長銀問題

昨日の朝日・1面トップ、

長銀頭取ら逆転無罪
最高裁決算「違法でない」


刑事責任科せずに幕
「国策操作」での追及限界

の見出し出ています。


最初この記事読んだ時、何で無罪なの??
そんな疑問ありました。


この記事、
さらに2面時時刻刻
社会面にも関連記事出ています。
実は社説もこの件書かれています。
社説の方asahi.comから全文引用しておきます。
社説:朝日新聞デジタル


長銀事件無罪―では本当の責任は誰に 


10年前に破綻(はたん)した日本長期信用銀行の決算に大きな問題はあったが、罪にまでは問えない、ということか。頭取ら当時の首脳陣3人に対する粉飾決算事件について、最高裁の下した判決は逆転無罪だった。

 破綻直前の決算は、旧大蔵省が前年出した新しい資産査定基準に従わず、処理すべき不良債権を約3100億円も新基準より少なく見積もって、配当まで出した。これが違法な粉飾決算に当たるかどうかが焦点だった。

 最高裁の判断は「新査定基準は当時の金融界には定着しておらず、そのようなあいまいな基準から逸脱したからといって、ただちに違法とはいえない」というものだ。

 破綻後に債務の穴埋めなどのため、7.8兆円もの公的資金がつぎ込まれた。それを受け、経営者の刑事上の責任を追及するための捜査だったが、最終的には空振りに終わった。

 刑事裁判とは別に、長銀の債権を引き継いだ整理回収機構は経営陣に損害賠償を求めたが、これについても最高裁は請求を退けた。

 これによって、長銀事件は司法の場ではすべて終わった。だが、刑事も民事も経営者が責任を問われなかったのは、ツケを負担した国民としてなんとも釈然としない。

 長銀の破綻は、バブルに踊って転落した日本の金融界を象徴する事件である。それを生んだ問題の構図は政官業にまたがっているが、政官のだれもバブルから金融破綻までの責任をとっていない。腹立たしいことだ。

 せめてその教訓をくみとり、今後に生かさなければなるまい。

 まず政治でいえば、問題先送りの体質である。92年に宮沢首相が銀行への公的支援に言及したものの、税金投入へ世論の猛反発を受けて封印してしまい、対策を手遅れにした。いま少子高齢化を支える財源確保が必要なのに、増税の議論を選挙対策で先送りしているのも、これと同根ではなかろうか。時代の転換点にあっては、痛みを伴う改革でも、国民を説得して断行するのが政治の使命のはずである。

 行政は、旧大蔵省から金融庁が分離独立し破綻処理制度が整備されて、形のうえでは様変わりした。ただし、サブプライム問題で揺れる米国を見れば明らかなように、巨大銀行に経営危機が起きたとき、果断に対策を打ち出すのは容易なことではない。バブルを生まない金融政策も大前提だ。

 そして業界。長銀の決算はじつは、経営危機を表面化させずに先送りしたい大蔵省の意向に沿ったものだった。要するに経営不在。業界のこのような「お上頼み」の性癖は今日も根強く、金融革新が遅々として進まない原因になっている。危機から10年、この意識からもう脱皮しなければならない。


ん〜。
さて、今回無罪になった方たち最終的な責任取る形になっていますが、
発端はこの方たちの上司の時代から始まっていますね、キット。
粉飾に手を染めて、罪に問われることなく、逃げ切った方たちがいるわけです。
長銀の旧の役員見ればそれが誰であるか?
はっきりわかります。
で、長銀がやっていたことと同じようなことをやっていながら、
何の罪にも問われなかった銀行もあるわけです。
これ長銀だけ罪に問うの確かに難しいですね。


で、もっと問題にすべきは、この社説にも書かれている、この↓分部。

長銀の破綻は、バブルに踊って転落した日本の金融界を象徴する事件である。それを生んだ問題の構図は政官業にまたがっているが、政官のだれもバブルから金融破綻までの責任をとっていない。腹立たしいことだ。

私もそう思う。
政治の問題は当たり前として、旧大蔵省の指導に問題あったはずですね。
そして大蔵省ってもうなくなってしまいました。
なくなったから、責任ないの??
納得できない。
これって、三権分立というこの国の守るべき基本。
つまり、行政と立法をきちんと司法が裁けなくて、民間(この裁判だと長銀)だけを裁こうとしたってことですね。
で何もできない。


どうします?
もうこの際、裁くということを諦めて、
バブルといわれたおかしな好景気と、その破綻を迎えたこの国で何がどのように作用して、どのようになっていったのか、
それに、政官及び民間の誰がどのように関与していったのか、
闇から闇ではなく、白日の元にさらして、今後のためにいかすことってできないものか?
そんなこと考えてしまいました。
銀行にしても証券にしても金融機関かなり変化しています。
逃げ切っているのは結局、政官。
ここを何とかするには、どうしたら良いのでしょうね?