原子への不思議な旅

昨日大回り中読んでいました。
三田誠広さんの「原子への不思議な旅」

217〜218Pにかけて引用します。

 現在の大学には、電気工学、エレクトロニクス、応用物理、応用科学などの学科が設けられ、生活を便利にする研究が続けられている。だが、私はそのようなことには興味がない。生活が多少便利になることよりも、もっと重大な問題がある。
 宇宙とはなにか。自然とはなにか。そして、その宇宙や自然の中に存在している私たち人間とはなにか。これらの問題に思いをはせることが、人間が生きている事の証ではないかと私は考えている。快適さを求めるだけなら、犬や猫だって、クーラーの吹きだし口や電気カーペットの存在を認識している。哲学や形而上学を求めるからこそ、人間は人間として生きることができるのだ。

三田さん「なんやかんや」にもよく書いていますが、私の好きな作家の1人です。
芥川賞受賞作のタイトル「僕って何」でした。
そういう全ての存在に対する疑問、その本質を見極めようとする姿勢がある方なのですね。
文系とか、理系とか、そんな事は関係ないのです。
三田さん、哲学、宗教、科学、に関する著作も多いのですが、そういう探求をしていくと、様々なジャンルとか分野に拘束されることがなくなってしまうのでしょうね。
そして、探求のために、それらを理解していく。
本来の勉強はこうあるべきではないか。
そんな気がします。


この本は、紀元前から、現代まで科学者たちが努力や工夫を重ねて原子というものを探求して行ったかその様子が書かれていました。
三田さんの科学の本文系の方にもお薦めです。

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