小林篤さんの「see you again 」読みました
この作品9月20日の朝日書評欄でノンフィクションライターの安田浩一さんが紹介していました。
924Pあります。
事前にページ数は知っていたのですが、手に取ったらなんと2段組み、しかも講談社の月刊誌「現代」連載分は3段組み。
しかし小林さんの文章ものすごく読みやすい。
日によって読書時間はだいぶ差がありましたが、6日で読み切ることできました。
小林さん書くのに30年以上かかっているので申しわけない気もします。
本の内容なのですが、ウイキペディア引用します。
この事件を元に書かれたフィクションです。
ノンフィクションとして出版しなかった理由も書かれています。
フィクションという事で、この作品初版が2025年6月2日なので今度の直木賞候補になってほしいと思います。
ここに並べるとだいぶ内容は違うのですが、実際にあったことをフィクションにしたという事で、「復讐するは我にあり」直木賞受賞してます。
私が過去に読んだ本の中で1位にしても良いように思っています。
一か所だけ引用します。
804P下段に自殺した清人さんの兄伸人さんと作者の小林さんとの会話部分あります。
伸人さんの会話の一部引用します。
相談できる子は、お父さんじゃなくったって確かに相談してますよ。誰にも言えない子が死ぬんです。
ほんとにそうだと思います。
私のいじめ体験思い出すと、小学校の時にクラスの女子でいじめられている子がいました。
いじめる側にはなっていなかったと思うのですが、彼女がどう思っていたかはわかりません。
この作品読んでいると、同級生が自殺することで、クラスの生徒・学校・いじめた側の本人親・当然自殺した子供のご家族他、ものすごい範囲に影響が及ぶことがわかります。
私のクラスの女子が生きていてくれたことに感謝してしましまました。
小林さんものすごく丁寧に当事者と人間関係を作って取材しています。
無理をしていないので、いじめた側・クラス担任の先生の面談はあまりされていません。
それでも事件から14年間は取材を続けています。
引用はしませんが、871Pの事実は私も衝撃を受けました。
取材は終わってもさらに本にするのに17年程度掛かっています。
内容濃いです。
中学生で喫煙・飲酒、生徒同士だけでなく、先生・生徒・親その間での暴力も書かれています。
これから教師になる人・と言わず各学校に1冊は置いて欲しい。
学校と家庭だけではいじめに対処するのは難しい、それこそ社会全体で対処する必要も感じます。
という事で、
読める人は是非読んで欲しい。
あと講談社の編集者の人も作品中に出てきますが、小林さんが脱稿するの気長に待ってこの作品を私に読ませてくれたこと感謝です。
小林さん1作にこんなに時間かけるから、この作品が2作目のようです。
この作品の中にも出てきますが、1作目(2001年発行です)も読もうと思います。
もう70歳にはなっていらしゃるのですが、小林さんの次作期待しています。

