核密約(その2)

2009-07-01 核密約 - なんやかんや
の続きです。
昨日朝日・朝刊1面トップです。
asahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/0709/TKY200907090429.html?ref=any
http://www.asahi.com/politics/update/0709/TKY200907090429.html?ref=any

核密約文書、外務省幹部が破棄指示 元政府高官ら証言(1/2ページ)2009年7月10日3時8分

 日米両国が、60年の日米安保条約改定時に、核兵器を搭載した米艦船の日本への寄港や領海通過を日本が容認することを秘密裏に合意した「核密約」をめぐり、01年ごろ、当時の外務省幹部が外務省内に保存されていた関連文書をすべて破棄するよう指示していたことが分かった。複数の元政府高官や元外務省幹部が匿名を条件に証言した。

 01年4月に情報公開法が施行されるのを前に省内の文書保管のあり方を見直した際、「存在しないはずの文書」が将来発覚する事態を恐れたと見られる。

 核密約については、すでに米側で公開された公文書などで存在が確認されている。日本政府は一貫して否定してきたが、80年代後半に外務事務次官を務めた村田良平氏が先月、朝日新聞に対して「前任者から事務用紙1枚による引き継ぎを受け、当時の外相に説明した」と話した。

 今回証言した元政府高官は密約の存在を認めた上で、破棄の対象とされた文書には、次官向けの引き継ぎ用の資料も含まれていたと語った。外相への説明の慣行は、01年に田中真紀子衆院議員が外相に就任したのを機に行われなくなったと見られるという。

 元政府高官は、文書が破棄された判断について「遠い昔の文書であり、表向きないと言ってきたものを後生大事に持っている意味がどこにあるのか」と説明した。別の元政府関係者は「関連文書が保管されていたのは北米局と条約局(現国際法局)と見られるが、情報公開法の施行直前にすべて処分されたと聞いている」と述べた。ライシャワー元駐日大使が81年に密約の存在を証言した際の日本政府の対応要領など、日本側にしかない歴史的文書も破棄された可能性が高いという。ただ、両氏とも焼却や裁断などの現場は確認しておらず、元政府関係者は「極秘に保管されている可能性は残っていると思う」とも指摘する。

2ページ目です。

核密約文書、外務省幹部が破棄指示 元政府高官ら証言(2/2ページ)2009年7月10日3時8分

 ある外務事務次官経験者は、密約の有無については確認を避けたが「いずれにしても今は密約を記した文書はどこにも残っていない。ないものは出せないということだ」と話す。密約の公開を訴える民主党が政権に就いても、関連文書を見つけられないとの言い分と見られる。

     ◇

 ■核持ち込みをめぐる日米間の密約 60年の日米安保条約改定時に、日本国内へ核兵器、中・長距離ミサイルを持ち込む場合などには、日米間の事前の協議が必要と定められた。しかし、核兵器を積んだ米艦船の寄港、航空機の領空の一時通過などの場合は、秘密合意によって事前協議が不要とされた。00年に見つかった米国務省の文書や、米国関係者の証言などで、秘密合意があったことが裏付けられている。

さて、本文で気付いたトコあります。

複数の元政府高官や元外務省幹部が匿名を条件に証言した。

そう、この記事朝日独自取材で、書いているようです。
昨日の朝刊、あらたにす。で確認すると。
読売1面トップは、

G14初の共同宣言、保護貿易の阻止鮮明に

日経1面トップは、

WTO交渉「2010年に妥結」 サミット拡大会合

どちらも、主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)の内容トップでした。
朝日も1面でサミット書いています。


ん?
私思いました。
核密約の記事、他紙見てみたい。
調べたら、産経一社引用するだけで良いかもしれません。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090706/plc0907060915006-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090706/plc0907060915006-n1.htm

【社説検証】日米核「密約」論議 (1/2ページ)
2009.7.6 09:08

■新たな脅威に対峙を 産経/うそをやめ説明せよ 朝・毎

 「現実には、特に冷戦の時期米国の艦船で核兵器を搭載したものが、日本の領海を無害航行権に基づいて通航し、また横須賀等へも立ち寄ったが、日本として検認の手段はなく、実は六○年の交渉時、寄港及び領海通過には事前協議は必要でないとの秘密の了解が日米間にあったのである」

 村田良平・元外務事務次官が昨年秋に出版した著書「村田良平回想録」(ミネルヴァ書房刊)で明かした、日米安全保障条約改定時の「日米密約」について、村田氏本人が最近、毎日、朝日などのインタビューに対し、「文書を前任者から引き継ぎ、後任に渡した」と証言した。衆院外交委員会で野党側が村田氏の参考人招致や証人喚問を求めるなど「密約」論議が再燃している。

 各紙の論調を紹介する前に、この問題に対する視座を確認しておきたい。

 日米間の当時の外交交渉における水面下の了解事項は冷戦時代の産物といえよう。すでに米国側の外交文書などによって存在も裏付けられている。それを今になって、この時期に追及することにはちょっと違和感をおぼえる。

 この問題について、政府は「密約は存在しない」(河村建夫官房長官)とこれまでと同様の見解を繰り返した。しかし、村田氏の証言通りとすれば、外務省が密約を組織的に管理していたことになる。毎日と朝日は第一に政府の「うそ」を厳しく批判した。

 「外交を預かる外務省の事務方トップが自らの体験を踏まえて証言したことは重い意味を持つ。政府は速やかに密約の存在を認め、事実関係を国民に明らかにすべきである」(毎日)

 「外務官僚のトップ経験者が認めたのである。政府はもはや『うそ』の上塗りをやめ、歴史の事実を国民の前に明らかにしてほしい」(朝日)

 両紙は「外交交渉の中には、すべてを国民に明らかにできないこともあるだろう」(朝日)などとしつつ、「日本の安全保障政策の根幹にかかわる問題をいつまでも隠し続けているのは外交に対する国民の信頼を得るうえで大きなマイナスである」(毎日)と断じている。

2ページ目です。


【社説検証】日米核「密約」論議 (2/2ページ)
2009.7.6 09:08
 産経の主張は率直である。第二次大戦後、日本が日米安保条約体制を通じた米国の「核の傘」に国家の安全を委ねてきたこと、冷戦時代には核抑止を確かなものにすると同時に核廃絶の理念を両立させる必要もあったことを挙げ、そうした当時の状況への理解なしに「同じ論議を重ねるのは不毛と言わざるを得ない」と指摘した。

 産経は次のように提言し、「密約」論議に一石を投じた。

 「日本にとっていま重要なことは、北朝鮮の核開発などの新たな脅威に向き合う日米安保体制や拡大抑止(核の傘)のあり方を超党派で論じることではないか」

 読売は毎日、朝日と同様、「密約」を否定するのは国益に沿わないとの見解だが、同時に「タブーにとらわれない核論議」を強調した。非核三原則にも踏み込み、「核兵器保有と製造の禁止を継続するのは妥当だとしても、『持ち込ませず』は、冷静に議論し直していい」と論じている。

 「村田氏の『密約』証言は、過去、現在、未来にわたり、日本が核とどう向き合うかを改めて考えさせる」(日経)

 その通りである。ただし、「国会の場でも、過去を蒸し返すよりも現代の緊急課題に即した(核)抑止論議を最優先してもらいたい」(産経)。

 「密約」否定の政府を追及するだけでは、問題の本質を把握できない。(鳥海美朗)

                   ◇

 ■核「密約」論議に関する各社の社説

 朝日・また崩れた政府の「うそ」      (6月30日)

 毎日・詭弁はもう通用しない        (6月30日)

 読売・政府は密約の存在を認めよ      (7月 1日)

 産経・問うべきは核の傘の信頼       (7月 3日)

 日経・冷戦史の断面映す村田氏の「密約」証言(7月 1日)

しっかり検証されてました。
産経さん、過去にこだわるよりも、今やるべきことをきちんと議論しましょうよ。
ってことですね。
ソリャ「今」何より大事です。
でもネ、過去をきちんと学習して、何が良くないのかきちんと検証しないと、また同じ事が繰り返されて進歩が無いと思うのです。
より良い未来のために、過去の過ちを正す事は必要だと思います。
嘘つきは許さないとは言いませんが、
嘘をつかないのがベストですが、嘘を突き通すのが良いとは言えませんね。
嘘を認める機会必要です。
体面とか抜きにして、そういう勇気は称えられる国や国民でありたいと思います。
そうしないと、不正が永遠に続く事になってしまいます。
朝日の記事の気になる部分再度引用します。

密約の公開を訴える民主党が政権に就いても、関連文書を見つけられないとの言い分と見られる。

エッ!
政権交代あっても、官僚組織は磐石で永久に守られるってことですか?
TBSで、日曜に「官僚たちの夏」始まって、
官僚の素晴らしさドラマになっています。
そういう官僚たちも、今は組織の中のしがらみから抜けようとせず、
むしろその既得権を守ってヌクヌクなんて事を考えているのでしょうか?
政権が変わるだけではなくて、行政も変わらないとね。
たしかに官僚さんたちも悪者扱いで可哀相な気がします。
キャリアと言われる方々は入省したときから、たった一人の事務次官への競争があって、
それ以外の方は、定年まで組織にいられない仕組みのようです。
エリートの中で選別がさらに行われる厳しい世界ですね。
とにかく、日本を代表する頭脳の集団です。
文書無くても、事実は何らかの形で報告して、将来に過ち無い様にして欲しいです。
埋蔵金だけではなくて、埋蔵文書もありそうな気がします。