森田一さん

今日の朝日・朝刊1面左上
沖縄密約について、朝日の取材に、元大蔵省の担当者が証言しています。
他紙には出ていない、って事ですね。
asahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200912070446.html?ref=any
http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200912070446.html?ref=any

「極秘に」と外務省通告 沖縄密約、元大蔵省担当者証言(1/2ページ)2009年12月8日4時2分



 沖縄返還の際、米側が支払うはずの土地の原状回復費400万ドルを日本がひそかに負担したとされる問題で、当時、大蔵省でこの問題にかかわった森田一氏(75)が、朝日新聞の取材に、秘密裏に負担するとの連絡を外務省から受け、了承したと語った。額の積算にもかかわったという。

 原状回復費を巡っては、外務省アメリカ局長だった吉野文六氏(91)の証言などにより、「密約」の存在と金額は明らかになっていたが、額を算出するまでの日本政府内での協議過程などはよくわかっていなかった。森田氏の証言は吉野氏証言を旧大蔵省側から裏付けるとともに、経緯を明らかにするものだ。

 森田氏はのちに衆院議員となり、運輸相を務めた。沖縄返還前の1970〜71年当時は、旧大蔵省法規課の課長補佐として、日本側の費用負担について外務省条約局の幹部と7、8回にわたって協議に当たり、支出の適法性などを検討していた。法規課は予算案が法律に照らして問題ないかチェックする部署だ。

 森田氏は協議の経緯を以下のように説明した。

 協議の中で大蔵側は、日本側ばかりが負担するのではなく、軍用地などを地主に返還するための原状回復費は米側に支出させるよう提言した。

 額の見積もりは森田氏が担当。沖縄を訪問して調査し、三百数十万ドルと報告した。両省の協議で、最終的に400万ドルとなった。

 外務省は当初から米側に負担を求めることには難色を示しており、「米側に要求はしたものの、米議会を通過させるのは難しい」と回答してきた。結局、米国資産の引き取りや核兵器の撤去などのために日本が米国に支払うことになった3億2千万ドルの中に原状回復費を含める形で、実質的に日本が負担することになった、と外務省幹部から電話などで連絡を受けた。

2ページめです。

「極秘に」と外務省通告 沖縄密約、元大蔵省担当者証言(2/2ページ)2009年12月8日4時2分


 そのうえで同幹部は、上の了解を得て極秘にするので大蔵省も日本側が負担することについて了承してほしい、という趣旨の話をした。森田氏は外相も了解していると考え、「極秘ならいいんじゃないですか」と答えた――という。

 吉野氏は今月、関連文書の開示をめぐる裁判での証言で、返還協定に定められた日本側負担3億2千万ドルは、積算根拠のない「つかみ金だった」と述べている。これについて森田氏は「そういう感じだった。返還に関しての支出は、ほかの予算のように積算することは無理だと理解していた」と語った。(川端俊一、谷津憲郎)

森田さん今回の選挙で引退したのかと思ったら、2005年の自民大勝の郵政選挙の時に引退されていました。
森田一 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E7%94%B0%E4%B8%80


沖縄密約の当事者、皆さんご高齢です。
森田さんも75歳。
戦争中の、日本の方向の誰がどのように決めていたのか?
天皇の戦争責任は?
なんか、釈然としないまま、当事者が亡くなってしまって、
なんで、日本が戦争をしていったのか?
指揮命令系統はどのようになっていたのか?
今後、日本がというより世界が平和でいられるために、この国の歴史を追及する事で、貢献できるかもしれない事例がウヤムヤのままです。
沖縄密約に関しては、まだ当事者がご存命です。
皆さん、これから一旗という世代ではないので、
この国の将来のためにしっかり証言して欲しいです。
裁判で証言した吉野さんも、朝日の取材に今回答えた森田さんもそんな気持ちがあるのでしょう。


この記事、社会面(手元の新聞で30面)にも1問1答の関連記事あります。
その中の、森田さんの話一部だけ引用します。

 今の横路孝弘衆院議長が機密公電をもとに質問する2週間ほど前、毎日新聞記者の西山太吉氏から取材を受けた。しかし、原状回復費を差し引くというような話まで聞くものだから、「何で漏れているのかな」と思い、私が沖縄に行ったことも、肝心の400万ドルのことも言わなかった。

西山さん、外務省の機密文書を入手しても、関係各所にしっかり取材を行っていたのですね。
西山さん、「なんやかんや」で沢山書いているので、興味のある方は、左の日記の検索に西山と入れて、一覧表示してみてください。
この記事の最後に朝日の記者さんも、西山さんの話を入れていました。


西山事件 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6
このウィキペデァ読んでいると、沖縄密約というシッポを西山さんという1記者がつかんで、国会で質疑も行われたにもかかわらず、国家のスキャンダルから、個人のスキャンダルに話が転嫁していって、毎日新聞も批判の対象になって1977年に1度倒産したようです。
日本のジャーナリズムって、強い所に取り組むよりも、弱いものいじめが好きなのかもしれません。
国家が、真剣に身を守ろうとした時、あらゆる手を講じたら個人は太刀打ちできませんね。
それに手を貸すマスコミ関係者もいるってことです。
取材の方法に問題があったとはいえ、事実は事実!
西山さん、国家に狙われた以上、何らかの方法でスキャンダルが出るまで、身辺を調べられたかもしれませんね。
国家の問題を、個人の問題に切り替えていったその流れは、政権が変わっても表に出てこないかもしれませんね。
今でも、報道する側は政治問題のスクープは弱腰なのかもしれません。
上記ウィキペデァに出てました。

以後、大手メディアの政治部が国家機密に関わる事項についてスクープするということがなくなった(リクルート事件をスクープしたのは政治部ではなく社会部)。

こういった国家の不正を私たちが知るためには政権交代必要ですね。
1つの政党が長く政権を維持しすぎていましたねこの国は。


もう1つ「核密約」ってのもあります。(これも何回か書いているので関心ある方検索してください)
こちらも関係者若くないので発言期待されます。
まだまだ、他にも沢山あるのでしょう。
開かれた政府、期待しますね。
ん〜書き始めの気持ちより、結論が大きくなってしまいました。(^_^;)