裁判員裁判ついに(鳥取編・最終回)

昨日の朝日・朝刊に、これから書く内容と関連した記事ありましたので、そっちから書きます。
2面、
ニュースがわからん!

拘置所と刑務所って、どう違うの

という質問と解答出ていました。
解答の一部(最後の部分です)引用します。

 ア 死刑が確定した人も刑務所に入るの?
 A いや、裁判は終わっても死刑囚だけは拘置所に残る。死刑囚にとっての刑罰は死刑執行そのものだから、刑務所で強制的に働かせる事は無い。それで、死刑を執行する刑場は拘置所に置かれている。死刑囚は、刑場がある札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の七つの拘置所・支所のどこかに入るんだ。

死刑囚って精神的に参ってしまわないのだろうか?
手打ちで大変ですが、やっぱり、刑務所と、拘置所の暮らしの違いの分部も引用します。

 ア どんな風に暮らすの?
 A 刑務所は罰として入れられる場所だから制限が多い。服や食事は原則として支給されたものしか許されないし、懲役刑なら強制的に働かされる。外にいる人との面会も親族が中心で月2〜7回ほどしか認められない。

 

 ア 拘置所のほうは?
 A 拘置所にいる人は有罪と決まったわけじゃないから、刑務所に比べて自由だ。私服を着て、決められた売店でお菓子や弁当も買える。裁判の証拠を隠すようなことをしないと認めてもらえば、面会も制限されない。寝具や衣服の差し入れもできる。以外なのはテレビかな。拘置所には置かれていないのに刑務所にはある。教育用の番組を見せることもあるからだよ。

いくら、自由とはいえ、拘置所にいる死刑囚さん達、辛そうです。
他の人たちは皆出て行けるのに、生きて出ることはできないのですからね。
刑務所の人たちだって、無期懲役の人でも、出所の可能性はあるので、生きて刑務所出られますね。
死刑の執行をただ待つ毎日。
刑務所で働いていた方が、精神的に良さそうな気がします。
実際拘置所で、死刑囚さん達は、一般の拘置されている方たちと違う扱いをされているのでしょうが、どんな毎日を過ごされているのか心配になります。



ここから本題です。
今日は長いですよ。
2010-02-24 裁判員裁判ついに - なんやかんや
の続きです。
このページにその後の動き、後述で書いてきましたが、今日まとめて書きます。
書くというより、引用多くなりますが。


昨日の朝日・朝刊社会面(手元の新聞で39面)に判決の記事出ていました。
見出しだけ引用します。

命で償え 言い難い
2人殺害に無期判決


裁判員「極刑も検討」「涙ぐみつつ」

一昨日判決出ていたので昨日書こうと思ったのですが、
裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(6)が一昨日の時点で見つからなくて1日遅れました。
将来、リンク消えてしまうと思うので、6回分全部引用します。
全国版の記事より「マイタウン鳥取」のこの6回シリーズの方が事件の内容詳しく書かれていました。
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002230002
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002230002

裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(1)

2010年02月23日


■重責・緊張 思い巡らす

 米子市の税理士ら2人を殺害しキャッシュカードなどを奪ったとして、強盗殺人罪などに問われている影山博司被告(55)に対する裁判員裁判の選任手続きが22日、鳥取地裁であった。裁判員裁判が始まって以来初めて検察側が死刑を求刑する可能性があり、注目を集める。3月2日の判決まで、裁判員裁判にかかわる人々を追う。

◆選任手続き前

 11・30 裁判員裁判に反対する団体が横断幕を掲げて鳥取地裁前で抗議活動。「とめよう戦争への道!百万人署名運動 山陰連絡会」事務局の池本俊子さん(70)は「人の命を奪うかも知れない裁判に一般市民が加担するべきではない」。

 12・45 選任手続きに来た裁判員候補者を報道陣が囲む。北栄町の男性(47)は「死刑か否かの判断はなるべくだったら避けたい。先進国で死刑を行っている国は少ないはず」。

 12・50 死刑判決の判断を迫られるかも、と報道陣に問われた伯耆町の男性(25)は「良いことか悪いことか分からないが、法律で決まってしまった以上やらないといけない」。

 13・00 米子市の30代の女性は「やっぱり命の尊さってある。許せないことをした人であっても、私の一言で決まっていいのか」と戸惑いを口にした。

 13・01 「一市民が人の生死を裁くのは無理ではないか。人の人生を終わらせる判断を一生背負うのは重荷になる」と米子市の建設会社員の男性(31)は語った。

 13・08 日野町の男性(59)は鳥取地裁に向かう列車で様々な考えを巡らせたという。「選ばれても辞退するつもり。法律を勉強していない素人が人を裁くというのは何か違うと思う」

 13・28 影山被告の弁護人を務める杉山尊生弁護士が鳥取地裁に入る。

 13・40 鳥取地検の北佳子次席検事が鳥取地裁に入る。

 選任手続きで裁判員候補者らは、大型の液晶モニターで事件の概要を説明されたり、裁判官から質問を受けたりした。抽選はパソコンを使って行われた。部屋にはお茶とコーヒーも用意されていた。選任手続きが終わり、辞退が認められたり抽選に外れたりした裁判員候補者が鳥取地裁から出てくる。

◆選任手続き後

 16・00 選任から漏れた北栄町の男性(47)は「よかった」と話した。選任手続きのやりとりも明かした。「まず事件の概要を説明された。緊張感のある感じだった。質問票に死刑に反対している旨を書いたら『宗教的なものですか』と聞かれ、『いいえ、個人的な考えです』と答えた。実際に見た法廷は空気が重かった」

 16・00 日野町の男性(59)は「重大な判断を強いられる。後悔したり悩んだりしたくない」と心理的負担を理由に辞退を希望したという。結果的に裁判員に選ばれなかったが理由は知らされなかった。

 16・00 仕事の都合を理由に辞退を申し出て認められた米子市の会社員男性(26)は、事件について報道陣に問われ、「あまり興味はない。裁判員制度についても興味はない。どういう制度か全然知らない」。

 16・15 大阪府吹田市のアルバイト男性(26)は住民票を移していなかったために裁判員候補者に選ばれた。「くじで落選したが、選ばれたらいい機会だからやってみようと思っていた」。裁く立場だったら死刑の判断を下せるかと報道陣に問われ、「ひどい事件で、個人的には(被告に)同情できない」。

 17・00 鳥取地検の北次席検事が地検で記者への説明会を開く。「裁判員が重責を負うことをよく理解しているので、ストレスにならないように分かりやすい立証を心がける」

 18・03 影山被告の弁護人の杉山弁護士が鳥取市内で記者会見を開いた。「必要なことをちゃんと裁判員の方にわかってもらえるように準備したい」

◆101人に呼び出し状 選任手続きに34人

 鳥取地裁は今回の裁判のために裁判員候補者101人に呼び出し状を送った。選任手続きの前日までに年齢や仕事などの理由で辞退が認められたのは51人だった。呼び出し状が届かなかった6人を除く44人に選任手続きへの出席を求めた。

 22日午後1時半からの選任手続きには34人が出席し、出席率は77%だった。この日に辞退を希望したのは12人で8人が認められた。裁判員6人と補充裁判員4人を選ぶのに約2時間40分かかった。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002240003
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002240003

裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(2)

2010年02月24日


◆冒頭陳述 検察側 弁護側

 9・05 22席の一般傍聴席を求めて848人が鳥取地裁に列を作った。

 10・00 地裁で最も大きい32号法廷。小倉哲浩裁判長ら裁判官3人と裁判員6人が法壇に着席して開廷した。

 スーツにネクタイ姿の影山博司被告(55)は落ち着かない様子で弁護人席に着席。殺害された大森政子さんの家族が被害者参加人として検察官席に座り、正面から被告を見据えた。検察官が起訴状を読み上げた後、被告は「石谷(英夫)さん、大森さんとご遺族には大変申し訳なく思っております」と謝罪した。強盗目的は否認した。裁判員の視線が被告に注がれた。

 10・13 検察側の冒頭陳述が始まる。

 検察官は大型モニターに示しながら被告の借金について説明。裁判員6人と裁判官3人を見回し、「石谷さんへの長年の恨みを晴らすことと、石谷さんのためたお金を奪うことが目的」と述べた。

 会計事務所が破綻(は・たん)の危機に陥った昨年1月末〜2月初めごろに被告が凶器を準備したと指摘し、「借金が増加してお金が必要になったというのが犯行の動機」と強盗目的を強調した。奪ったとされる金のうち、被告が自身の借金の返済に800万円以上を充てたほか、事務所の資金繰りに340万円をつぎ込んでいたことを明かした。

 裁判員は手元の小型モニターを見ながら素早くメモを取った。身を乗り出して被告の表情を確認する裁判員もいた。

 10・45 弁護側の冒頭陳述が始まる。

 弁護人は「『もう嫌だ、もう我慢できない』。これが影山さんが2人をあやめた時の気持ちです」と、裁判員に語りかけるように切り出した。高齢の母親に付き添い、亡父の墓参りを欠かさなかった被告の人柄を紹介した後、石谷さんらとの関係に触れた。

 「月20万円の給料をちゃんともらえていなかった」「石谷さんの機嫌の悪い時は1時間近く叱責(しっ・せき)された」「自宅の雪かきや電球交換など仕事以外の用事で度々呼びつけられた」。様々なエピソードを披瀝(ひ・れき)した弁護人は「被告はどうしようもない状況を変えたいだけだった」と裁判員に訴えかけた。

 裁判員の一人は考え込むようにあごに手をやった。語気を強めた弁護人が「金品目的の事件ではない」と冒頭陳述を締めくくると、メモを取っていた6人の裁判員は一斉に顔をあげた。

◆証拠調べ

 11・30 検察側の証拠調べが始まる。

 青いシートに包まれた遺体の写真が裁判員の手元のモニターに映し出された。裁判員の一人は一瞬目をそらし、ため息をついた。検察官は「遺体は高度に腐敗し……」と説明。被告が殺害に使ったとされる電気コード、ネクタイ、工具をポリ袋に入れて裁判員の前に示した。「石谷さんを殴るのに使ったウオーターポンププライヤーです」。ある裁判員は少し前に身を乗り出した。ある裁判員は表情を変えずに袋を見つめた。

 検察官は、被告が石谷さんの複数の銀行口座から金を何度も引き出していることと、「本人ではないとわかっていれば払い戻しの手続きはしなかった」という銀行窓口係の証言を紹介した。

◆証人尋問

 12・10 休廷。裁判員6人が法廷に一礼をして退廷した。被告は2人の刑務官の前に両腕を差し出す。手錠がはめられると、うつむき加減で法廷を出ていった。

 13・22 検察官が証拠を朗読する。会計事務所の資金繰りが悪化し、被告の借金も膨らんでいく状況を時系列で読み上げた。

 14・00 再び休廷。県内最初の裁判員裁判裁判員を務めた米子市の女性も傍聴していた。被告について「気の毒な面もあるように思う。2人殺したとしたら厳刑も仕方ない。だからこそ人を裁くということは難しい」。

 14・25 検察官が被告の元上司の男性に証人尋問をする。元上司は、事務所の運転資金を穴埋めするために自宅を担保に借金していたと証言。検察官が「誰から言われてやっていたのか」と聞くと、元上司は「石谷さんから」と答えた。裁判員は驚きの表情を見せた。

 15・15 弁護人が元上司の証人尋問を始めた。石谷さんの印象を聞かれた元上司は「自分勝手でわがまま。声も大きく机をたたくこともあった」。弁護人は自席の机を4度たたいて石谷さんが怒った時の激しさを再現した。

 15・40 裁判員の男性が「被告(が受け持つ30〜40社)の仕事を詳しくは存じませんと伺ったのですが」と仕事の分担について質問。元上司は「担当ごとなので自分のことはわかりますが、他は詳しくはわかりません」と答えた。「数字的には(わからない)ということですか」と裁判員が尋ねると、元上司は「はい」。「業務内容はわかりますか」という問いに「同じなのでわかります」。

 裁判官が事件で不都合はなかったかと聞いた。元上司は「連帯保証が重くかかっている部分はあるが、被告への恨みはない」と話した。

 15・47 元上司の証人尋問が終わる。

 16・15 被告の元部下の女性への証人尋問が始まる。元部下は、被告に頼まれて被告のクレジットカードで何度か現金を引き出したと証言。裁判長から「事務所の資金を穴埋めする影山さんをどう思っていたのですか」と問われると「大丈夫かなとは思った」。被告の性格については「まじめ」「怒鳴られたことはない」と語った。

◆閉廷後

 18・30 検察が会見。「被告が被害者に恨みを募らせて犯行に至った。恨みの背景にはお金があり、強盗につながる」と説明した。

 19・00 弁護人が会見。「事実関係は(検察側と)大きな違いはなく、どう見るのかが問題だ。争点は強盗目的かどうか。なぜ被告がそこまでしなくてはならなかったのかを立証したい」と話した。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002250003
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裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(3)

2010年02月25日


◆証人尋問

 9・15 25席の一般傍聴席を求め、724人が鳥取地裁に並んだ。

 10・00 開廷。

 10・20 証人として公認会計士の男性が出廷。弁護側の求めで、影山博司被告(55)の勤め先だった会計事務所の経営状態について見解を示した。多額の事務所資産が、殺害された事務所代表の石谷英夫さん(当時82)らに貸し付けられていたとし、「必要ない貸し付けで回収の見込みもなかった」「破産状態に近かった」と分析した。

 10・40 公認会計士はさらに「従業員からの借り入れでまかなっており、経営の体をなしていない」と指摘。

 尋問を終えた検察側と弁護側双方に、裁判長は「どういう趣旨で何を立証するのか分かりにくい。分かりやすくしてください」と求めた。

 11・20 石谷さんの事務所で生命保険事業を担当していた元社員の男性(69)の証人尋問が始まる。

 被告について「石谷さんの使いっ走りのような感じだった」、石谷さんについては「すべてにおいて自分が一番」と答えた。「(被告が)金品で悪さをするなんて想像もできない」とも。

 11・47 事務所でかつて経理を担当した女性(60)が証人として出廷。弁護人の質問に、自分の金を事務所に貸していたことを明かした。石谷さんの旅行時の送り迎えや郵便物を応接間へ運ぶ役目をさせられていた被告について、「まじめな人。休みもない状態で気の毒だなと思った」と話した。

 12・00 続けて女性は事件について「たまっていたものが爆発したのかと思う」と証言。「嘆願書を提出しようかと同僚と話した」と打ち明けると被告は顔を紅潮させた。「私の証言で少しでも罪が軽くなればいいと思って来た」という言葉に、被告は青いタオルで涙をぬぐった。

 12・08 男性裁判員が右手を挙げた。「(被告が)郵便物を運びこんだ応接室というのは事務所ですか、(石谷さんの)居宅ですか」と質問。女性は「居宅です」と答えた。男性裁判員が「自由に入れたのですか」と問うと、女性は「留守の間だけです」と応じた。

 女性が退廷する際、被告は座ったままで数秒間、頭を深く下げ続けた。

 13・22 被告の妻が証人として出廷した。大学生の息子の学費や仕送りを賄うため、両親や消費者金融から妻が借金していたことを検察官が明かす。女性裁判員から「影山さんが給料をもらえない時もあったことは知っていましたか」と問われ、妻は「事件の後に知りました」と答えた。

◆被告人質問

 14・35 被告人質問が始まる。影山被告はうつむいて証言台に向かったが、弁護人の質問にははっきりとした口調で答えていく。

 事務所から石谷さんに渡した金額は「年3千万円ぐらい」とし、「架空経費で出した。心の負担だったが(石谷さんの)怖い顔が浮かび、『いけません』とは言えなかった」と述べた。

 雪かきやビデオ録画などの私用で石谷さんに呼び出されたことについて、「奴隷みたいな状況で旅行など計画できなかった」と語った。石谷さんが交際していた女性との後始末を押しつけられたり、女性のために購入した車の代金を立て替えさせられたりしたこともあったという。

 「なぜ、そこまでするのか」「会社を辞めようと思わなかったのか」と弁護人に問われ、「自分でも分からない。呪いをかけられたように動くしかなかった」。

 石谷さん宅からキャッシュカードを持ち帰ったことについては「たまたま札入れにあった」と説明し、その時初めて現金を引き出すことを思いついたとした。「会社のために借金を重ねたのだから、少しぐらい返してもらっても罰は当たらないと思った」と当時の心境を語った。

 15・50 閉廷の直前、被告は調書について「頭から強盗殺人とする警察と検察の誘導でできた。ざっと読み上げられて反論できなかった。理屈で言いくるめられた感じ」と不満をあらわにした。

 17・30 検察が会見。影山被告が調書に不満を感じている点について「取り調べで暴行や利益誘導はしていないので、調書の任意性には問題がない」と話した。

 18・13 弁護人が会見。被告が調書の内容について不満を述べたことについて「調書の信用性と必要性については争う」。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002260001
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裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(4)

2010年02月26日


■被告人質問

 9・15 24席の一般傍聴席を求めて、645人が鳥取地裁で抽選に臨んだ。

◆強く「違います」

 10・25 被告人質問で検察官は、影山博司被告(55)が石谷英夫さん(当時82)を殺害した直後、石谷さんのカバンに手を入れたと指摘。被告は、血が付いた手を洗うためにタオルを取ろうとしたと説明した。検察官が「札入れを確認したかったのでは」と追及すると、被告は「違います」と語気を強め、強盗目的を否定した。

 11・02 女性裁判員が「何度もキャッシュカードで引き下ろしているが、捕まると思わなかったのか」と質問した。被告は「1回目は約90万円。これでは会計事務所の運転資金に足りない。どうせ捕まるんだからという思いで、毎日のように引き下ろすようになった」と答えた。

 裁判長が、補充裁判員の女性の「奥さんに話していたら事件は起こさなかったと思うか」という質問を代読した。被告は「話していたら、こんなことにはならなかっただろう」。

◆あきれる裁判員

 11・30 裁判官は被告に、襲われた時の石谷さんの心境について「想像でいいか
ら」と尋ねた。被告は「なぜこんな目に、という思いはあったと思う」と答えた。

 11・45 「これだけは教えてください」と男性裁判員。「事務所の経営が良好じゃないことは、年度ごとに石谷さんに報告していたのか」。被告が「石谷先生が使わなければ良好だった」と話すと、「返事になっていない」と男性裁判員は厳しい口調でただした。

 被告が、石谷さんには事務所の従業員からの借り入れを記載していない決算書を提出していたと明かすと、男性裁判員は「会社のトップに違う決算書を出していたのですか」とあきれた。

■証人尋問

 13・30 情状関係の証人尋問が始まる。出廷した被告の長男(20)が、言葉を嗚咽(お・えつ)で詰まらせながら弁護人とやりとりした。被告の好きな面は「頼りにならない私をいつも気にかけてくれた」。高校受験の前に被告から渡された手紙は「今でも宝物」と話した。「自分のやりたいことをやれと言ってくれた言葉が忘れられない」

 13・50 「何か言い残したことは」と弁護人に聞かれた被告の長男は「父を安心させる大人になります。そうなったら昔みたいに一緒に遊んでください」と、スーツの袖で涙をふきながら告げた。被告も何度も涙をぬぐった。

◆私を恨みますか

 被害者参加人として検察官席に座る大森政子さん(当時74)の長男が「私は死刑を望んでいる。死刑になったら私を恨みますか」と投げかけた。被告の長男は「(被害感情が激しいのは)当然だと思います」と答えた。

 「ほかに質問は」と裁判長が尋ねた。「ないです」と答えた男性裁判員は眼鏡を外してハンカチで涙をふいた。補充裁判員の女性も被告の長男の尋問の間、ずっと涙をぬぐっていた。

 14・30 検察官が石谷さんの長男の供述調書を読み上げた。「重い処分を受けて
欲しいが、少し同情する部分もある。自分が自己破産した時と似ている」。証言台に立った石谷さんの長男は、石谷さんの事務所で6年ほど働き、辞めたことを弁護人に尋ねられ、「給料がもらえず、消費者金融で金を借りて生活費に充てた。追いつめられて自殺も考えた」と石谷さんへの複雑な思いを述べた。

◆死刑ではなくて

 「望む判決は」と弁護人に問われると、「無期懲役。死刑ではあっけない。死刑で終わりではやりきれない」。

 15・00 検察官が石谷さんの長女の調書を読む。

 「借金を背負わされ、長年の恨みがあったとはいえ、許せません。死刑ではなく一生かけて償ってもらいたい。かけがえのない父です」。続けて次女の調書を朗読した。「殺害後すぐに連絡が欲しかった。そうしたら父の手を握ることができたと思う」

 15・28 大森さんの長男が検察側の証人として出廷した。被告について「真摯(しん・し)に刑罰を受ける気が感じられない。死の恐怖を与えてもらいたい」と語る。

◆234枚の写経映す

 15・51 弁護人が、減刑を求める被告の元同僚ら3人の嘆願書と、被告が逮捕後に書いた写経234枚を裁判員の手元モニターに映し出した。

 17・30 検察が会見。「審理の経過を踏まえて慎重に求刑を決める。遺族の様々な感情も考慮したい」

 18・03 弁護人が会見。「改めて聞くと感情的に重く、いろんなことが含まれた事件だと痛感している」

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002270001
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001002270001

裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(5)

2010年02月27日


■被告人質問

 9・15 25席の一般傍聴席を求め、870人が鳥取地裁に列を作った。

 10・00 最後の被告人質問が始まる。これまでと同じ紺色のスーツ姿の影山博司被告(55)は入廷後、傍聴席に目を向けた。家族の姿を探しているように映った。

◆頭が狂いそう

 10・17 弁護人から家族への思いを聞かれた被告は、長男について「殺人者の家族ということが一生ついてくる。それを考えると頭が狂いそう」と語った。「石谷英夫さん(当時82)、大森政子さん(当時74)、本当にごめんなさい」と深々と頭を下げた。

 10・35 検察は、殺害後に被告が被害者2人の携帯電話を使って遺族に無言電話をかけていたこと、匿名の手紙を警察に3回送ったこと、デッキブラシや洗浄剤を購入していたことなど、被告による「工作」の数々を突きつけた。被告は時折口ごもり、「自首を考えたことはあるが、本気だったかと言われると自信がない」。

◆思い主張できず

 10・45 大森さんの長男が被害者参加人の立場で質問した。「あんたの人生を狂わせた根本は何だったのか」。被告は「よく分かりませんが、自分の言いたいことをきちんと主張できなかったことが、こういう結果につながったのだと思います」。

 10・50 男性裁判員が「奪った金は全額会社のために使ったと立証できるか」と問うた。被告は「自分の借金の返済に回った可能性もあるとしか言いようがない」と答えた。裁判官に事件の原因を尋ねられた被告は「石谷さんや大森さんに言われたことでストレスがたまり、今回のようなことになった。自分の意見を言って一つひとつ問題を解決できていたら、と」。

■論告求刑

 11・05 検察の論告求刑が始まる。「事実関係」と「情状関係」に分けて個条書きした論点を大型モニターに映し出し、裁判員に説明していく。検察官は「命を奪うのは短絡そのもの」「遺族は峻烈(しゅん・れつ)な処罰感情を持っている」と厳しい言葉を重ねた。

◆同情の余地も

 一方で、石谷さんによる金の持ち出しが会計事務所の資金繰りを悪化させたことなどにも触れ、「追いつめられた揚げ句の犯行で、一定の同情の余地は否定できない」とも述べた。

 12・00 「無期懲役を求刑する」と検察官が告げた。被告の右ほおがぴくりと動いた。裁判員はメモを取っていた。検察官席でうつむいて涙を流す大森さんの長男の肩に、隣の検察官が手を置いた。

◆恐ろしい判例

 大森さんの長男が用意した文書を涙ながらに読み上げた。「母は私を女手一つで育ててくれた。見送ってあげたかったが、約3カ月間放置された無残な姿で、見ることもできなかった」。無期懲役の求刑について、「恐ろしい判例になる。2人も殺害しながら情状があれば死刑にならない」と憤った。

 12・20 休廷中、鳥取地検の長谷川充弘検事正は報道陣の取材に「遺族の気持ちは最大限に考慮した。求刑は捜査結果を検討し、悩みに悩んで出した」と語った。

■弁護側の最終弁論

 13・30 弁護人は「影山さんには無期懲役でも重すぎる」と述べ、有期刑を求めた。さらに「最後に自分の意見」として、「遺族の憤りが計り知れないことは分かっている。不謹慎かもしれないが、影山さんが不幸だということは間違いない」「影山さんは精神的な虐待状態だった。思い切った温情判決をお願いします」と訴えた。

◆墓参りしたい

 14・00 「ちょっとだけお時間をいただけませんか」と被告が証言台に。「お二人の墓参りがしたい。墓参りを許されるよう、熱意を持ってご遺族に何回も手紙を書きたい」と話した。

 さらに裁判員に向き合い、「抽選でたまたま選ばれただけでプレッシャーがかかり、申し訳なかったと思います。私の思いを最後まで聞いていただいて、ありがとうございました」と述べた。

 14・40 閉廷後、大森さんの長男が報道陣に心境を吐露した。「弁護士は『無期懲役でも重い』と言ったが、私から見ればずうずうしい」

■今回の裁判 求刑を終えて

 死刑か無期懲役か。注目された裁判員裁判の求刑で、検察が選んだ判断は無期懲役だった。結審後、検察側と弁護側がそれぞれ会見し、胸の内を語った。

◆検察の主張に沿った判決期待

 検察側・北佳子次席検事 求刑については、裁判員裁判だからという理由では決めていない。大きな理由は、犯行動機に一定の同情の余地があることは否定できない点と、石谷さんの遺族が積極的に死刑を望んでいない点だ。死刑を求める大森さんの遺族のお気持ちは痛切に受け止めたい。

 死刑を選択できる事件だったからこそ、被告に不利な情状だけではなく、有利な情状も同じレベルで比較、検討した。それは珍しいと思う。検察官の仕事は被告人を悪く言うのではなく、事実関係を解明すること。求刑は最後まで考え続けた。論告求刑の時は、裁判員の目線が自分に集中していると感じた。

 究極の刑の死刑にするかどうか慎重に検討した。検察官の主張に沿った判決が出ることを期待したい。

◆被告の人間性伝えたかった

 弁護側・杉山尊生弁護士 裁判員には充実した評議をしていただけると思う。裁判員からは的確な質問が多かったと感じた。法廷では、なぜこんな事件が起きたのかということと、被告の人間性を伝えたかった。

 今日の求刑は、死刑と無期懲役、どちらの可能性もあると思い、心の準備をしていた。我々が言うのも妙だが、検察側も求刑に関してはかなり悩んだのは間違いない。悩んだ末に情状面を踏まえ、無期懲役と判断したのだろう。

 公判前にやりとりするなかで、被告自身は死刑も覚悟していると感じていた。今日の公判後、被告は「どんな判決でも受け入れる気持ちがある」と話していた。

 被害者の遺族が死刑を求めたのは、弁護人の立場でも胸を打つものがあった。それは裁判員も同じだと思う。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001003030001
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裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(6)

2010年03月03日


■判決

 14・15 22席の一般傍聴席を求めて、805人が鳥取地裁に並んだ。

 14・55 影山博司被告(55)が緊張した表情で入廷。手錠をはずした瞬間、ふるえる手で顔を覆った。

 15・00 小倉哲浩裁判長が主文を述べる。「被告人を無期懲役に処する」。裁判員は被告を見つめていた。

 15・30 小倉裁判長が「石谷(英夫)さん、大森(政子)さんへ冥福を祈り続けて下さい」と説諭する。数回うなずいた被告は裁判長、検察側、傍聴人、弁護人側と何
度も頭を下げた。

 15・45 被害者参加人として出廷していた大森さんの長男は硬い表情のまま、足早に法廷を後にした。

◆役目終え安堵

 16・12 裁判員2人が記者会見に出席。「役目を終えて安堵(あん・ど)しているというのが率直な気持ち」

 17・00 杉山尊生弁護士が会見を開き、判決後に面会した被告の様子を語った。目立った感情は表に出さず、「積極的に控訴する意思はない」と話していたという。杉山弁護士は「強盗目的と認定されたことは承服できない。弁護人として控訴するかどうか検討したい」。

 17・10 裁判員2人が会場を変えて補足取材に応じる。「市民感覚が判決に反映されたと考えるか」という質問に、30代の男性裁判員は「自分の意見が含まれた評議、判決だったと思う」。

裁判員に敬意

 17・30 鳥取地検の北佳子次席検事が会見。「重い責任を果たされた裁判員に心から敬意を表したい」

 19・32 大森さんの長男が取材に対し、「被告には控訴せずに刑を受け止めてほしい。真剣に参加していた裁判員の方々にお疲れさまでしたと言いたい」と語った。

■「中立」頭に評議 裁判員 一問一答

 【記者会見】

 ――裁判を終えた率直な感想は。

 裁判員(1)(以下(1)) 大変注目された重大な事件で、その裁判で裁判員として役目を終えて安堵(あん・ど)している。中立の立場で被告や証人の話を聴くのは、集中力がかなり必要な役割だった。取ったメモは140枚になった。

 裁判員(3)(以下(3)) 率直な感想は終わってひと安心。

 ――長丁場だったが心理的な負担は。

 (1)裁判の重さが優先され、長さは感じなかった。

 (3)負担はまったくなかった。

 ――死刑求刑の可能性もあったが。

 (1)量刑ありきではなく、まず起こった事実と人間性を重視した。

 (3)死刑または無期懲役という二択だったけど、今でも複雑な心境。

 ――検察が無期懲役を求刑した時はホッとしたか。

 (1)心を揺るがしたことはない。3日間の評議では涙を浮かべながら話し合った。

 (3)いろんな視点から中立的に見てきたので、特別な思いはない。

 (1)偏った先入観や外から聞こえる話によって結審したのではないのは事実。チームのバランスが良くて、それぞれの方が健康を気遣い、仕事の制約に心を配りながら、役目を果たせたのではないか。

 ――無期懲役の求刑で議論の余地は狭まったか。

 (3)ない。無期懲役を踏まえつつ、裁判員が議論して意見した。

 【会見後の補足取材】

 ――裁判員を終えて率直な感想は。

 (1)裁判では許される範囲で質問し、評議に臨んだ。どうしたら中立を保てるかに苦悩しながら、被告や被害者、遺族に直接尋ねることで、納得できる評議に持って行けた。法廷で開示された情報をもとに、自分たち自身は意を尽くして審理したと、自信を持っている。

 ――十分な判断材料は示されたか。

 (1)裁判員にどう分かりやすい説明するのか、その準備が実ったと思う。審理が短いということはない。

 (3)検察側は検察側で、弁護側は弁護側で、非常に分かりやすく要点をまとめて頂いた。分かりにくいことに対しては裁判長が丁寧に説明してくれた。

 ――被告と家族との面会時間まで示されたと思うが。

 (1)被告がどれくらい自分の家族に会えるのか分からず、裁判長に教えてもらった。判決を決める際に、人間として被告が生きていくうえで、どこまでが許されて、どこまで許されないのかということまで含め、評議したと自信をもっている。

 ――被告の調書と法廷の証言に食い違いがあったが、取り調べの可視化について。

 (3)録画しても目に見えたものがすべてではない。どちらも同じだと思う。

 ――悲惨な事件を審理するにあたり、裁判員はどんな様子だったか。

 (1)裁判員は、被告の家族の証言に目に熱い物を感じた。一方で、被害者側の「なぜ殺されたのか」という断腸の思いも受け止めている。

 (3)それぞれ怒りだったり、悲しみだったり、色んな複雑な感情を抱いていたと思う。

 ――市民の考えは判決に反映されたと思うか。

 (1)法律用語を極力ひかえ、説得力のある文章に仕上げている。

 ――裁判前に事件をどのように受け止めていたか。

 (1)県内で知名度の高い企業で起きた事件で、十分に知っていた。

 (3)米子で何という凶悪な事件が起こったのかと思った。法廷のすべての場面が鮮
明に残っている。

■元裁判官の川上拓一・早稲田大大学院教授(刑事訴訟法)の話

 丹念に事実認定をしていて、職業裁判官と裁判員の間で非常によく評議された痕跡が見て取れる。今回の事件は、まじめなサラリーマンが会社のために一生懸命やっているなかで凶行に及んだというもので、裁判員にとってその心中に思いを寄せやすい事件だっただろう。ただ事件の結果は死刑もあり得るあまりに重いもので、その落差に裁判員は苦しんだのではないか。今後は実際に死刑判決を下す裁判が出てくる。職業裁判官も死刑判決のときは悩み抜いている。裁判員も負担は大きいが、徹底的に悩むことが大切だ。

■城下裕二・北海道大大学院教授(刑法)の話

 全体として妥当な判決だ。弁護側は「強盗目的ではない」と主張してきた。確かにこの事件は個人的な利益を得るために起こした典型的な強盗殺人事件とは違うが、金銭を引き出すことを意識しつつ殺害している以上、強盗殺人罪は成立する。

 そのうえで、被害者の理不尽な行動が被告を追いつめた原因面や犯行の計画性の弱さなど、この事件に特徴的な事情を考えたとき、死刑ではなく無期懲役となったのだろう。

■判決要旨

 【主文】

 無期懲役に処する。

 【犯罪事実】

 (1)石谷会計事務所の経理担当だった被告は、石谷英夫さん(当時82)のために資金の負担を強いられたり、雑務に従事させられたりし、激しい嫌悪感を覚えた。

 09年2月21日午前11時35分ごろ、石谷さんの後頭部を凶器で殴り、電気コードで首を絞めて殺害した。同日正午過ぎごろ、石谷さんの居宅で内妻の大森政子さん(同74)の頭部を土間にたたきつけ、ネクタイで首を締めて殺害。翌日までに預金通帳やキャッシュカードを奪った。

 (2)犯行の発覚を逃れるため、石谷さんの死体をブルーシートに包んで遺棄した。大森さんの死体はビル屋上倉庫に運んで遺棄した。

 (3)09年4月までに12回にわたって米子市の現金自動出入機(ATM)コーナーなどから現金計1200万円を引き出して盗み取った。

 【量刑事情】

 (1)動機は、石谷さんが会社資金を自分のものとしたため、被告が精神的に追い詰められ、被害者らを殺害して通帳を奪い、精神的負担や経済的状況を解決しようと図ったことと認められる。個人的な利益を得るための犯行とはいえず、強盗殺人罪が本来予定する利欲的犯行とは性質を異にする面がある。大森さんには、殺されなければならない落ち度はなかった。

 (2)被告は凶器を自宅から会社に持ち込んでいたものの、他の従業員に発覚する危険があるなど、冷静かつ周到に練り上げて実行したとはいい難い。

 (3)大森さんの遺族が被告に極刑を求める心情は当然。石谷さんの遺族らは極刑までは望んでおらず、被告の事情を理解している様子もうかがわれ、被害感情の内容は考慮せざるを得ない。

 (4)被告に前科はなく長年まじめに働いてきた。特異な状況の中で生じてしまった事件だった。

 (5)犯行を後悔していれば、遺体を隠して放置し、何日にもわたり金銭を入手し続け、被害者らの生存を装うなどはできるはずがなく、犯行後の行動は悪質。

 (6)2人を殺害した強盗殺人であるが、単純な金銭目的の利欲的犯行といい難い面がある。被害者に対する嫌悪感が大きな影響を与え、石谷さんの理不尽な行動が被告を追い込んだことは同情の余地が大きく、被告が命をもって罪を償わなければならない事案とまではいい難い。

 (7)被告に同情すべき点はあるが、死刑を選択しないという限度にとどまる。特に大森さんまでも殺害したことは許されず、その後に被告がとった行動の悪質さも考えると、有期懲役刑にすることは考えられない。

これで、全6回全て引用しました。
自分で書いた部分から引用します。

私は以前から、自分のことを死刑の判決を出さないので、裁判員には不適格と思っています。

そういう理由で見送られるかどうか、不透明なままのようです。

そして、心配事として、

今回選ばれている方たち「どちらの判決も出せる」方たちが選ばれたのか?そうではないのか?
さっきまで、不透明なままなこと、
問題あり。
のように感じていましたが、
ココまで考えると、選ばれた方たちのために、場合によっては公表しない方が良いような気がしてきました。
判決後の記者会見で、この辺の事、裁判員に質問出るのでしょうか?

6回目に、裁判終了後の記者会見の様子書かれていました。
この件に関しての質問出たのか出なかったのか、わかりませんが、書かれてはいませんでしたね。
今回の事件、死刑の求刑の可能性あったのですが、(むしろ、2人殺害という事で、死刑求刑の方が常識的な求刑だったようです)石谷さんの遺族が積極的に死刑を望まず。大森さんの遺族は死刑を望まれる。というように遺族間で対応が別れていました。
殺害されたという事実は受け止めないといけませんが、石谷さんの問題点もだいぶ指摘されたようです。
検察も、死刑求刑ではなく、最初から無期懲役の求刑という思い切った対応をしたと思います。
これに対して、判決にあたり、死刑の判決も含めて、裁判員の方たち話し合われたようです。
真正面から、取り組む姿勢頭が下がります。


川上拓一さんのコメント元裁判官だけあって厳しいと思いました。
再度引用します。

ただ事件の結果は死刑もあり得るあまりに重いもので、その落差に裁判員は苦しんだのではないか。今後は実際に死刑判決を下す裁判が出てくる。職業裁判官も死刑判決のときは悩み抜いている。裁判員も負担は大きいが、徹底的に悩むことが大切だ。

裁判員に負担を求めすぎていないだろうか?
職業として裁判官を選んだ、法律の知識もある司法試験合格者でも、悩みぬく死刑判決。
運が良いのか、悪いのか、判断しかねますが、抽選で選ばれた普通の市民に、
負担は大きいが悩む事大切。
「死刑の判決を出すという事は、それだけ重要な事ですよ」
という意味で話されているのはわかりますが、そこまで一般市民に負担させる事、今後の課題として考える必要あると思います。
職業としての裁判官は、又次の裁判の判決もありますね。
そのときは悩みぬいても、次の事件では気持ちを整理して白紙に戻すことも、職業特性として要求されると思います。
一般市民は、普通、次の裁判の判決があるわけではないです。
ですので判決後も、悩みを引きずる方出るのではないでしょうか?
今回は、検察側も見送りましたが、死刑求刑が当然のような裁判今後当然出てきますからね。


今回、記者会見には2名の方応じていました。
記者会見のお話し読んでも、
徹底的に悩まれて、適切な判決。
と簡単に言い切ってしまっては申し訳ないくらい真剣な討論をされたのだろうと推測します。
こういう重い判決になる可能性のある裁判員は、判決後の記者会見も負担ですね、だから2名だけの会見になったのかもしれません。
いつかある、死刑判決後の記者会見、どうなるのでしょう。
死刑制度に対する疑問から、裁判員制度問題あり!今でもそう思っています。
でも、今まで裁判についてこんなに考えることはありませんでした。
正直に認めます。
でも、そのことが良いのかどうかはまだわかりません、
でもね、私が死刑判決を出す裁判にかかわることになる可能性があるということを考えると、勉強になるのは良いのですが、総合的な結論としては良くないのではないか?そう思います。