今年の秋もお米はたぶん大丈夫(その後)

2011-04-09 今年の秋もお米はたぶん大丈夫 - なんやかんや
のその後です。
今朝の朝日・朝刊(手元の新聞で5面)の以下の見出し。

コメ生産目標 未達確実
 今年度県間調整追いつかず

asahi.comでこの記事うまく見つけられませんでした。
一部引用します。

 農林水産省20日、今年度産米の全国の生産数量目標(795万トン)の達成が難しくなったことを明らかにした。

「宮城・福島が、割り当てを他県にまわしてね」って言ってきた分を他県が十分に引き受けられなかった。
という事です。
両県からまわす分が4万5600トン。他県から引き受けがあった分が3万トン前後だそうです。

田植えを控え、営農計画を見直すのが難しかったことが響いた。

この記事の部分、農林水産省の言い分をそのまま記事にしていますね。
農林水産省は、県に対して、
「引き受けてくれるところ」
って手を上げさせて、それを集計して、もっともらしい理由もあるので、その理由をつけて会見。
朝日もそのまま書いただけ。
他社も似たり寄ったりでしょう。
結論部分も、会見をそのままです。

ただ、未達分が全国目標のごく一部にとどまるほか、政府保有の備蓄米約100万トンや民間在庫もあることから、農水省は当面、コメ不足に陥る心配はないと説明している。

当面の心配は今は誰もしていないですよね。たぶん。
この秋の収穫の後を心配しているわけで、
たぶん農林水産省はそれも、心配していないコメントです。
その通りだと私も思います。
この記事見ていて、あくまでも、農林水産省がコメの管理手放さない感じが気になりました。
今のやりかた、農水省から、都道府県へのトップダウンでしかないですね。
現状だと、こんな結論でしょう。
たとえば、
「この秋も、十分なコメの在庫は確保できるのですが、消費者が不安になって無駄な買占めに走らないように、今年は生産調整をやめます、各農家の方たちは事後申告でもかまわないので、可能な範囲で作付面積を増やしてください」
これで、当初の予定は軽く超えられると思うのですが、素人考えでしょうか。
今回は、作付けまで時間がないのでボトムアップがベストだと思います。
これを書くために検索していたら、こんな記事発見しました。
http://www.asahi.com/food/news/TKY201011290505.html

来年のコメ生産目標2.2%減 過去最大の削減率
2010年11月29日23時1分


 農林水産省は29日、来年のコメの生産目標を今年の目標(813万トン)よりも18万トン少ない2.2%減の795万トンとする計画を決めた。減反を生産数量で示すようになった2004年以降、過去最大の削減率で、800万トンを下回るのは初めて。

 これまで削減率が最大だったのは06年の2.1%。消費不振や過剰作付けの結果、米価は急落。減反強化は米価の下支えが狙いだが、生産数量はピークだった1967、68年の実績(1445万トン)の半分強の水準まで落ち込む。

 民主党政権が今年度から始めた戸別所得補償は、減反への参加を支給の条件としており、減反に協力するかどうかは個々の農家が判断する。

 ただ、所得補償制度はもともと、価格は市場に任せ、農家の所得が減った分を補償する考え方だ。民主党も00年代前半までは、所得補償導入と引き換えに減反廃止を掲げていた。農水省は今回、減反を強化し、コメの価格維持に努める一方、所得補償も拡大する方針で、政策の理念はいっそうあいまいになってきた。

年号確認すると、この来年は今年の事です。
コメは十分に作れますね。
さらに、こんな記事も。

http://www.asahi.com/politics/update/0303/TKY201103030395.html?ref=reca

減反廃止、農水省側も検討認める
2011年3月3日19時39分


. 筒井信隆農林水産副大臣は3日の記者会見で、コメの減反の段階的廃止について「米価急落という混乱が起こらない形での生産調整(減反)廃止という可能性はある。そういうソフトランディング(軟着陸)を考えている」と述べ、政府としても減反廃止を検討していることを明らかにした。

 減反の段階的廃止は、民主党がまとめた農業改革の素案に明記。農水省側も足並みをそろえた。

 筒井氏は「何の対策もとらずに減反を廃止すれば、米価急落という大混乱が起きる」と指摘。減反廃止の前提条件として、奨励金によって主食用のコメから、パン原料や家畜のエサ用のコメへと生産シフトを進め、供給過剰による主食米の価格下落が生じないようにすることを挙げた。

 一方、農家の規模を問わずにお金を配っている現行の戸別所得補償制度の見直しに関しては、筒井氏は「耕作面積で補償対象を限定し、大規模農家だけに集中することは将来的にもあり得ない」と否定した。内閣府が中心になって作成し、2月25日に官邸であった「食と農林漁業の再生実現会議」に出された改革素案には戸別所得補償の「選択と集中」が盛り込まれたが、政府内の意思統一ができていないため、公表されていない。

地震の前に、減反段階的な廃止検討していたようです。
だったら、今回からできないものか。
そう思います。
コメの価格急落を防ぐ。
そんな問題もありますが、

減反を強化し、コメの価格維持に努める一方、所得補償も拡大する方針で、

もっと上手な税金の使い方、見つけられると思います。


「今年の秋もお米はたぶん大丈夫」
このタイトル不安にさせる、今回の農水省の会見です。
政府も、報道機関もう少しこの問題、追及してもいいと思います。
買占めに走る消費者も悪いのですが、行政の柔軟性の欠けた、硬直した対応は、改善されるべきですね。
それでも、私以上に、関係者は「今年の秋もお米はたぶん大丈夫」と思っているのでしょう。
事実を知りつつ、冷静な対応を私たちもしましょう。


地震の後、できるだけ穏やかなものを、って思っていたのですが、今日のは少し違うかな。





#後述
この部分を書いているのは、2011年8月5日です。
これを最初書いたときは、作付けできない部分があって米の量は大丈夫なのだろうか?
という話でした。
よっぽどの不作でもない限り、量的には大丈夫そうです。
そこでこのタイトルつけたのですが、
この後、汚染されたわらを食べた牛が放射能で汚染された状態で出荷された事問題になりました。
今、これから収穫されるお米の放射能による汚染がどの程度なのか?
という事で、不安感が漂っています。
放射能汚染これを書いたとき、ここまでとは私予測する事できていませんでした。
これから、米の収穫の季節。
収穫時の量は確保できても、汚染で流通量が確保できるのか?
心配です。
今年の収穫前のこの時期、事故前に収穫した去年のお米の需要が伸びているそうです。