ヘンリー・キャベンディッシュ

以前から入手したかったのですが、
大手書店でも入手できなかた、
三田誠広さんの「天才科学者たちの奇跡」

入手していたの、日曜に読んでいました。
この本PHP文庫書下ろしです。
三田さん私の好きな作家なので何回も書いてます。
1番詳しいのここ↓です。
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20051011
科学史って面白いですね。
三田さん、宗教・哲学・科学・勿論文学の造詣深いので、
文学作品も含めてこういったこと書いた本わかりやすくてお薦めです。
この本は、章ごとに、
アルキメデス
ガリレオ・ガリレイ
ブレーズ・パスカル
アイザック・ニュートン
ルイジ・ガルバーニ
ヘンリー・キャベンディッシュ
マイケル・ファラデー
ウィリアム・ハーシェル
アメディオ・アボガド
ドミトリー・メンデレーエフ
グレゴール・メンデル
ジェームズ・マクスウェル
アルバート・アインシュタイン
について書かれています。
ここに出てきた方々私は全員の名前知りませんでした。
全部ご存知の方は科学通ですね。
それともこのくらい知っているの常識で、
全員知らない私が非常識なのでしょうか?
章の中に別の科学者の業績も関連して出てきます。
ジェームズ・マクスウェルの章では、
エントロピーの法則」の、ルドルフ・クラウジスさんも出てきます。
日本人も湯川秀樹さんアメディオ・アボガドさんのところで出てきます。


三田さんが書いた他の本にも出てくる、
ヘンリー・キャベンディッシュさん(1731〜1810)のことだけ少し書いてみます。
この方、

水素の発見を含む初期の研究を学会に発表しただけで、その後の研究成果は、自分のノートに記すにとどめ、どこにも発表しなかったのである。

という方で、水素の発見者として名が残されています。
この方、人間嫌いで職業に一切就かず、自分の知的好奇心を満たすために研究・思考・実験を家で行って、満足していたわけですね。
今で言う引きこもりに近い状態かもしれません。
父親が公爵で広大な領地があり食べる心配は無かったそうです。

生涯の大半を、邸宅の中にある研究室にひたすら閉じこもってすごした。執事や料理人との会話も拒み、用があれば部屋の入り口にメモを残した。女の召使はとくに用心して、けっして顔を合わせないようにした。階段や出入り口も別にしていたが、何かの拍子に顔を合わせてしまった召使は、ただちに解雇された。

なんかすごいですね。
キャベンディッシュさん78歳で亡くなるまで1人で研究してノートに記入していたわけです。
死後約100年後、上にも書いたジェームズ・マックスウェルさんが遺族から寄付を受けます。
その寄付金でキャベンディッシュ研究所を設立するのですが、そのときに膨大なノートも発見されます。

キャベンディッシュは静電気に興味をもって、さまざまな実験を重ねていた。そこにはクーロンよりも10年以上前に、静電気の負荷を測定していたことが記されていた。それだけではなく、その後の20年から30年の間に発見された静電気に関する実験結果のほぼすべてをキャベンディッシュはただ1人で確認し、ひっそりと、誰にも読まれることの無いノートに記入していたのだ。
 もしもその研究成果をキャベンディッシュが公表していたら、電磁気学の進歩が数十年は早まったのではないかとマックスウェルは考えた。

自分の知的好奇心に任せてやった研究が、世界の最先端だった。
でもそんなことはどうでも良くて、ただ知りたくて研究しているわけですね。
成果が出たときは研究室で1人ガッツポーズなんかやっていたのでしょうか?
ここまではノートが発見されたときにはもう時代も追いついていました。
死後100年近くたって発見されたノートですからね。
でもこの時点でも発見されていない事実にキャベンディッシュさんは気付いていました。

キャベンディッシュは窒素の中に少しずつ酸素を加えながら、電気火花を飛ばした。窒素化合物はアルカリ溶液に溶ける。この実験を続けると、窒素は次第に小さくなっていくのだが、最後に空気中の1パーセントに満たない小さな気泡が残り、この気体はいかなる化学反応も起さない不活性なものである。キャベンディッシュのノートにはそのようなことが書かれていた。

この気泡に中から、ラムゼーさんとレーリーさんによって「アルゴン」発見されます。
アルゴンは、その後白熱電球で使用されています。
この発見にはキャベンディッシュさんの時代にはまだ無かった、
グスタフ・キルヒホッフさんが発明した分光器の力を借りています。
さらにこの気泡の中から、
「ネオン」「クリプトン」「キセノン」も発見されます。
なんかキャベンディッシュさん、とてつもなくすごいですね。


本の受け売りだけではナンなので私も調べてみました。
キャベンディッシュさん人類の科学の進歩にはあまり貢献していませんが、
キャベンディッシュ研究所すごいことになっています。
なんとこの研究所ノーベル賞受賞者を31人も出しています。
詳しくはこちら↓どうぞ。
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/yowa/cavendish.htm