村上さんにノーベル賞を

山中さんノーベル賞受賞、今日もニュースで沢山取り上げられていました。


昨日の朝刊では先日朝日に寄稿された、村上春樹さんの文章に対し、
朝日の記事リンクしておきます。
http://www.asahi.com/culture/update/0928/TKY201209270753.html
http://www.asahi.com/culture/update/0928/TKY201209270753.html
中国側からも共感した文学者の方のそれに答えるメッセージが紹介されていました。

そこ引用します。

東アジアの領土を巡る問題について、朝日新聞が9月28日付で掲載した村上春樹さんのエッセーに共感した中国の作家、閻連科(イエンリエンコー)さんが、米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに寄稿した。村上さんのエッセーが「対話のきっかけをもたらした」とし、文学者が役に立つ時だと強調している。

 閻さんは中国社会を風刺した作品などで知られる著名作家。6日付の「アジアの対立を和らげる言葉」と題した文章で、村上さんとノーベル賞作家の大江健三郎さんの文章に「深く心を動かされた」と明かしている。日中の対立に対して、仲間である文学者たちから理性的な声が上がるのを待ち焦がれていたという。

 とりわけ村上さんによる朝日新聞への寄稿を中心に論じ、「安酒の酔い」という表現で領土問題が国民感情をあおる危険性について指摘したことに賛同を示した。「日本の文学者たちは対話のきっかけを先んじてもたらした。彼らの人間性と勇気に比べ、中国の作家として返答の遅さを恥じる」

村上さん、日本ではほとんど表に出ません。
大江健三郎さんの様にそんなに政治的なメッセージを出してもいません。(私が、そう感じているだけかもしれませんが)
イスラエル文学賞受賞のスピーチでタマゴの話をされた時、その姿勢に強さに驚きました。
今回の記事も、政治があまりに頼りにならないので、今後の日中関係を危惧された村上さんが寄稿したのだと思います。
村上さんの寄稿文の最後の方のこの↓部分。

最初にも述べたように、中国の書店で日本人著者の書物が引き揚げられたことについて、僕は意見を述べる立場にはない。それはあくまで中国国内の問題である。一人の著者としてきわめて残念には思うが、それについてはどうすることもできない。僕に今ここではっきり言えるのは、そのような中国側の行動に対して、どうか報復的行動をとらないでいただきたいということだけだ。もしそんなことをすれば、それは我々の問題となって、我々自身に跳ね返ってくるだろう。逆に「我々は他国の文化に対し、たとえどのような事情があろうとしかるべき敬意を失うことはない」という静かな姿勢を示すことができれば、それは我々にとって大事な達成となるはずだ。それはまさに安酒の酔いの対極に位置するものとなるだろう。

特に、
「報復的行動をとらないでください」
の部分、私はものすごく共感しました。
政治に任せてたのでは、どうなるかわからない日中関係
村上さんにノーベル賞を取ってもらって、
村上さん期待されても迷惑でしょうが、
政治ではすることの出来ない、
冷静で、しかも政治を介さない、心の絆を日中国民間に結ぶことが出来るよう、これからも発言していって欲しい。
村上さんの影響力が強くなる事は、私にはとても望ましい事です。