差し戻しと再審

昨日の朝刊1面トップに「名張ぶどう酒事件」の記事出てました。
asahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/national/update/0407/TKY201004060541.html
http://www.asahi.com/national/update/0407/TKY201004060541.html

農薬使ったのか、ぬぐえぬ疑問 毒ブドウ酒事件差し戻し(1/2ページ)

2010年4月7日5時0分


 名張毒ブドウ酒事件で最高裁が再審すべきかどうかの判断を差し戻したのは、奥西死刑囚が「使った」と自白したとされる農薬が本当に使われたのか、疑問がぬぐえなかったからだ。

 ■鑑定の内容は

 1961年の捜査側鑑定では、農薬「ニッカリンT」を混ぜて事件のブドウ酒を再現したもの〈1〉と、実際に犯行現場に残されたブドウ酒〈2〉を分析。三つの成分(A、B、C)を比較したところ、〈1〉ではすべて検出されたのに、〈2〉ではBだけが検出されなかった。このBがニッカリンTに必ず含まれる「トリエチルピロホスフェート」と判明。鑑定機関は水分との反応(加水分解)で別物質に変化したため、検出されなかったとの見解を示した。

 ■対立した主張

 この結果について検察側は、〈1〉でさえBの反応は「薄く、小さい」と報告されており、混入量が少なかった〈2〉ではなおさら、濃度が低くて検出できなかったなどと主張。事件で使われた毒物がニッカリンTだった事実と矛盾しないとした。再審開始を取り消した名古屋高裁の決定も検察側の主張に沿って、「鑑定方法によっては、ニッカリンTが含まれていたのに検出できなかったと考えることも十分に可能」と結論づけた。

 これに対し、弁護側は事件当時流通していたニッカリンTを農薬廃棄業者から独自に入手し、2004年に再現実験をした。ブドウ酒とほぼ同じアルコール濃度にした溶液にニッカリンTを混ぜ、まず事件時の想定〈1〉に近い状態で分析。さらに鑑定時〈2〉に近い状態になるよう、2日後にも分析した。

 その結果、事件時に近い状態ではBとCの濃度はほぼ同じで、Bの反応が薄く小さかった〈1〉の結果が説明できなかった。鑑定時に近い状態でも、Bだけが検出できないほどには、A、Cとは量の差はなく、「ニッカリンTを混入して、Bが検出されないはずはない」と指摘した。

続きです。

農薬使ったのか、ぬぐえぬ疑問 毒ブドウ酒事件差し戻し(2/2ページ)

2010年4月7日5時0分


 ■疑問解消の道は

 結局、弁護側が指摘した矛盾点について納得できるデータを検察側が示せなかったため、最高裁は疑問点を解消できなかった。そのため、こうした状況のまま再審開始を取り消した名古屋高裁の決定については「科学的な知見に基づく検討をしたとはいえず、事実は解明されていない」と判断。弁護団が当時のニッカリンTを持っていることから、それを使って事件当時の状況を再現して再鑑定することが必要だと指摘した。

 とりわけ田原睦夫裁判官は補足意見で「それほど複雑とは思われない化学反応についての見解が、学者によって真っ向から対立することは理解に苦しむ」として、当事者同士に法廷で議論させることも含めて証拠調べで究明するよう求めた。

この記事の、社会面に出ていた識者コメント、皆さんなかなか厳しい内容。
法律用語は難しい。(^_^;)
そうなんですよね、有罪なの怪しいけど、
再審ではない。
差し戻しなのです。
ココ肝心。
私も法律用語詳しくないので、この違い認識していませんでした。
両方調べました。
再審 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E5%AF%A9
ウィキペディアすごい、もう反映されています。
解説の下部に、

再審開始決定をするも検察の異議申し立てで再審開始が取り消された事件

1961 年 - 名張毒ぶどう酒事件:発生から44年目の2005年に地裁が再審開始決定するも、2006年12月に高裁は再審請求を棄却し、申立人が最高裁判所に特別抗告し2010年4月最高裁は高裁に審理差し戻し。

この事件1度再審になっていたのですね。
差し戻しはウィキペデァで見つけられませんでした。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%B7%AE%E6%88%BB%E3%81%97/
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%B7%AE%E6%88%BB%E3%81%97/
差し戻し、そこから先に行くのに時間かかりそう。
奥西さん84歳、
かなりのご高齢、
冤罪なら、早く自由にしてあげないといけません。
このまま亡くなってしまったのではあまりにむごい。
国家の過ちは個人の人生なんて踏みにじられてしまいますね。
最新の科学技術をフルに使って、一日も早い結審を!