啓三短篇小説集 (講談社文芸文庫)

あの夕陽・牧師館 日野啓三短篇小説集 (講談社文芸文庫)

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2002年にお亡くなりになっています。


ベトナム戦争、感心もたれたかたこちら↓どうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E6%88%A6%E4%BA%89