実家に来ています。
前から読もうと思っていた、蔵書の龍さんの「コインロッカー・ベイビーズ」読みました。
写真も載せますが、初版で買ったこの本、発行1980年10月28日
ちょうど30年前の作品なのですね。
今読んでも確かにすごいと思った。
龍さんの3作目。
限りなく透明に近いブルー(1976年、講談社)
海の向こうで戦争が始まる(1977年、講談社)
コインロッカー・ベイビーズ(1980年、講談社)
村上龍 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E9%BE%8D
2作目から3年かかって書いた3作目
本当に作家として、大飛躍した作品だと思います。
この作品の主人公2人内の一人が、棒高跳びやるのですが、
その高いバーを、見事に1回でクリアした。
そんな感じ。
30年前に読んだときもそんな感じ受けた記憶があります。
龍さん、私は以後の作品も何作か読んでいて、春樹さんのように全作品読んでいるわけではないのですが、常に気になっています。
私見ですが、このお二人の違い、
「限りなく透明に近いブルー」好きな作品ですが、書かれているのは主人公の行動範囲ですね、
龍さん、このコインロッカー・ベイビーズ、大きな仮想世界を構築して、それを表現する手法を手に入れた感じします。
勿論中の登場人物も魅力的なのですが、その登場人物が行動している世界の創作がすごい。
最新作の「歌うクジラ」未来小説ですし、
半島を出よ(2005年、幻冬舎)は経済が破綻して、北朝鮮に支配された日本でした。
春樹さんは、視点が個人の心理に向かっている気がします。
構築される世界もね。
「1Q84」月が2つ出ている仮想世界なのですが、その世界の中身が、個人的な感じ受けます。
3作目の「羊をめぐる冒険」も「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」もそうでした。
龍さんは、政治とか経済とかそういったことも含めた世界を描いているのに対して、春樹さんはもっと個人的な世界を描いている感じ。深層心理というべきかな?
文体は、龍さん冷静で、抑制って感じではなく、文章に勢いがあります。
春樹さんは、勢いではなく、冷静な感じ。
この辺、春樹さんが先日書いた、
2010-12-24Never Let Me Go - なんやかんや
にノックアウトされた感じわかる気がします。
この小説が書いている世界、龍さんにも書いてほしい気がします。
もっとSF感出ると思いますが、冷静な感じなくなりそうです。
この小説の持っている重い世界を跳ね除ける、前向きな作品になるように思います。
こう書いても、この作品の書かれ方、印象に残っていて、いい作品だと思います。
全てを受け入れているのも認めますけど、ただ、よく考えるとやっぱりもう少し救いほしい。
春樹さん、こういう書き方はするかもしれませんが、こういう世界は書かなそうな気がします。
写真のせます。
まず上巻で3枚
下巻で3枚
当時の朝日に出ていた記事です。
実家にスキャナーがないもので。写真です。
画像クリックすると、大きくなりますが読めないかな?
この頃の私は、本に関連した記事切り取って本にはさんでいました。
今やっていないですが、いい習慣だと思います。
動画もリンクします。
上巻61Pに、
とあります。
(ガリバーは3mぐらいある、ペットのワニです。)
天王星って曲は発見できませんでしたが、
火星はありました。
こっちの曲の方が有名ですが、
龍さんのイメージはたぶん前の曲ですね。
私はデヴィド・ボウイさん「フェイム」個性的で気にいています。
1975年の作品です。
この曲、15年後の、1990年宮沢りえさんカヴァーしてました。
初めて聞いた時、驚きましたよ。
スタッフにいたんでしょうね、ボウイファン。
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: Blu-ray
- クリック: 50回
- この商品を含むブログ (73件) を見る
原作読んでいませんが、
映画のラストがもうひとつ。
ネタばれになります。
主人公(堺さん)、ケネディ暗殺した、オズワルドさんのように、首相暗殺の犯人にされそうになります。
(オズワルドさん、実際どうか?これは未だに歴史上の結論出ていませんが)
結局逃げ切れるのですが、国家によって仕組まれて犯人にされたことに対して、国家の犯罪を暴く結論になっていません。
確かにね、沖縄密約の西山さんにしても、暗殺はされていませんが、国家に人生をむちゃくちゃにされて、国家は平然と成り立っていますね。
私も、日本の国を無くそうなんてことは思っていませんが、
国家の犯罪は裁かれるべきだし、国家が国民に対して不正を行ったとき、それを指摘し、個人を国家から守る存在があってほしいと思います。*1
そこが、この映画途中まではとても良かったのですが、ラストが不満。
伊坂さんの原作もそうなのでしょうか?
現実的な対応とは言えますが。
たぶん、龍さん書いていたら、国家の犯罪を暴く方向のラストになっていた気がします。
今日は、紅白の裏のカンブリア見ます。
なんやかんや、見ていただいた皆様今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を。
*1:日本はそういう国ではなくなった。そうであればそれがベストな方向ですけどね。