規制緩和と低賃金

昨日も少し触れた、夜間高速バスの事故の件です。
私も夜間高速バス利用した事あります。
当時今みたいに規制緩和される前だったので、運転手さん2人で交代して運転していました。
その路線運営していたのは、JRと伊予鉄道でした。
大手ですね。
この当時の価格を思うと今はだいぶ安くなっていると思います。
これも規制緩和のおかげ。
競争の原理が働くようになったと言うわけです。
問題は、
そう安全性。
参入が容易になったため、価格競争が激しくなって、昔だったら考えられないような価格が出現したわけです。
これから、規制が強化されるのは明らか。
今回の事故以前に、安全性に対する規制強化すること決定事項だったようです。
参入しやすくて、価格競争と安全性を両立できるラインに価格落ち着くといいですね。
規制を強化し過ぎて、参入障壁ができて、既得権益とか談合とかそういう事態になることを避けていかねば。
そう思います。


この件、もう1つ問題感じています。
価格競争の中で、低賃金で酷使される人たち。
今回は中国から来た運転手さんでした。
彼に非難が集中するのはわかりますが、その先を考えていかないといけない。
ここが大切だと思います。
たぶん、普通の収入を望んでいたのでは仕事が無かった。
そんな気がします。
今回の夜行バスの運転、本来いくら運転手さんもらうべき収入なのか?
そして彼はいったい、いくらで請け負ったのだろうか?


この件に関して、朝日の記事で、バスを運行した陸援隊がいくらで請け負ったか、読んだ気がして今探したのですが見つからない。
ネット検索で時事の配信見つけたので、リンクと引用します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120504-00000038-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120504-00000038-jij-soci

2社仲介、往復15万円=陸援隊、安値で請け負い―国交省

時事通信 5月4日(金)12時58分配信

 群馬県藤岡市関越自動車道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、ツアーを企画した旅行会社とバスを運行した「陸援隊」(千葉県印西市)の間を2業者が仲介し、当初の発注価格を2万円下回る往復15万円で陸援隊が請け負ったことが4日、国土交通省関東運輸局の特別監査で分かった。同省は、安値での請け負いがバスの安全運行に影響を与えていなかったか調べている。 

私の記憶なので、怪しいのですが、仲介した2業者が1万づつ抜いて15万になったような?
往復で15万。
片道だと、7万5千です。
この中に燃料費、ガソリンか軽油かは不明ですが経費かかるし、バス購入かリースかわかりませんがその費用も当然かかります。
運転手さんの取り分どう考えても労働に見合った収入にはなりませんね。
たぶん、この国のいたるところで、こういった過酷な労働を低賃金でしている正社員でない方がいる。
ということです。
1つ思い出しました。
横浜にいたとき2〜3回飲んだことのある運転手さん。
横浜から、大阪まで深夜運転して朝の何時までという契約で荷物運んでいました。
大阪のその場所はその名前を聞いただけで、
わかる人はすぐ、わかる大手家電メーカーさんの本拠地です。
私も、運んでいる場所聞いて、
「それって○○」
ってその○○当たりでした。
景気の良い時は、かなりの収入になっていたそうですが、
同じ仕事をしているのに、単価だいぶ下がっているそうです。
今のデフレは、こういった犠牲になっている人が沢山いそうです。
私も、他人事ではなくて一社だけ言われて、単価下げたことあります、時間当たり500円ですけど。
私の、選択は安くして急がしくする事はしない。
という方針です。
ただ、退院してから面接行った事以前書きましたね。
2012-03-09昨日の晩は外飲み - なんやかんや
この時も書きましたが、この仕事まだ来ていませんが、たぶん時給がこの500円引いた価格よりもっと安い。
たぶんもう500円安いかもしれません。
講師業も、募集すると応募者が沢山あって、価格破壊が進んでいるようです。
仕事が無いより、あった方がまし。
そんな感じで、低賃金で働いている人も多そうです。
私も、安くて良い品大好きです。
日本の賃金と、海外の賃金まだまだかなりの差があります。
日本から産業が出て行って、雇用の機会が減っていますね。
能力を持っていたら、その能力を高く売らないと、低賃金になってしまう時代です。
能力があると思っていたら、一般的にはたいした事なかった、そんな話もよく聞きます。
高収入だった、大手会社の役職部長さんだったかなんだったか、
再就職の面接で、
「何が出来ますか」
「部長が出来ます」
ホントかどうか知りませんが、そんな笑い話のような話聞いたことあります。
私の能力って???
そんな疑問も感じますが、無理やり信じるしかないもんね。^_^;
今の雇用情勢、一般的には普通にしていたのでは、賃金の低下は避けられないと思うのです。
国の保護も必要な事わかりますが、諦めないで、自力で低賃金のスパイラルから抜け出す必要性も感じています。
今回の事故、責任は逃れようが無いのですが、運転手さんも、バスを運行していた会社も非常に辛いところで仕事をしていたのではないか。
そんな気がしてなりません。


#後述
翌日(5日)の朝日・朝刊社会面(手元の新聞で29面)

重責・待遇嘆く運転手

という見出しの記事から、一部引用します。

今は金沢−東京を夜行バスで月に11往復して22万円

往復2万片道1万ですね。
月11往復で22日働く事になります。
他の仕事は無理しないとできなそうです。
正社員ならまだ福利厚生あるけど、この方どうなのでしょう?
事故の運転手さんは正社員じゃないし、
この運転手さんのお話一部引用します。

「俺たちは2時間交代で休めるからいい。事故を起こした運転手はワンマンじゃつらかったろう」。

こま塩頭の運転手さん49歳だそうです。
事故の運転手さん。1人で運転しても片道1万程度だったのかもしれませんね。


こんな大変なのに、
人を乗せるバス運転するには大型2種免許が必要です。
運転免許の種類
http://www.top.in.arena.ne.jp/menkyo03menkyosyurui.html

タクシー・バスなど旅客用自動車や旅客用車両を、旅客を運送する目的で運転する場合には、第二種免許を
受けていなければなりません。