車谷長吉さん

車谷長吉さんの『塩壷の匙』読んでいました。

塩壷の匙 (新潮文庫)

塩壷の匙 (新潮文庫)

 
6作品入った短編集なので、最大でも1日2作品時間をかけて読みました。
収録の『なんまんだあ絵』処女作で1972年(昭和47年)新潮新人賞の候補になりました。
1981年(昭和56年)『萬蔵の場合』第86回芥川賞候補作です。この回受賞作品無しです。
1992年(平成4年)『鹽壺の匙』第6回三島由紀夫賞、第43回芸術選奨文部大臣新人賞受賞作です。
この作品集、車谷さんの初期20年の作品が収録されているわけです。
前にも書いた『赤目四十八瀧心中未遂』良い作品だと思うのですが、この作品を書く以前の車谷さんの様子が6作品に書かれていました。
赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂

車谷さん何処までがフィクションかわからないのですが、私小説作家なので事実に近い部分あると思います。
車谷さん気になる方、この2作お薦めします。
って私、この2作品しか読んでませんでした。(^_^;)

ここから文学的な話ではなくなってしまうのですが。
萬蔵の場合』から一部引用します。

 永代通りを呉服橋から兜町の方へ歩いて行き、茅場町の交差点まで来た時、私は左に折れて蠣殻町から水天宮の方へ抜けようか真っ直ぐ霊岸島の方へ歩いて行こうか、迷った。

この分部読んで、大阪・京都と違ってイメージがしっり浮かびません。
「大通りがあって、ビルがあって、車が沢山通っていて」そんな何処にでもある都会のイメージです。
実際そうなのかもしれませんが?
考えてみたら、私、東京に住んだ事も、東京で仕事した事もありません。
愛媛・大阪・京都は住んで・仕事もしたから、イメージが具体的に出てくるのですね。
オッ、そうだ!グーグルマップ貼り付けられますね。


大きな地図で見る
便利な、ストリートビューで現地にもいけます。
実際ストリートビューやってみたら、ほんとただの都会の感じ。でも川も橋もあります。
左折して水天宮も行けました。すごな。(^_^)v



この文庫のあとがき、「私小説は悪に耐えるか」というタイトルで、吉本隆明さんが書いています。
その中で、車谷さんのことを、

まるで嘉村 礒多の再来のようだ。

と書いていて、気になります。

業苦・崖の下 (講談社文芸文庫)

業苦・崖の下 (講談社文芸文庫)

嘉村 礒多(かむら いそた)さん死後50年以上経っていて「青空文庫」で読むことできます。
作家別作品リスト:嘉村 礒多
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person249.html

山口県吉敷郡の富裕な農家の長男として生まれる。読書を通じて安倍能成の影響を受ける。初めの結婚に失望し、別の女性と駆け落ちして上京、新聞社に勤めながら小説を書き続けた。処女作「業苦」以下、特異な私小説家として認められた。(小林繁雄)


別件ですが、トヨタのリコール問題、龍さんのメルマガで冷泉さんが1月30日に気になるポイント書かれています。

2010-01-31 トヨタどうしたんでしょうね? - なんやかんや
書いた時にリンクがされていませんでした。
今確認したらコチラ↓で読むことできます。一部引用しますが、全文お読みいただいたほうが良いと思います。
JMM | 村上龍電子本製作所
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report3_1923.html
アメリカでの報道でしょうか?
今朝の朝日・朝刊でも詳しく書かれていない部分書かれています。

さて、アクセルもブレーキも電子化された車の場合に、仮に「アクセルが引っかかって暴走した」場合に、ブレーキを踏むとどうなるでしょう? ここに設計思想の問題が出てきます。多くのメーカーは、「アクセルとブレーキが同時に踏まれるのは異常だから、ブレーキを優先して車を停める」方向に動くような仕様にしています。ところが、トヨタの場合は違うらしいのです。前回の「フロアマット問題」でも出てきたのですが、トヨタは「ブレーキ優先」にはしていないばかりか、加速中にブレーキを利かせると「ブレーキが焼き付いて制動力を失う危険」があるからと、アクセルと同時に踏まれた場合はブレーキの利きを弱くしているようなのです。私は本当に確認したわけではないのですが、報道ではそう言われています。