疑わしきは被告人の利益に

昨日朝日新聞・朝刊トップ記事の見出しです。

裁判官目立つ市民誘導
証言信用性白黒迫る


模擬裁判課題に浮上

この朝日の記事、裁判員制度導入前に全国30の地裁で非公開で行われてた模擬裁判のうち、
さいたま地裁で実行されたものを元に書かれています。
記事中に

裁判長は「被告が被害者を殴ったという事実が認定できるというのが多数の意見ということでよろしいですか」と、この論点についてまとめに入った。

とあります。
この前の部分も引用した方が公正なのですが、
私には記事を読んでいて、どこにもそういうことが書かれているわけではないですが、
裁判長は一貫して被告に不利(有罪)になるように話しているように感じました。


模擬裁判の事例ということなので、最初から有罪ということ決まっていたのかもしれませんし、
模擬裁判ということで、裁判官さんも気合が入らず早く終わらせたかったのかもしれません。
でも裁判員さんたちは、普通の人なので、裁判官に誘導されたのではそっちになびいてしまいますね。
模擬裁判で選ばれた人たち、本番に近いくらいの一般人で選んでいるのでしょうか?
模擬裁判ですので、一般の方より意識の高い方が選ばれていそうな気がします。
実際参加された裁判員お2人、名入でコメント出ています。
そのうち元高校教師(64歳)の方はコメントの中に以下↓の発言ありました。

裁判員に納得させよう」ではなく、評決が自分たちと同じになるように、というのが見え見えに感じた。

裁判員に納得させよう」という事でも問題あるように思います。
さっきも書きましたが、素人は、専門家に誘導されたらなびいてしまいそうです。
「納得させよう」の姿勢からして誘導ですね。
裁判員が誘導して、裁判官誘導されるのでしょうか?
逆にプライドが高い人だと
「素人がなにを言ってんだい」と思わないのでしょうか?
ということだと、誘導は難しそうです。
本来は、一般の方の見識も入れて裁判をするための裁判員ですよね。
裁判官のかたは、見識があるだけでなく、
素直で、様々な意見を吸収できる人間としての、懐の深さも要求されていると思います。


罪について裁判員と裁判官が意見交換をすることは必要です。
その過程を誘導といわれても困るかもしれません。
意見をまとめていくのも大切でしょう。
でも「意見交換が→→→誘導になってしまっては困ります」
それぞれが自分の意見を出し合う、ブレーンストーミングみたいな感じが良さそうですね。
とにかく色々な意見を聞いて、各自が自分の信じることを元に、
有罪・無罪を決める。
これが理想のような気がします。
人を裁く難しいことですね。
今のこういう流れを見ていると、冤罪を生んでしまいそうですね。