巨人軍契約金報道

今日の朝日・朝刊(手元の新聞で18面全部)巨人軍契約金報道の自社記事に対する「報道と人権委」の見解が全面に書かれていました。
asahi.comから引用します。
http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY201207120407.html
http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY201207120407.html

「巨人軍契約金報道は真実」 「報道と人権委」が見解
 プロ野球読売巨人軍の新人契約金をめぐる朝日新聞の記事(3月15日付朝刊、16日付朝刊)について、巨人軍と選手4人が訂正記事とおわびの掲載を求めた申し立てに対し、朝日新聞社の「報道と人権委員会」は12日、結論となる見解をまとめた。

 申し立てた4人は、高橋由伸阿部慎之助内海哲也野間口貴彦の各選手。

 同委員会は、契約金に関する記事について、選手個人の契約の内訳、経緯、受領金額などを詳細に検討し、すべて正しいと認定した。その上で、(1)論評は表現の自由の乱用にあたらず、名誉を違法に毀損(きそん)しているとは認められない(2)入団契約の内容はプロ野球ファンの関心事であり、契約金が球団間の申し合わせを大幅に超えて約束されていたという真実を公表する理由は大きく、プライバシーの違法な侵害は認められない(3)報道と取材に報道倫理上の問題はない、と判断した。

 3月15日(東京本社発行最終版)と16日の記事は、巨人軍が1997年度から2004年度にかけて、プロ野球12球団で申し合わせた新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5千万円)を超える契約を選手6人と結び、超過額が計27億円だったと報じたうえ、「ドラフト制度を根幹から揺るがす」などと論評した。

 これに対し、巨人軍と4選手は4月27日、名誉を傷つけられ、選手のプライバシーを侵害されたなどとして、是正措置を朝日新聞社に求めるよう同委員会に申し立てていた。

 同委員会は、朝日新聞社朝日新聞出版の取材・報道で人権侵害を受けたとする訴えがあった場合に紛争の解決を図る第三者機関。当事者からの申し立てを受けて社外の委員が審理し、見解をまとめる。現在の委員は、東京大法学部教授(憲法)の長谷部恭男氏、元共同通信論説副委員長の藤田博司氏、元最高裁判事で弁護士の宮川光治氏。

 今回の申し立てに対し同委員会は、計4回の審議を開催。巨人軍側、朝日新聞社側の双方からの聞き取り調査などもして、見解をまとめた。

 同委員会の見解に対し、読売巨人軍は12日、「朝日新聞誤報を正当化しただけの不当な内容だ」として、朝日新聞社に対し損害賠償を求める訴訟を起こす方針を明らかにした。

■公正認められた 福地献一・朝日新聞東京本社報道局長の話

 読売巨人軍の新人契約に関する本社の一連の記事について、事実を丹念に追った報道が、正確で公正だったと第三者機関である「報道と人権委員会」に認められたものと受け止めています。朝日新聞は今後も、さまざまな社会的問題を独自に取材する調査報道に力を入れ、読者の信頼に応えていきます。

■到底納得できぬ 読売巨人軍のコメント

 今回の人権委の見解は不公正・不十分な審理に基づくもので、到底納得できません。とくに問題なのは、新人契約金に関する球界申し合わせを念頭に置き巨人軍が考えた報酬加算金制度を、契約金の分割払いに過ぎないと誤って解釈している点です。球団は報酬加算金が契約金と異なることを示す様々な客観資料を提出しましたが、人権委は朝日新聞が根拠にした「巨人軍の内部資料」なるものをほとんどうのみにし、朝日側に不都合な資料については無視または軽視しました。審理を尽くさないまま、朝日のアンフェアな報道を「報道倫理上問題なし」とした人権委の姿勢に、強い疑問と憤りをおぼえます。

     ◇

 4選手の代理人のコメント 見解は選手の主張をすべて排斥するものだ。選手はあたかも読売巨人軍への入団の対価としてやましい裏金を受領したように報じられ、心を痛めている。選手の心情を無視するかのような見解で、きわめて遺憾と言わざるを得ない。

関連記事社会面(手元の新聞で38面)にもあって引用部分は、その記事の内容に近いです。


18面の記事ですが、書き方が非常に参考になります。
相手の主張に対して、否定をまずしない。
客観性を持たせて、内容によっては肯定的なことまで書いてしまう。
そこまで書いておいて、
「しかし」
とか
「しかしながら」
を使って、「報道と人権委員会」の主張を展開していく。
こんな形。
その主張今回は、朝日の主張を肯定する形になっています。
ですので、上記読売側のコメントは「納得できないよ」そんな内容になっています。
100歩譲って、200歩進むというか、こういう手法は良いですね。
相手の言うことを聞いている姿勢が示せます。
尖閣諸島も、こういうやり方もあるかと思います。
石原さんに任せず、国が出る。
これ私も良いと思っています。
石原さんのやり方では、中国と本気で戦争しないと、解決しないと思います。
この件以前書いたのリンクしておきます。
2012-03-19 巨人の契約金問題 - なんやかんや


さらに朝刊、スポーツ面西村さんの署名記事EYEで、
少し前に話題になっていた、原監督が反社会的勢力に1億円ゆすられた問題にも触れています。
この件、芸能人だったり、程度の差はありますが伸介さんとか、かなり叩きますね。
原さんあまり叩かれていない気がします。
読売がバックに付いている。
これは何よりの権力なのだと思います。
有名人、反社会的勢力と関わるとかなり大変な事になりますね。
この件、原さんも被害者なのでしょうが、ご本人含め私も読売側の対応疑問に思っています。