本名

平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストの攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法


これ本名です。
、。一切無しで、計122文字です。
現行法では最も長いそうです。
この本名になるまで9月25日の最初の名前から10月2日のこの最終案になるまで8日の間に5回名前変わっています。
この記事9月16日朝日・朝刊社会面(手元の新聞で32面上に出てました)

最初の名前は、

二千一年九月十一日のアメリカ合衆国におけるテロ攻撃に関連して措置をとるアメリカ合衆国の軍隊等の活動に関する支援措置に関する特別措置法


この文章なんだかもうおわかりですね。
1番略して言われる時、
「テロ特措法」
といわれる、今話題の法律です。
最初の名前だと「アメリカの活動を支援するため」とその目的がはっきり示されていますね。
その後、この支援がアメリカという1国のためではなく、
国際連合憲章
という、意味は少し違うかもしれませんが、
徳川幕府倒す時の薩長が掲げた「錦の御旗」みたいな大義名分を見つけて正当性を醸し出しています。
日本人は実際何をしているかより、こういった肩書きに弱いのかもしれません。
「人道的措置」
これも必要と思えますが、これは見方が一方的ですね。
人道的措置の名の元に日本が援助した油を積んだ艦隊が、テロリストと関係のない一般住民に被害を与えている可能性は誰も否定すること出来ないはずです。
それを「人道的措置」といってしまうのはこの法案の聞こえを良くするための、
かなりキツイ言葉ですが、はっきり言ってしまうと「嘘」とも言えるのではないでしょうか?


この記事、署名付きで谷津憲朗さんという記者さんがかいたものです。
情報公開法を使って調査したものですが、
この発想できれば、誰でも書ける記事ですが、
この発想がなかなか出来ないですね。
政府側の、どのようにしたら少しでも国民の聞こえが良くなるか?という意図によって、
どのように法案の文章に手が加えられていくか、
5案全て並んでいるので良くわかる記事でした。
でも苦労して作った、この正式名1度でも見たことある人ほとんどいなさそうです。