世界標準のその先

今日の朝日・朝刊経済面(手元の新聞で9面)に、

グーグルも「おサイフケータイ

のメインの見出し。
もう1つの見出しに、

米国で今夏開始 新規格で

これ、日本の携帯が最先端のはずなのに、新規格。
asahi.comで関連記事引用します。
http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY201105270565.html
http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY201105270565.html

米でもおサイフケータイ グーグルが今夏サービス開始2011年5月27日


 米インターネット検索最大手のグーグルは26日、携帯電話をかざすだけで決済できるサービス「グーグル・ウォレット」を今夏に米国で始める、と発表した。日本で普及している「おサイフケータイ」と同様のサービスで、米国でも普及するか注目される。

 同社の基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載し、非接触のICチップを組み込んだスマートフォン(多機能携帯電話)で使えるようになる。米金融大手シティグループ、カード大手マスターカードなどと提携した。まずは韓国サムスン電子製のスマートフォン1機種で対応する。

 携帯電話を使った決済サービスは、ソニーが開発した近距離無線規格「フェリカ」を使った「おサイフケータイ」が普及した日本が大きく先行している。

ここに書かれていない新聞記事追加引用します。

一方グーグルが採用したのは別の国際規格「NFC」近くアップルも「iPhone(アイフォーン)」にNFCを搭載するとみられる。米2社の決済サービスが世界標準になるのは確実視されており、NTTドコモなどはNFCへの対応を急いでいる。

新聞に書かれていた事重要でしょ。

ソニーが開発した近距離無線規格「フェリカ」を使った「おサイフケータイ」が普及した日本が大きく先行している。

大きく先行していても、世界標準を押さえないと、市場が小っちゃくなっちゃうよ。
ガラパゴス
この開き直った命名秀逸だとは思いますが、世界標準を押さえたほうが良いに決まっています。
新聞には「NFC」の詳しい説明出ていません。
調べました。
NFC(Near Field Communication)とは - IT用語辞典
http://e-words.jp/w/NFC.html

NFC 【Near Field Communication】
読み :エヌエフシー   分野 :近距離無線通信 / 携帯情報端末

ソニーPhilips社が開発した、短距離無線通信規格。2003年12月にISO/IEC IS 18092として国際標準となった。

13.56MHzの電波を使い、10cm程度のごく近距離で100〜400kbpsの双方向通信が可能。もともと、非接触ICカードとして広く普及しているソニーの「FeliCa」や、Philips社の「Mifare」で使われていた通信方式である。

国際標準となったことで、今後はICカードだけでなく、オーディオ機器など一般消費者向けエレクトロニクス製品に普及する可能性がある。

Bluetooth無線LANなどとは通信速度や通信可能距離が違うため、適用分野が異なり、これらとは競合するよりも補完しあう関係になると見られている。

ソニー関係者だったのですね。
引用はしませんが、ほんとこの技術便利そう。
http://www.nfc-world.com/about/index.html
http://www.nfc-world.com/about/index.html

フェリカ
も調べました。
FeliCa(フェリカ)とは - IT用語辞典
http://e-words.jp/w/FeliCa.html

FeliCa
読み :フェリカ分野 :電子決済 / ユビキタス / 近距離無線通信 / 携帯情報端末
ソニーが開発した非接触ICカード技術。

不揮発メモリと無線通信チップを内蔵した樹脂製のカードで、読み取り端末にかざすだけで料金の精算などのデータのやり取りができる。偽造・変造がしにくいようセキュリティ機構も備えており、非接触ICカードとしては世界ではじめてISO/IEC 15408 EAL4標準の認証を受けている。

FeliCaでは一枚のカードで複数種類のデータを管理することができるため、電子マネーや公共交通機関プリペイドカード、社員証、学生証、入退室管理のIDカードなどの機能を併せ持ったカードを作ることができる。これらのデータはFeliCaチップの中で独立して管理されており、個別のアクセス権を設定することが可能で、複数のサービス間で安全な相互運用が可能となっている。

FeliCaカード内の電子回路は、読み取り器から発信される電波で電力を受け取って駆動する方式になっている。カード内には電池やバッテリーなどの電源を持たないため、カードの構造が簡素になり、電池切れで使えないといった事態も防いでいる。

カードと読み取り器の間は13.56MHzの電波で通信し、10cm程度のごく近距離で100〜400kbpsの双方向通信が可能となっている。この通信仕様「NFC」は2003年12月にISO/IEC IS 18092として国際標準化されており、ICカードだけでなく一般消費者向けエレクトロニクス製品全体に普及する可能性がある。

FeliCaはすでに、JR東日本プリペイドICカードSuica」や、ビットワレット電子マネーEdy」などで採用されている。香港では公共交通の共通ICカードオクトパスカード」として1200万枚以上が使われている。また、ソニーNTTドコモと新会社を設立し、携帯電話にFeliCa機能を内蔵する計画を推進しており、携帯電話が切符や財布の代わりとして使えるようになるという。


調べていたら、こんなの見付けました。
NFCが重要な理由(日本の地下鉄に乗ったことがあれば分かる) | TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/archives/20110125so-why-should-you-care-about-nfc/
リンク先から最後の部分だけ引用します。

しかし一般的な支払い手段としてはどうか? これは本格的に検討する価値のある分野だ。たとえば、こうだ。

「一般商品とサービスの購入にアメリカは年間$6.2T(6.2兆ドル)を費やしている。Appleの最終的な目標はこの分野でのシェアを確立することだ」とCroneは述べた。現在、AppleはユーザーがiTunesで何かを購入するごとにクレジットカード会社に決済手数料を支払っている。もし消費者によりコストの低い支払手段を利用させることに成功するなら(たとえばPayPalですでに利用されているような銀行口座からのオンライン直接引き落とし)、AppleApple製品を販売している小売業者は大きな利益を得る。

すでにQualcommはこの動きで先頭を走っている。やがて消費者の主要な支払い手段はクレジットカードからPaypal的なNFCバイスによる銀行口座から直接決済に移行するだろう。技術的には準備は整っている。ではなぜまだ実現していないのか? 最大のボトルネックは、店舗に据え付けられているクレジットカード端末の数が膨大なことだ。全米のクレジットカード・ネットワークをNFCに一斉にアップデートするとなれば巨額の費用がかかる。しかし、現在でも、CitibankのBlinkデビットカードをサポートするシステムは将来NFCもサポートできる仕様となっているとされる。これは注目すべき動きだ。

だから最後に、読者にはこれに注目しておくことを強くお勧めする。NFCは一般に考えてられているより早く普及すると私は考えている。来年にはNFCは一般に取り上げられる話題となり。2015年までにはアメリカで広く利用されるようになると思う。ただのプラスチックのクレジットカードは歴史のゴミ捨て場行きだ。その嬉しい転換の日が来るのに備えて、AppleGoogleはそこから利益を上げる準備を着々と整えている。

ただの通信技術としての観点ではないのですね、クレジットカードのシェアも奪おうとしている。
採用したのが世界標準になって、しかも、もっと先の大きな利益を見ているなんて、
AppleGoogleすごいや。
他人のフンドシで相撲をとっても、とにかく強い。
中にいる人間の発想が凄いのでしょうね。
日本の企業も、技術提供だけでなく、その先の大きなものを見て獲得していって欲しいです。