タイの洪水のニュース。
長い事話題になっています。
何で?
思いませんでしたか。
私の洪水イメージ。
川がドーーって水かさ増えて溢れる。
被害は一気に広がって、でも長引かない感覚。
そんな感じ。
何で、何日も洪水の範囲がしこしずつ広がるのか理解が出来ない??
タイは治水がしっかりしていないから、そうなるのかと思っていました。
確かに日本に較べたら、治水はしっかりしていないのでしょうが、地理的な要因があったんですね。
この事実教えてくれたのは、昨日の朝刊2面の
ニュースがわからん!
その部分引用します。
山がちな日本だと、上流に降った雨は一気に流れる。その勢いで決壊したり、あふれたりするけれど、水はすぐに海に流れてしまう。タイは国土がなだらかで、濁流が川を駆け下ると言うより、まるで、ティッシュペーパーに落とした水がじわじわと広がるみたいなんだ。特に河口に近いバンコクは満潮時には川の水位が上昇するため危険が高まる。
今日のタイトルになった、この↓表現。
『ティッシュペーパーに落とした水がジワジワ』
秀逸!
いくら「なだらか」って、こんなに「なだらか」なんて、究極の平野ですね。
インドシナ半島あの広さでこんな平地があるんですね。
世界は広い。
ティシュペーパー表現なら、何日もかかって水が来る。ものすごく納得。
何日か後に、水が確実に来るのわかっていて、防げないって、避難する時間はたっぷりあるのですが、この私たちの感覚と違った意味での恐怖感もわかりました。
さらに問題が、ティッシュペーパーってことで、水が溜まって流れないから、洪水状態が暫く解消しない。
ということで、浸水した多くの日本企業のタイ工場。
復旧何時になることやら??
ってことで、部品が来なくて東日本大震災よりも、日本での生産に支障をきたしている会社もあるようです。
で、頭の中は。
大企業は、今の円高。というより、だいぶ前から、高い日本の人件費敬遠して、タイに進出していたのですね。
それだけ、全部とまではいわないでしょうが、日本の雇用は減っている。
ん!
てことは、
TPP加入して、輸出しやすくなっても、既に、国内生産のかなりの部分海外に移っていて、
言われているほど、日本企業の競争力韓国と較べて弱くないのかもしれない。
そんなこと思いました。
未加入だったら、大企業は関税の高い日本の生産を海外に移して、そこの国から輸出すればいいし、日本の法人税が高いのであれば、国内で税金払わずに、海外で税金払って、そこの国にそのまま追いとけばいいしね。
TPP加入で、輸出がしやすくなるか?しにくくなるか?の問題だけではなく。
日本国内での雇用がどうなるか?
この視点あまり論じられていないけど。検討する必要がある!!
タイの洪水で私は、コッチに気付いてしまいました。
大企業は、輸出時の関税どうこう、関係なく、
日本人の人件費の高さ(勿論「円高」とかもありそれだけではないでしょうが、これが大きな要因ですね)で既に海外出ています。
TPP加入しても、国内生産から海外生産に踏み切る現状は変わらないと思います。
TPPで影響を受ける産業は、結構日本人の雇用を支えているのではないか?
TPPの締結で、利点のある、電気・車等の産業は、既に海外生産も進んでいます。
TPPで儲かったとして、国内の雇用そんなに増えないのではないか?
そう考えたら、
パナソニックの最先端の液晶テレビの工場縮小
なんて記事あったよね。
http://www.asahi.com/business/jiji/JJT201110230014.html
半導体事業で千人削減も=テレビ縮小の影響―パナソニック
パナソニックが、今年度中に半導体事業を縮小する方針を固めたことが23日、明らかになった。テレビ事業を縮小するのに伴い、基幹部品の半導体の国内生産も絞り込む。従業員は数百〜千人程度削減する可能性がある。同社の国内の半導体生産拠点は、魚津工場(富山県魚津市)、砺波工場(同県砺波市)、新井工場(新潟県妙高市)、岡山工場(岡山県備前市)、鹿児島工場(鹿児島県日置市)の5カ所。どの工場で減産するかは今後検討する。工場閉鎖は予定していない。
[時事通信社]
これパナソニック側から出た情報ではないような話しかかれていましたが、少し衝撃。
液晶や、プラズマ、価格の下落が激しくても、日本メーカーいけていると思っていたのに。
シャープと並んでいけている方のパナソニックがこの状態です。
政治力のある大手企業は、少しでも、競争が楽になるよう政治的圧力もかけられますね。
だからと言って、会社が上げた利益が、国内の雇用や、税収の増大に結びつく。
そんな考えは甘い。
そう思います。
各社が戦っている市場は激烈。
アップルのアイデア、日本の会社あったはず。
でも、トランスフォーマーの台詞にもあったように、
「やたら無駄な機能が付いていて使いこなせない」
そんな商品にメイドインジャパンはなっていないか?
かといって価格競争では、サムソン・LGや中国の会社との勝負も厳しい。
(その辺りが、タイに日本企業進出で今回の洪水ですね)
少しでも有利な条件で戦いたいのは当たり前です。
でも、関税がなくなっても、為替相場でその分がぶっ飛んだりします。
いまユーロもドルも弱含み、
多少不利でも、勝てる。
そんな技術とアイデアの組み合わせ。
日本はあったよね。
これからも、持ち続けて欲しい、
そんな願望を強く持ちます。
でも状況は甘くない。
韓国は、人口が少なく国内需要が少なくて、輸出に頼らないと生きていけない。
だからTPP等の貿易協定に積極的なのですね。
韓国の起死回生は、裏目に出るかもしれませんが、やっぱり南北朝鮮の統一だと思うのですが、
どうでしょう?
さて日本、人口減少気味とはいえ、国内需要まだあります。
国内雇用を守れる形で。各種TPP等の貿易協定を結ぶ方向で行かないと、
国債も多いし、大企業に勤める一部の方を除いて、失業や低賃金で貧しい方たちが多くなって、国内景気の恒久的な減速。
なんて事になるかもしれません。
2011-10-19 「TPP、日本にプラス」って言い切って良いの? - なんやかんや
に書いた時と較べると、少し消極的になっています。
でも、どうしたら、国内の生産性・雇用そして需要が増えて、皆が豊かに暮らせるか。
頼りないのですが、政策の大切さ感じます。
あまりマイナスな感じのことは書かないようにしているのですが、現実は楽天的ではないと思っています。
だけど、めげない。そこが大切だと。
さっきも書いたけど、タイの洪水から、こんなとこまで来てしまいました。