カクテル・パーティー

朝から、思いっきり為替に介入してますね。
各国の協力は得にくいでしょう。
自国通貨上がることは、輸出時の競争力が弱くなりますからね。
政府明日も介入しそうです。
この後日本として打つ手が限られてくるので、
円高の阻止、上手く行ってくれること望みます。



本題です。
大城立裕さんの「カクテル・パーティー」読みました。

カクテル・パーティー (1967年)

カクテル・パーティー (1967年)

この作品、1967年7月第57回芥川賞を受賞作です。
私、今回読むの2回目。
実家には角川文庫であるはずです。
この作品、1972年5月15日の日本復帰前の、
米軍占領時の沖縄が舞台になっています。
大城さん沖縄の方です。
大城立裕 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9F%8E%E7%AB%8B%E8%A3%95
日本に復帰前に、芥川賞受賞されていますね。
今この本入手難しいと思います。
私は、実家から持ってきたのではなくて、
地区センター内の図書室の、
芥川賞全集で読みました。
たぶん、最初に読んだの10代後半から20代前半。
どっちにしてもまだ学生の頃です。
沖縄に関心があったのではなくて、芥川賞受賞作を片っ端から読んでいて出会った作品です。
今回読んで、作品の重さ感じました。
13日に書いたように、沖縄の歴史気になって、
今回「そういえば」って思い出して読んでみました。
内容に触れます。
カクテル・パーティー
http://www.ownmap.jp/cocktail_party.htm

「カクテル・パーティー」は前章と後章に分かれ、前章は「私」を主人公とする一人称の形態で進行するが、後章では「お前」と二人称で呼ばれることになる。
本土復帰前の沖縄。主人公の「私」は、米軍基地内のカクテル・パーティーに招かれる。中国人弁護士の「孫」、内地の新聞記者「小川」、そして沖縄人の「私」は、パーティーの主催者であるアメリカ人の「ミラー」と、中国語会話のグループを作っていた。その関係で、「私」はパーティーに招かれたのだ。彼らと中国語で沖縄文化論などを交わしながら、「私」は、選ばれた「沖縄人」として、基地の中でのパーティーを楽しんでいた。
ちょうどその頃、M岬では、主人公の娘の身の上に、事件が起きていた。
米兵「ロバート・ハリス」に暴行された娘は、彼を崖下に突き落とし、大けがを負わせ逮捕されてしまう。娘が裁かれることは恐れない。しかし「ロバート・ハリス」もまた裁かれなければならないはずだ。まずは娘の裁判に「ロバート・ハリス」を証人として出廷させるため、「お前」は「ミラー」や「孫」や「小川」の友情を信じて、協力を得ようとするのだが。
やがて「カクテル・パーティー」の、「親善の論理」の「欺瞞」が暴かれていくことになる。

実は、内容全く覚えていませんでした。
しかも当時の私は、沖縄の問題にそんなに関心持っていたわけではないです。
内容もう少し付け加えると、
米兵「ロバート・ハリス」さん、日本人の愛人さんを囲っていて、そのお部屋の大家さんが「私」。
ロバート・ハリス」と「私」知り合いで普通に会話するし。
娘さん(制服がどうの、と出てくるので高校生かと?)も知り合い。
ですので、ロバートの車に普通にのって、M岬で暴行されてしまいます。
暴行された後、ロバートを崖下に突き落とすわけですが、
怪我をしたロバートに起訴されてしまいます。
娘さん、アメリカの法律で「傷害」裁かれます。
そして、娘さんがロバートを起訴した場合、
アメリカ占領下の沖縄で「暴行」裁くわけです。
暴行を受けたあとの傷害。
という事件ではなくて。
暴行は暴行、傷害は傷害。
別の事件として、別の法廷で裁くようなのです。
ロバート、起訴されても、出廷の義務は無い様で、
自分から、証人として出廷するよう「私」が交渉する過程も書かれていました。
沖縄側で、起訴してもまず勝ち目が無いような事も、「私」は知ることとなります。
勝ち目の無い裁判で娘さんも苦労する。
そんな事実、承知の上で起訴するのですが、
小説は、その起訴の結果がどうなるか、書かれずに終わっています。
書く必要が無いのでしょうね。


「カクテル・パーティー」は、小説というフィクションですが、
実際このような現実の中を沖縄の方たちは生きてきたのだと思います。


復帰後も23年経っても、1995年9月4日に米兵3名による少女暴行事件がありました。
ちゃんと引用しますね。

高等学校琉球・沖縄史

高等学校琉球・沖縄史

10月21日「=米軍人による少女暴行事件を糾弾し日米地位協定の見直しを要求する=沖縄県民そう決起大会」には8万5000人もの大衆が参集し、復帰後、最大規模の集会となった。

日本に復帰しても基地はあるし、復帰前よりは自治・独立の感覚沖縄の方たち持っているのでしょうが、
普天間の問題、無理強いしていたら、自治・独立の感覚というより、
どうにもならない現実を感じているのではないでしょうか。
その状態が、島津が沖縄に侵攻して以来続いているのかもしれません。
私、復帰後も、沖縄に犠牲を強いていて、その事実みんなで見て見ぬ振りしている感覚を持ってしまいます。
当たり前の結論ですが、日本政府は米国に対して、沖縄の方たちが納得できる解決方法を交渉するべきだと思います。



今日NHKでやっていた、歴史秘話ヒストリアまだ見ていませんが。
ウルトラマンと沖縄でした。
録画してあるので後で見ます。