取材源秘匿その後

2006-03-19 取材源秘匿
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20060319
に書いたことの最高裁判決が出ました。
朝日10月4日朝刊1面、左の見出しです。

最高裁
取材源秘匿認める
NHK記者証言拒絶「社会的価値」

第3社会面にも関連記事出ていて、

取材源秘匿
軽視の流れ断つ
高裁判断からは後退も

今回の件では03-19にも書いたように、
読売新聞に対する裁判もあって、
読売側に対しては最初取材源の秘匿認めない判決出ていました。
NHKに対しては取材源の秘匿認める判決が続いています。
読売の最高裁の判決は審理中でこれからということになります。


この国は力のない個人を守るシステムができていない気がします。
またその個人をニュースソースとして利用する方たちも、
取材源の個人が秘匿されずに公になった場合、
守りきれていないような気がします。
ですから、この判決、情報を伝える側にとって良い判決が出ましたね。
勿論、組織に対して訴える側の個人に対しても良い判決だったと思います。
今回の判決担当した4裁判官全員一致だそうです。


ただこの判決チョット気になる内容も含んでいます。

ただ最高裁決定は、社会的意義のある重大裁判では、真実解明と取材の自由を比較して、場合によっては証言拒絶が認められないとの立場もとった。

何々

どんな場合なら、証言拒絶を認めないことにつながりえる「重大裁判」にあたるかは。今回の決定では明確に示されず、裁判所の判断に委ねられてしまった。


判例としては、今回の、
アメリカの会社の日本法人が、所得隠しをしたかどうか?
の程度だと「重大裁判」ではないってことです。
つまり「重大裁判」とは???
の定義がなくて、
???のままで、
裁判になって、裁判所が
「はい、これ重大裁判です」
って事になったら取材源秘匿されないってことですね。
だから、最初に裁判所から
「はい、これ重大裁判です」
の判決出たときの秘匿されていた方
「エッエ〜俺って公になっちゃうの〜」
そんな感じですね。
裁判所が、
「はい、これ重大裁判です」
って判決だして、判例ができてしまわないことを望みます。
これってきっと
4裁判官全員一致のために、妥協案だしてこんなことになってしまったような気がします。


「重大裁判」
気になりますね。
でもどんな裁判であっても、そこで争っている方たちにとっては、
「重大」なことですよね。
裁判ってみんな「重大」だと思うのですが、
裁判所って「重大」かどうかの区別があるのでしょうか?
その裁判にかかわっている、裁判官、検察官、弁護士、の方たちにとっては、
「全てが重大」
の意識で裁判に臨まれていらしゃることと信じています。