企業減税

昨日の朝日・夕刊1面左中。

15兆円景気対策
米大統領が発表
「民間が回復エンジンに」

の見出し。
asahi.comから全文引用します。
http://www.asahi.com/international/update/0909/TKY201009090001.html?ref=any
http://www.asahi.com/international/update/0909/TKY201009090001.html?ref=any

オバマ米大統領、追加景気対策を発表 総額15兆円規模

2010年9月9日11時8分


 【ワシントン=尾形聡彦】オバマ米大統領は8日、米オハイオ州で演説し、米経済を下支えするための追加の景気対策を発表した。企業減税や公共事業の積み増しで、財源規模は今後10年間で1800億ドル(約15.1兆円)。減税などを通じて、企業の成長を支え、雇用創出を加速させる狙いだ。

 オバマ大統領は「民間部門が経済回復の主要なエンジンにならなければならない」と強調。企業減税を軸に景気対策を行う方針を示した。

 追加経済対策では、投資減税として2011年末まで、企業が設備投資をする際、1年目に100%課税所得から控除することを認める。減税を先取りする効果があるため、11年末までは「2千億ドル(約16.8兆円)の景気刺激になる」(米政府)という。最終的な財政負担額は300億ドル(約2.5兆円)になる見通しだ。

 また、企業の研究開発投資減税を拡大、恒久化し、10年で1千億ドル(約8.4兆円)規模の減税となる。道路建設や鉄道網の整備などで今後6年で少なくとも500億ドル(4.2兆円)以上の公共事業を積み増しし、早期の雇用創出を目指す方針だ。

 オバマ大統領は議会の協力を得て早期に追加景気対策を実現したい考えだ。ただ、高水準の失業率が続いていることで、野党共和党にはオバマ政権の経済政策への批判が根強く、曲折も予想される。


記事中に。

企業減税を軸に景気対策を行う方針を示した。

企業が競争力をつけること。
良いことだと思います。
国内の話になってしまいますが、
日本で企業減税の話が出ると、他国ではこんなに企業税が安いところがある。(例えば韓国は安いようです)そんな国と一緒に競争してやって行くのは大変。
だから日本も安くしないと、企業が海外で勝てない。
そんな感じの論理ですね。
で、思うのですが、日本より企業税、高い国でも立派に輸出して業績伸ばしている企業ありそうです。
そんな、海外の話しないでも、日本の企業だって、今まで十分海外で活躍していました。
国内の人件費が高い。
円高
今不利な理由あったとしても、昔だってそれなりにあったはず。
例えば、1ドル360円の固定相場から変動相場制にアメリカが一方的に言い出した時、輸出企業には大きなダメージだった。
それを乗り越えて世界に訴える魅力的な商品を生み出していた。
そういう強さがあった。
企業減税の話が出るとき、
日本の企業の競争力がなくなっていること実感します。

例えば、今電気製品で話題なの、3DTV。
でもこれそんなに目新しい技術でもないようですね。
そこに頼らないといけないくらい、
魅力的な商品生み出すの難しい時代に突入していると思います。
企業利益出さないといけません。
本筋は「魅力的な商品開発」なのだと思うのですが、
生産拠点を海外に移す。
日本で納税せず、海外で企業税を納める。
そういった工夫で持ちこたえている会社もありそうです。
そんな状況で企業減税してもどれだけの効果があるのか疑問です。


アメリカもオバマさん景気対策の軸に企業減税言い出しました。
これ、アメリカの企業もきついのですね。
企業からの突き上げもあったのでしょうか?
そうなると、各国企業減税の流れが出てきてしまうかもしれません。
他国と比べて競争力をつけること。
その事を考えての減税であるのなら、各国がやってしまったのでは、他国に比べて自国が有利。
この前提が成り立ちません。
企業減税しても、企業の業績も上がらず、雇用も増えない。
減税しても、企業の売り上げが伸びれば税収も増えますが、税収は増えず、減税した分減る。
楽であれば、甘えてしまう。
そう、保護の仕方を間違えると、企業の体力を奪うことになると思います。


エコカー減税
期間早めて終了になりました。
これ車売れました。
でも、買換えで乗れる車の廃棄が増えて問題になっています。
中古車市場も一杯になりますから、昔なら乗れた車も廃棄するしかないようです。
中古車輸出っていうのもありましたね。
アメリカの自動車メーカー日本車に市場奪われていた時、期間限定の安売りして売り上げ確保していました。
それが常態化し、他にも原因はあったのでしょうが、結局GM破綻まで行きましたね。
日本車の場合輸入車に市場を奪われている状況ではないですが、
エコカー減税による消費拡大は、ここで得た利益を自動車メーカーが将来への成長のために使うことなく、一息ついていたのであれば、
競争力を弱めるきっかけになる可能性あります。
家電製品(エコポイント)もそうですね。


#後述
エコカー減税ではなくて、エコカー補助金でした。
訂正します。
エコカー減税今、(2010年10月15日現在)継続中です。


車も家電も別の単語に言い換えると「補助金
これ、今も次々と交付されていますが、日本の農業の競争力をなくした元凶のように思います。
日本の輸出産業の花形、車と家電、がそうならないこと願うばかりです。


昨日の夕刊の1面のアメリカの景気対策記事の上にあった。

雇用促進税制「検討を」
首相が指示正規へ転換なら減税

これも同じ発想ですね。

asahi.comから全文引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY201009090215.html?ref=any
http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY201009090215.html?ref=any

雇用に熱心な企業「税で優遇」 首相、検討を指示

2010年9月9日12時33分


 菅直人首相は9日午前に開いた新成長戦略実現会議の初会合で、派遣などの非正規社員正規雇用に切り替えるなど雇用拡大に取り組んだ企業に対し、法人税減税を含む税制優遇措置をとることを検討するよう関係閣僚に指示した。政府税制調査会にプロジェクトチームを設置して雇用促進税制を検討、来年度の税制改正に盛り込む方針だ。

 菅首相は、6月にまとめた「新成長戦略」では時期を明示していなかった法人税減税について、来年度の税制改正で結論を出すことも明言した。企業の国際競争力強化と外資系企業の誘致促進のため、諸外国と比べ高い税率の引き下げをめざす。

 菅首相民主党代表選などで雇用問題を重視する姿勢を強調している。正規雇用の促進を経済成長戦略と絡め、税制面で促す狙いがある。初会合で首相は企業の税負担を軽減する対象として、正規雇用への切り替えのほか、育児支援や障害者の雇用に取り組んでいることを挙げた。

 低賃金で不安定な非正規社員は「働き手」の3人に1人に達している。政府は、すでにパートなどを正規雇用に切り替えた中小企業主らに奨励金を出す政策を進めている。新たに税制面での支援に踏み切り、正規雇用の増加につなげ、個人消費の拡大を促したい考えだ。

 法人税減税は日本経団連を中心に経済界が求めている。ただ、税収減を避けるため、首相は現在の企業向け税制優遇措置を廃止・縮小して課税対象を広げる方針を示しており、詳細な制度設計に向けては不透明な部分もある。

 初会合には、仙谷由人官房長官荒井聰経済財政相ら閣僚のほか、白川方明日本銀行総裁、経済3団体や連合のトップらが参加した。

これも、雇用できる体力のある会社は既に雇用してますね。
その会社の実情に合わせてやっているわけです。
そういう業績の良い会社は予定外のプラス収入。
業績の厳しい会社は、この制度があっても雇用は出来ませんね。
税制有利だからと、雇用する会社で制度終了時、雇用をどこまで維持できるかどうか?
そこが問題ですね。
でも、新卒者を含めた雇用の問題、ここまで来ているのですね。


補助金・減税・奨励金は焚き火の時の新聞紙。
上手くやらないと大きな炎にならず、燃えるのは新聞紙だけ。
新聞紙だけ燃やすのは、国も企業も体力が消耗していってしまいます。
今燃えているの新聞紙だけですね。
国の施策、企業も国も体力が付くこと、して欲しいです。
「新聞上手に燃やしてね」ってことですが。
その方法がなかなか見つからなくて、アメリカも含めて各国が苦労していますね。
私も、こうしたら良いって具体的に書くこと難しいです。
これが、出来ればそもそも問題ないのですが、
結局トップダウンを待つのではなく、
個人一人一人が生活の糧をキチンと見つけていくことではないでしょうか。*1
そして、働けなくなった方たちには、国も含めて、皆でケアする。
具体性には欠けますが、高齢化社会向けて、紆余曲折あるでしょうが、そこが落としどころだと思います。
昨日の夕刊の1面の左側は、こんな記事が2つ並んでいて象徴的でした。

*1:現在国もこの分部手を差し伸べていますね。ここで書き出すと堂々巡りになってしまいます。未消化な感じ私もしますがお許しを。