青山邦夫さん

昨日の朝日・朝刊1面トップ。

イラク空自9条違反
名古屋高裁判決
「空輸先は戦闘地域」
派遣指し止めは却下


武力行使と一体化認定


「判決は国勝訴」
活動の影響否定
首相

朝日さん好みの内容です。(私も好みです)
したがって関連記事も大量です。
見出しだけ拾っておきます。
2面、時時刻刻

突かれた派遣の論理


イラク空自違憲判決


政府の矛盾点指摘
あいまいな非戦闘区域


野党に勢い 給油の二の舞い?
来年の再延長に障壁


社説

イラク判決
違憲とされた自衛隊派遣


政治面(手元の新聞で4面)

イラク空自
違憲判断 野党は評価
伊吹氏「作戦に影響ない」


声・主張面(手元の新聞で16面)
私の視点欄で、早稲田大法学学術院教授(憲法)の水島朝穂さんで、

イラク判決 政府の法解釈もとに「違憲

というタイトルで書かれています。


さらに社会面(手元の新聞で35面)

「9条は生きていた」
イラク空自違憲
「平和精神つながった」
「解釈に誤り」批判も


原告「平和憲法に誇り」

とあります。
かなりの記事の量です。


よく読んだら、わかると思いますが、
原告側敗訴。
国の勝訴。
の判決です。
原告が勝訴したような感じ受けますがそうではないです。
ただ敗訴しましたが、原告側の意図は判決に反映されています。

asahi.comです。
http://www.asahi.com/national/update/0417/NGY200804170005.html?ref=any
一部引用します。

判決はまず、現在のイラク情勢について検討。「イラク国内での戦闘は、実質的には03年3月当初のイラク攻撃の延長で、多国籍軍武装勢力の国際的な戦闘だ」と指摘した。特にバグダッドについて「まさに国際的な武力紛争の一環として行われている人を殺傷し物を破壊する行為が現に行われている地域」として、イラク復興支援特別措置法の「戦闘地域」に該当すると認定した。

 そのうえで、「現代戦において輸送等の補給活動も戦闘行為の重要な要素だ」と述べ、空自の活動のうち「少なくとも多国籍軍武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸するものは、他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と判断。「武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいる」とした。

自衛隊による海上での給油活動再開していたのは意識していましたが、
航空自衛隊が、上記のような活動していたこと、
私の記憶からスッポリ抜け落ちていました。
皆さんは意識していました?
かなり、突っ込んだ解釈です。
この判断、私は正論だと思っていますが、そうは思わない方たちも多いことでしょうね。
今日は書きませんが、明日、各社の18日の社説載せます。
今回は、朝日・読売・毎日・日経・産経5紙全て揃いました。
それぞれの主張の違いも出ていて、興味深く読ませていただきました。


社説比較よりも優先して今日書きたいことです。
名古屋高裁でこの判決あったのですが、
私、気付いてしまいました。
この判決文を書いた裁判長さん、この日の法廷に出席していません。
他の裁判長さんが判決文を読んでいます。
病気でもしたのでしょうか?
違うのです。
判決文書いた、「青山邦夫」さん(64)この判決が出る直前の、
今年3月に依願退官されています。
朝日・朝刊では35面にそのこと書かれています。
定年間近といえばそうですが、
このような判決を在職中に出すことは、裁判官とはいえ国家公務員、それなりの軋轢があるのでしょうか?
asahi.comから引用します。

各地で提起された同種訴訟で違憲判断が示されたのは初めて。「実質的な勝訴判決」と受け止めた原告側は上告しない方針を表明している。勝訴した被告の国側は上告できないため、今回の高裁判決は確定する見通しだ。

原告側の意図を認めた違憲判断、下しています。
国は不満でしょうが、勝訴したためなにもできません。
原告が上告しないとこの判決確定します。
原告は上告しません。
違憲と判断した部分を確定させるためよく考えられている感じします。
憲法9条改正*1の流れありますし、
どうも、拡大解釈されている感じします。
今の、日本国憲法第9条の定義をきちんと青山さん示しておきたかったのでは?
そう思いました。


私以前から何回か書いている、
竹中省吾さんのこと思い出します。
住基ネット違憲判決 - なんやかんや
気になります。 - なんやかんや
久間さん - なんやかんや
住基ネット違憲判決(その後) - なんやかんや
この方、住基ネット違憲判決出した裁判官です。
判決出した直後自殺されました。
その後、この件に関する報道はほとんどされていなくって、
ただの、自殺。
ということに落ち着いたような感じです。


私の、深読みしすぎ?
そういう結論になれば、それはそれでかまいません。


自分の思うような判決でないこともありますね。
そうした時、ネット上でその裁判官さんの名前検索すると、凄い攻撃的な文章を目にします。
自分の考えと、全員が同じってことはありえないです。
でも、裁判官が法律に基づいて、自分が正しいと信じた判決を出すことが、出来なくなるような時代にすることだけはみんなで協力して阻止しましょう。
「様々な意見を平気で言える自由を維持する」
これだったら、意見が相違している同士でも協力できると思うのですがいかがなものでしょう。
青山さんが、在職のまま今回の判決を自分で読む事をためらって退官されていないこと望みます。
青山さんが、
「今回の判決出すに当って退官しなければ」
と考えざるおえないような、圧力が司法の内部に存在しないことを願います。

*1:改正なんで「正しい」という字が入るのか?見直しでも「直す」入るし、9条維持しようと思うと表現が難しいですね