政治少年死す(セヴンティーン第二部・完)

「政治少年死す」この小説は大江健三郎さんが、

性的人間 (新潮文庫)

性的人間 (新潮文庫)

の中に収録されている、
セヴンティ−ンの続編として、
1961年「文學界」の2月号に発表しました。


内容は、昨日書いた、
右翼少年の社会党浅沼委員長刺殺事件を元に、
少年の視線で書かれています。


この小説も天皇についての記述があり、
やはり右翼の人たちが問題にしました。
大江さんも命を狙われ、
版元の文藝春秋社は、結局謝罪しているようです。
「風流夢譚」の事件からもう少しで1年、
というタイミングでしたので、
やはり、毅然とした態度
というのは難しかったのかもしれません。


結果「セブンティーン」は読むこと可能ですが、
続編の「政治少年死す」を正当な方法で読もうとすると、
かなり大きな図書館に行って、
(普通の市町村レベルだと「文学界」のバックナンバー無いと思います)
閲覧の申し込みに、
「文学界」1961年2月号
と書けば見ること出来ます。
やはりコピーもさせてくれます。
掲載ページは8P〜47Pです。
この2月号の巻頭小説になりますね。
大江さんは1958年に23歳で芥川賞を受賞しているので、
新進気鋭の若手作家の新作という扱いになっているようです。
残念なことに未だに出版はされていません。
ノーベル賞まで受賞している大江さんにとって、
のどに刺さった骨のような存在といえますね。
多分今までも色々なところで大江さん言われているかも知れません。
逆に遠慮して言われなくなっているのかもしれませんね。
大江さんがこの作品を、このままにしておくのか、
それとも何かお考えがあるのか、
大江さんにとって良い形になればいいと思います。


私は、生まれて初めて受けた情報処理試験初級シスアド
(このときは合格だったんだけどな)
の帰りに、
横浜市西区紅葉ケ丘9−2 の【神奈川県立図書館】
でコピーさせてもらいました。


順番的にはこの後に「パルチザン伝説」
のブログ書いた方が、
パルチザン伝説」が正式な形で出されたことに、
どのような意味があるか良くわかりましたね。
(でも試験が終わったらまず書きたかったもので)
しつこいようですが、
自分の意思とは関係なく、
覆面作家にならざるおえなかったこと、
新人作家が背負った重さよくわかりますね。
それだけで書いているわけではありませんよ、
どうしても「パルチザン伝説」の作者という意識は働いてしまいますが、
残された作品全て気に入っています。
こういう意識は出版界にもあると思います。
講談社文芸文庫」に収録されたわけですから。
この文庫は、版が無くなりそうだけど、
残したい本を、印刷部数は少なくても出すという姿勢があると思います。
だから値段高いです。
「未葬の時」も294Pしかないのに1300円もします。
でもこの文庫じゃないと買えない本結構あります、


ここまでの、3日間のブログであえて書かなかったことを書きます。
実は、「パルチザン伝説」「風流夢譚」「政治少年死す」
明らかに著作権違反ですがネット上で読むことできます。
ついでに書くと、沼正三さんの「家畜人ヤプー
もいれて4作品読めるサイト見つけてしまいました。
パルチザン伝説」「家畜人ヤプー
は出版されてますけどね。
興味のある方は、アドレス載せませんが探してみてください。

私がアドレス載せないのは理由があります。
1、やっぱりネットに載せることは違法行為ですので、加担したくないです。
2、紹介して、多くの人の目に留まるようになると、サイトが閉鎖されてしまう可能性あり  ますよね、関心を持っている人が読めるようにそっとしておきたい。
以上2つの理由です。